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傾斜バラック建築・和歌山中華そば「まる豊」

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せっかく関西のガラパゴス和歌山まで来たのだから、有名な毒カレー事件の舞台でも見に行こうかと思いつつ、結局何も残っておらず落胆して帰ってきた時に和歌山市街地に戻る途中、和歌山名物の中華そば屋の中でもトップクラスのインパクトを誇る超有名中華そば屋の前を通りがかった。

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和歌山市有本、紀の川河川敷に程近い場所にある「中華そばまる豊」である。あまりに有名過ぎるので今更な感じがしなくもないが「店が傾いたままになっている」事で一躍有名になったあの店を目の当たりにすると、やっぱりテンションが上がるよね。


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傾いた店に隣り合った駐車場に車を置いて店へ向かう。和歌山市街地から郊外に向かう県道に沿っていて、紀の川を跨ぐ六十谷橋や紀の川大堰へと向かう主要道路でもあるためかなり交通量が多い。

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まる豊の隣にあるのはやたら場違いに立派なパチンコ屋の駐車場だ。パチンコ屋に比べたら傾いたラーメン屋の店舗が余計に際立って見えるので面白い。

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中華そばを食べる前にじっくり店の傾き具合をチェックしておこう。まる豊は昭和58(1983)年に今の場所に店を開業しており、それほど大昔からある店という訳ではない。しかし場所が河川敷の土手にあるためか年々地盤沈下が発生し店が傾き始めた。

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まあどう考えてもしっかり地盤工事をやっているはずもない掘っ立て小屋なのでこうなるのだろうが、裏から店を見ると土手際の地面のデコボコっぷりが壮絶。あまつさえ店のごみ箱の雨よけに廃車となった車の後部ドア?を使っている。廃材で物を作るのが好きなDIY気質なんだろう。

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店のトイレは傾いた店舗ではなく、その外側にある随分と開放的な仮設トイレである。駐車場とは逆側にあり紀の川の土手がよく見える。

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屋台を改造して作られたという店の建物は、地盤沈下によってパチンコ屋がある側に大きく傾いている。最大傾斜12度というから生半可なものではない。県道際に置かれたいたって水平の自販機と見比べるとその傾き具合の酷さが理解できるはずだ。

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店の開き戸をガラガラと開けると、閉まる時は店の傾斜で勝手に閉まるという半自動ドアに半笑いになりながらも昔の遊園地にあった「ビックリハウス」的なノリで、狭いながらもテレビに紹介されまくりで芸能人やらのサイン色紙が壁に貼りつけられまくりの店内へなだれ込む。最も店の傾き具合を体感できるという奥の席に腰掛ける。わざわざ傾斜対策で、ほぼ水平に丼を置けるように微妙に高さの違う足のついた専用の板が各座席ごとに用意されている。手前左側の穴は、水の入ったコップを置く為のものだ。

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もしそのままコップを置いたらこういう事になる。こりゃ安心して食事もできませんな。その為に置かれた板なんですね。

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同じく和歌山名物の「早寿司」とともに食べるのが和歌山中華そばの召し上がり方。溶き卵にキムチが乗ったまる豊の「スタミナラーメン」。見た目にほぼ水平になっているのは専用板に加えて丼の底に敷く「こぼれん棒」があるからだ。実によく出来ている。
とは言っても身体は傾いたままなんですけどね。三半規管が弱い人にはちょっと難しいかもね。

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2011年は大地震が頻発するわ、紀伊半島は集中豪雨でメタクソになるわで災難続きの年だった。7月にも最大震度5強の地震が和歌山を襲っている。今では「まる豊」の店舗もさらに傾き具合が酷くなっているかも知れない。店が傾くと客が珍しがって繁盛しちゃったというレアなケースだ。これから店がますます傾こうが、経営が傾く事はないだろう。

【続報】「まる豊」は建物の老朽化や立ち退き要請を受け、2017年5月27日にて営業を終了、同年6月1日より和歌山市本町9丁目29の新店舗に移転、営業を続けている。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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