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今更だけど知っておきたい日本最大のコリアタウン「鶴橋」という街をざっくり説明する (2016年版・全3ページ)

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鶴橋駅前の闇市っぷりをとくと見よ。鶴橋商店街を歩く

大阪市 生野区 鶴橋

戦後、交通の要衝でもあった鶴橋駅周辺は大勢の露天商が集まる「闇市」として並々ならぬ勃興ぶりを見せた。「鶴橋商店街振興組合」のホームページには、『昭和22(1947)年に5カ国の方々の参加により300店舗・会員数1200人の任意団体として鶴橋国際商店街連盟が結成された』とある。

この5カ国とはどこか、別枠で「日本、大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国、中華民国、中華人民共和国」であるとも書かれている。つまり敗戦国VS自称戦勝国の構図で、どのような力関係にあったか想像するに難くない。そんな市場がほぼそのままの形で戦後70年経った今も駅前一等地にそのまま残り続けているのは、やはり鶴橋くらいしかない。

鶴橋駅前に広がる「鶴橋商店街」は場所によって6つの区域に分けられている。このうち全てが全て韓国・朝鮮系かというとそういう訳でもなく、また厳密には生野区だけでなく東成区、天王寺区にも跨っている。以下に各商店街毎の特徴を記しておく。

1:鶴橋商店街振興組合

大阪市 生野区 鶴橋

鶴橋商店街振興組合、通称「つるしん」。JRと近鉄鶴橋駅が十字に交わるすぐ北東側一帯に属する商店街。ここが鶴橋で最も鶴橋らしい商店街であるとも言える。戦後に街区が作られ狭い路地のアーケード街にキムチ屋、韓国食品店、韓国料理店、民族衣装専門店、それに怪しげなブティック等が軒を連ねる。良くも悪くもここが「鶴橋の顔」。

大阪市 生野区 鶴橋

しこたま多い韓国屋台料理店

特にこの界隈で多いのが、韓国惣菜を目の前で売る店がやたらと目立つ事だ。豚足、スンデ、トッポギ、チヂミ、海苔巻き(キンパブ)、はるさめ(チャプチェ)といった、韓国ではそこら中の屋台で売ってる料理がずらりと陳列されており、日本語さえ見かけなければ、まさしく韓国の市場そのものである。ちなみにケコギ、犬肉はありませんでした…

大阪市 生野区 鶴橋

もしもネイティブの韓国人を鶴橋に連れてきたとしたら、こうした光景を目の当たりにして「韓国の市場と全く同じニダね」と迷い無く即答するほど本場にクリソツなのが鶴橋クオリティ。元々はオールドカマーの在日コリアン二世、三世が殆どだったが、近年ではニューカマーもかなり増えており、韓国語が飛び交う事も日常茶飯事だ。

大阪市 生野区 鶴橋

日本一キムチ密度の高い商店街

やはり韓国の市場同様、様々な種類のキムチを豊富と取り扱うキムチ専門店もやたらと多い。見るからに食欲をそそる真っ赤なキムチ色が常々目に染みるのが「つるしん」の日常風景。特に「豊田商店」の前、おばちゃんが5人くらいで忙しなく客捌きを繰り広げている。恐らく日本一キムチを大量に売り捌いている店ではなかろうか。

大阪市 生野区 鶴橋

民族衣装専門店しかない区画も

キムチの赤色もあれば韓服(チマチョゴリ等)の極彩色もあるのが「つるしん」である。在日コリアンの世代交代と共に減りつつあると言われるこうした民族衣装専門店も、鶴橋に来れば専門店だけで一つの区画が成り立っている。右を見ても左を見ても韓服だらけ。目がチカチカしそうだ。

大阪市 生野区 鶴橋

正月前には蒸し豚屋に行列が出来る

もはやキムチやチヂミを売っているだけでは何の驚きもしないというのであれば、鶴橋ならではの蒸し豚屋がある市場の片隅に足を運んでみてはどうか。韓国によくある香辛料入りのスープに煮詰めるタイプの「チョッパル」とは違う、オーソドックスに蒸して作られた豚足や豚顔肉、耳肉などがワイルドに陳列されている個人商店がいくつもある。

大阪市 生野区 鶴橋

鶴橋商店街も他と同じく、正月前は買い出しの客でごった返して大変な混雑となるが、大阪に住む在日コリアンは正月に日本人のようにおせち料理を食べるのではなく、こうした蒸し豚を正月料理の一つとして食べる習わしがある。どこの蒸し豚の前も客が大行列を成している姿が見られる。繰り返しますが、ケコギ(犬肉)はございませんので悪しからず。

2:鶴橋西商店街

大阪市 天王寺区 鶴橋

JR・近鉄鶴橋駅より線路北西側一帯が「鶴橋西商店街」に属している。ここの住所は生野区ではなく天王寺区下味原町。駅のホームから焼肉臭が半端無く流れてくるのはこの商店街に密集する焼肉屋のダクトから流れる匂いだ。JR大阪環状線鶴橋駅の駅メロが桂雀三郎withまんぷくブラザーズの「ヨーデル食べ放題」となっているのはその為だが、そういう歌がある事を知っている大阪人がどれだけ居るのだろうか。

大阪市 天王寺区 鶴橋

♪焼肉バイキングで 食べ放題~食べ放題ヨロレイヒ~

駅の改札前から「白雲台」「アジヨシ」「牛一」など今時の中国人爆買い団体観光客もすんなり入れそうな大箱のビル店舗が乱立していて、恐らくここも日本一焼肉消費量が多い地域になっている事だろう。路地に入った先にも物凄い数の焼肉店がしのぎを削りあう。

大阪市 天王寺区 鶴橋

いつも大行列の焼肉屋「空」

しかし特に地元民に人気が高い「焼肉ホルモン空」は「目方も値段も他店の半分」をウリに大衆向けに商売をやっていて財布の紐が固いケチで実利主義な大阪人の支持を集めており日常的に長蛇の列が出来ている。当方行列が苦手なド短気な関西人の典型ですので未だかつて「空」には入店経験ございません。ご了承下さい。

大阪市 天王寺区 鶴橋

巨大パフェでJK大行列「カナリヤ本店」

そんな焼肉屋だらけの鶴橋西商店街に唯一女子軍団が行列を作っている異色の店舗が存在する。高さ60センチはあろう巨大パフェが名物の「カナリヤ本店」である。焼肉で胃袋がもたれそうになった後に立ち寄るのも無理がありそうなこのビジュアル。店内は女子高生で一杯。恐らく近鉄沿線に住んでるJK達であろうか。でも一歩外に出ると焼肉屋に囲まれているという異空間である。

大阪市 天王寺区 鶴橋

在日コリアン系書籍が豊富な「高坂書店」

焼肉白雲台の真向かい角地に店を構える「高坂書店」は鶴橋駅前における代表的な街の本屋である。パット見は古めかしいながらも普通かと思いきや、一部の本棚が「在日コリアン」「南北朝鮮」がらみの本で埋め尽くされていて、なかなか目を見張る品揃えとなっている。ネット時代によってレパートリーが増えた「嫌韓本」の類もかなり多い。恐らく日本一在日コリアン社会に敏感な本屋である。

3:高麗市場

大阪市 生野区 鶴橋

近鉄鶴橋駅の真下を通るガード下とその南側一帯の市場が「高麗市場」である。特にキムチ専門店「豊田商店」の先のガード下市場は強烈の一言。林真須美似のおばちゃんマネキン人形の横を通って市場内に入っていくと、低い天井のガード下にここぞとばかりに魚屋や八百屋など生鮮食料品店が乱立している。

大阪市 生野区 鶴橋

激狭ガード下に広がる「日本の朝鮮」ワールド

ここもやはりキムチ専門店、韓国食品店が非常に目立っているが、天井と通路の狭さが並々ならぬ圧迫感を与えているので雰囲気がより一層濃密なものになっている。ここも正月前の買い出しの時期になると買い物客の混雑で通り抜けるだけでも大変な状態になる。

大阪市 生野区 鶴橋

さらに、日本の普通の魚屋にはあまり置いていない「チョギ」と呼ばれる魚も高麗市場では山積みにされている。チョギは日本名で「イシモチ」ですね。普通に焼いたり煮たりして食うものだが、韓国ではこれを干したものを「クルビ」と呼び、旧正月や旧盆の時期に贈答品として出される。

大阪市 生野区 鶴橋

そしてこの高麗市場でも在日コリアンが常食している「ゆで豚」を扱う店が多い。

大阪市 生野区 鶴橋

さらにガードを抜けた南側の路地にも蒸し豚・豚足を扱う肉屋がずらりと軒を連ねているのが見られる。まさにパスポートのいらない大韓民国。いや違った、大阪民国だった。

4:鶴橋卸売市場

大阪市 天王寺区 鶴橋

鶴橋駅東側一帯に広がる「鶴橋卸売市場」。日本の朝鮮状態の駅前一等地の闇市上がりな商店街のイメージは、この卸売市場に来ると随分薄れている。ここも戦後の昭和20年代から延々と続いている市場で、主に鮮魚類を扱う魚屋や乾物屋といった店舗が中心となっており、雰囲気は古き良き日本の市場という他ない街並み。

大阪市 天王寺区 鶴橋

鶴橋卸売市場にはこれがある。関西人にはお馴染み蒲鉾メーカー「カネテツデリカフーズ」のキャラクター「てっちゃん」のほぼ原型ではなかろうかと思われる巨大な蒲鉾屋の看板。激渋過ぎて涙がちょちょ切れそうになります。

大阪市 生野区 鶴橋

近鉄鶴橋駅にある「近鉄沿線魚類仕入組合」

そして、これも鶴橋という街でしかお目に掛かれないもの。以前は近鉄鶴橋駅東口改札前に「近鉄沿線魚類仕入組合」と看板が書かれた小屋が見かけられたのだが、近鉄では昭和38(1963)年9月21日から今日まで日祝日を除いて毎日「鮮魚列車」と呼ばれる専用列車が宇治山田から上本町まで片道2時間半の所要時間を掛けて運転している。

鮮魚列車は「伊勢志摩魚行商組合連合会」の貸切車両として運行しており、三重県方面から魚を売る行商のおばちゃんがその日の早朝に三重県内で揚がった海産物ごと大阪に売りにやってくる。行商が利用するのは駅前に市場のあるここ鶴橋と、日本橋の黒門市場だ。

近年までは京成電鉄の「行商専用車両」が運行していたものの行商人の利用者が高齢化などで減少した結果2013年3月で運行終了し、全国でもこの手の行商専用列車を走らせているのは近鉄だけとなっている。

ところでこの小屋、2007年に撮影したものですが、まだあるんですかね…

5:鶴橋本通鶴進会

大阪市 生野区 鶴橋

鶴橋駅東側の千日前通から南北にアーケード街が貫き「鶴橋本通商店街」と総称されているが、うち北側が東小橋南商店街、真ん中が鶴橋卸売市場、そして南側を通るのが「鶴進会」というアーケード街で、名称がそれぞれ分かれている。この鶴進会のアーケードを南に抜けるとその先に「御幸通商店街」がある訳だが、そこへの通り道にもなっているこの商店街もやはり韓国系の店が非常に多いのである。

大阪市 生野区 鶴橋

観光地臭のしないガチなコリアン食堂が点在する鶴進会商店街

鶴進会にある韓国食品店や韓国料理屋の多くは、土着の在日コリアンを相手とした観光色もへったくれもない店が殆どで、特に「アリラン食堂」という派手派手しい店構えの韓国料理店は1990年代から続く古参店。オモニの日本語もぎこちなく、在日向けというよりも完全に韓国人向けといったところで雰囲気も料理も本格派だ。

他にも鶴進会には韓国系の寺院や在日コリアン高齢者を対象とした介護福祉施設などがあったりするのも特徴的である。

6:御幸通商店街(生野コリアタウン)

大阪市 生野区 鶴橋

鶴橋駅から鶴進会商店街や疎開道路などを経て片道15分近く歩いた所に突如として現れる「御幸通中央 KOREA TOWN」と書かれた大きなアーチ看板。古い世代には「朝鮮市場」の呼び名でも呼ばれている、コリアタウン猪飼野の肝となっている商店街で、在日コリアンにとっての生活に必要な全てのものが揃うと言われるような場所だ。

大阪市 生野区 鶴橋

御幸通中央、御幸通東の東西300メートルの区間に特に韓国食品店、焼肉屋、民族衣装屋などが密集していて、東端部は新平野川に面してもう一つ「百済門」のアーチ看板が設置されている。一時期の韓流ブームの沸騰で観光客が来るようになってから「生野コリアタウン」の名称で町おこしを図り、東京の新大久保を思わせる今時な韓流アイドルグッズ店やら韓国風カフェも増加中。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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