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【阪急塚口駅前】2017年中に解体予定「塚口さんさんタウン3番館」を見に行った

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「尼崎市」と耳にすると、大抵ガラの悪い阪神工業地帯に近い海側の阪神沿線の尼崎を思い浮かべる事が多いが、比較的上品とされる阪急神戸線沿線にも尼崎市に属する街があり、その代表格が「塚口」という街である。ここも大阪・梅田駅から片道13分、5つ目の駅であり、大阪市内からは非常に近い。

同じ塚口と名の付く駅がJR宝塚線と阪急神戸線の双方にあるが、駅前の発展度が高く街の中心地域となっているのが阪急塚口駅前で、ここは阪急伊丹線の始発駅でもあり伊丹方面への通勤客も利用する事もあって駅前も結構賑わっている。同じ尼崎市でも阪急沿線という事でガラの悪さが若干控えめで、駅利用者も学生の姿が結構多い。

阪急塚口駅前のランドマーク「塚口さんさんタウン」

阪急塚口駅南口に出ると目の前に広がる商業施設「塚口さんさんタウン」が昔からの駅前のランドマークである。昭和53(1978)年に行われた駅前再開発で生まれた3棟の商業ビルと、それらに直結するペデストリアンデッキや駅前ロータリーが一体となった施設で、建設当時、阪神地域における画期的な駅前再開発の一例となった場所である。

しかし、このうち西側にそびえる「3番館」のみが老朽化を理由に建て替えが決まっており、2017年10月、つまり今月末で39年間の歴史に幕を閉じる予定になっている。再開発ビルが取り壊された後は野村不動産の16階建て高級マンション「プラウドシティ阪急塚口(仮称)」に生まれ変わるらしいんですが、完成予定は2021年…

パッと見での印象は雰囲気的にも建てた時期的にも、JR高槻駅前の「グリーンプラザたかつき」によーく似てるんですけれども、第三セクター主導で建てたものの人もろくに立ち寄らないしパチンコ屋や場末の呑み屋街などが入居し総じてズッコケ感漂う高槻のそれとは違い、こちら塚口さんさんタウンは1番館から3番館まで総じて地元民に親しまれている感があり、今回の建て替えを惜しむ声もある一方で「いい加減古臭いので建て替えになって良かった」との声もある。いずれにせよ駅前のシンボル的存在である事だけは確かだ。

とりわけ3番館にはダイエー塚口店が核テナントに置かれていて、個人店舗が中心の専門店街が入居しているが、これも順次退去が進んでいる状況である。3番館6階のレストラン街「味と憩いの街 サンシャイン6」とやらも飲食店は全て退去済み。看板が超絶昭和仕様なんですが…

ペデストリアンデッキの手すりが錆びすぎてボロボロな件

誕生から40年近い、古びた再開発ビルが再び「再々開発」されるという、関西の街の中でもあまり経験のない出来事が近づこうとしている阪急塚口駅前。さんさんタウンの3棟の商業ビルを二階部分で接続するペデストリアンデッキに登ると、全く人の往来する姿がない。

それどころかペデストリアンデッキの鉄製の手すりも随分と劣化が進み錆び具合がハンパない状態になってきている。これって一度も塗装し直されたり補修されてないんでしょうかね。同じ阪急神戸線沿線では西宮北口駅前の「阪急西宮ガーデンズ」がイマドキっぽく繁盛しまくっているのに比べ、こちらは昭和の遺物も甚だしい訳で。

お上品な阪急神戸線暮らしのマダムやリア充ファミリーも塚口さんさんタウンには目もくれず、といったところで、ペデストリアンデッキの上にたむろしているのは暇そうなオッサンとか喫煙者ばかりである。やはりどう転んでもここは労働者のオッサンの街、尼崎市なのである。

2・3番館の間のペデストリアンデッキ上に「スカイコム広場」なるイベントスペースがあり、ここにやってくるとグダっとした感じのフリーマーケットや老人客しか居ないライブ会場なんかになっていて、若々しさの欠片もないドヨーンとした雰囲気に包まれている。ああ、よく見たら「敬老イベント」でしたか。

39年も経てば老人向けモールと化す「塚口さんさんタウン3番館」見納め

太陽の「SUN」「燦々と輝く」といった意味と「3棟の商業ビル」とを掛けたダブルミーニングなネーミングセンスの塚口さんさんタウンのロゴも昭和感丸出しですが、建て替えが決まっている3番館に入ってみる事にしましょうかね。

完成当時には画期的だったはずの駅前商業ビルも今見てみれば老人の溜まり場にしかならなそうなくたびれた雰囲気しか漂って来ない訳で、並んでいる店もオバ服屋だらけという1階「ファッションのまち」も多くの店で最後の閉店セール実施中。

さらにエスカレーターで2階に登るも、こちらも同様に塚口マダム御用達ファッション専門店街「ハイファッションのまち」と称する終始ババ臭いフロアであり、今時の家族連れにはそりゃ厳しいだろうなという感じしかしない。

こちらの女性用かつら専門店「ウィッグサロン・イブ」もそこはかとなく昭和のオババ感を放っていて容赦ない。どう見ても60代以上の女性しか立ち寄りそうにないクラシカルな店構えで徹底されている。

「すてきな女性のおしゃれウィッグ」と手描きのポップが個性的。これを見ると自ずと横山ノック師匠(故人)が「フォンテーヌ!」と叫んでいる声が脳内を駆け巡るのですが、そんな当方も中年丸出しですみませんね。(関西テレビ「ノックは無用!」の「魅惑の変身」コーナーです)

地下飲食店街もほとんど閉店してました

3階から上は殆どもぬけの殻になっていてツッコミようもなかったので食い物関係の店が立ち並ぶ地下1階に降りてきました。奥にあるダイエーの食料品売場は買い物客で賑わっているが、こちらも専門店街は閉店した店舗が多くガラガラ状態。

他のスペースもこの通り、もう数年、早く見に来れば良かった…と後悔してしまいそうな程にシャッター通りに変わってしまってました。

数少ない営業中の店舗はこちらの札幌ラーメン屋。「北海らーめんすすき野」と言う割には尼崎でご当地グルメで流行らそうと地味にアピール中の「尼崎あんかけチャンポン」の幟が立っている件。そしてここも冷やし中華を「冷麺」と言っちゃう関西仕様。

ラーメン屋が二軒もあって、あとはうどんとそばと和食の店があったり、麺類粉物丼物揚げ物多いのが尼崎ならではのラインナップでございますが、この地下飲食店街も同じく見納めになり残念無念であります。

2017年10月末、3番館亡き後の塚口さんさんタウンは…

3番館が2017年10月末で閉鎖され、解体工事に向けて段取りが進められる予定になる一方で2番館の1階にある飲食店街「さんさんストリート」等は閉鎖される見込みはなくこれまで通り古臭い風情を残して営業しているらしいので、3番館閉鎖以後はこちらへどうぞ。

またダイエー塚口店も3番館が無くなった後は1番館に移転して、規模縮小の上、リニューアルオープン予定らしい。イオンフードスタイル…ダイエーであって、ダイエーじゃなくなる訳ですよねぇ…

しかし、こんな狭いビルの通路でも自転車に乗ったまま走るズボラな連中がいるのが尼崎クオリティなんでしょうか。こんな物騒なイラスト付きで「自転車は降りて通行を!」と警告する張り紙がある件。「あかん!やってもうた」と関西弁で言われると途端に緊張感が無くなるんですが。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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