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大阪から一番近い無人島…旧陸軍要塞と廃墟旅館の島「友ヶ島」上陸記 (全4ページ)

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近年、軍艦島クルーズだとか何だとか、廃墟離島観光が一部世間の脚光を浴びているようで、長崎の軍艦島もそうなんだけど、関東では横須賀沖にある猿島とか、観光客向けに随分整備されて綺麗になって、ボキャブラリーの貧困なニワカ廃墟系女子なんかがキャッキャウフフしながら「ラピュタみたーい」とか言ってるようなノリになってしまい食傷気味なんですが、我々もとうとうこの島を訪れる事になりました。そう、和歌山市加太沖にある「友ヶ島」です。

和歌山市 加太

友ヶ島は和歌山市の中心市街地から10キロ超北西に離れた加太地区の沖合「紀淡海峡」に浮かぶ地ノ島、沖ノ島、神島、虎島の4つの無人島を総称したもので、単体の島の名称ではないが、友ヶ島の名称で呼ばれている。加太の隣はすぐ大阪府泉南郡岬町との府県境だが、大阪からのアクセスは高速道路を使っても片道1時間半は掛かる。終戦時までは一般人立入禁止だったという、秘密のベールに包まれていた「要塞の島」。戦後70年近く観光一色でやってきた訳だが、今ではかなり鄙びてしまっている。

和歌山市 加太

「大阪から一番近い無人島」である友ヶ島へは、特に夏休みシーズンになるとバーベキューやキャンプを楽しみにやってくる行楽客がどっさり押し寄せる。ビッグダディみたいな大家族がいたり、タトゥーを隠そうともしないガラの悪そうなヤンキーがいたり、何気にDQNが多いのも土地柄である。

和歌山市 加太

横須賀の猿島とやはり被るのだが、関東のように観光整備が行き届いておらず、島へ渡る唯一の手段であるフェリーは、昭和仕様のまんま、結構お年を召された従業員が総出で客を捌いている。だが、多忙期である夏休み中の土日には、客の積み残しでフェリーに乗るのに1時間、2時間待たなければならない事もある。

和歌山市 加太

肝心の友ヶ島行きフェリー乗り場の駐車場(有料、500円)も昼前になると停められるスペースがない程に大量に車が止まっていて、車の通り道に無理矢理止める阿呆がいて、駐車場から出られない車の運転手(DQN)がドギツイ大阪弁丸出しで「出られへんやないか!ゴラ!」と怒鳴りつけるなど早速カオスな様相を呈している。ええ、ええ、全て「土地柄」ですからね。

和歌山市 加太

元々は南海電鉄グループがフェリーを運行していたが観光客の減少を理由に2002年に撤退、友ヶ島汽船という地元の会社(漁協)が細々とやっているだけで、フェリーの本数も少ない上に風が強くなるとすぐ欠航してしまう。前回訪問時はご覧の通りの状況で、友ヶ島に渡れず涙を呑んだのである。

和歌山市 加太

これから渡るのは「無人島」。食糧や水分の調達は予めしっかりしておこう。乗船券売り場の隣にはまるで昭和の駄菓子屋のような佇まいの売店があり、飲料、おやつ、タバコ、貝掘り用の熊手やバケツ、懐中電灯の類が販売されている。こういう場所でもしっかりタバコが置いてあるのが関西っぽいです。

和歌山市 加太

気合を入れたつもりで朝9時に加太港に着いたにも関わらず、客の積み残しの影響で我々がようやく乗れたのは2時間後の11時発のフェリーだった。最大120人乗りのフェリーともがしま号が一隻だけ。桟橋は綺麗にリニューアルされてはいるが、懐事情は楽では無さそう。

和歌山市 加太

加太港を出て片道15分程度で、友ヶ島で最も大きな「沖ノ島」の野奈浦桟橋に辿り着く。東西に長い沖ノ島は全周約6.5キロメートルあり、島を一周しようとするとまる一日は必要だと思われるが、見所である砲台跡などの戦跡の多くが島の西側に集中しているので、やってきた観光客も桟橋を降りて西側に歩き出す。

和歌山市 加太

無人島に上陸、やってきました友ヶ島!ってテンションが上がるもんですが、その辺に建ってる看板とか何もかもが昭和のまんまで、横須賀の猿島みたいなノリで来るとかなりギャップを感じる事請け合いだ。特に桟橋正面にある「旅館友ヶ荘」はなかなかキョーレツな物件だが、理由については後述する。まずは島の見所を周りましょうね。

和歌山市 加太

野奈浦桟橋のすぐ近くにこんもりと小山が築かれその頂上に神社が置かれているのでお参りする事にした。鳥居の傍らには神社の由来が書かれているが、明治中頃に旧陸軍の要塞工事が始まった際に工事関係者が建立したという。

和歌山市 加太

山の上には対の狛犬と小さな祠があるだけだった。ここ沖ノ島にある神社以外にも、向かいに浮かぶ神島が淡嶋神社の発祥の地だったり、友ヶ島自体が修験道の聖地でもあったりとそのへんの歴史は古いんですよね。

和歌山市 加太

島内にはキャンプ客が非常に多いが、海水浴をしている観光客はあまり居ない。まずまともに泳げる砂浜が殆ど無く整備された海水浴場が存在しないのと、紀淡海峡を塞ぐ友ヶ島独特の地形が災いしてゴミが大量に漂着するという欠点があるからだ。その事も島が寂れる原因になっているのだろうな。

和歌山市 加太

島の北側にある野奈浦桟橋から反時計回りに海岸沿いの道に300メートル程進む。すると「海の家」(うみのや)というログハウス風の旅館がある。友ヶ島で唯一マトモそうな宿である。季節柄キャンプ客が多いせいかそこそこ賑わっていた。

和歌山市 加太

昔はもっと沢山の旅館があったみたいだが、元々観光開発をしていた南海電鉄が愛想尽かせて撤退してしまった程寂れているので、旅館の廃墟と思しき建物がそこかしこに残っているのが印象的。

和歌山市 加太

海の家からさらに500メートル進むと現れる、友ヶ島で最も古い旅館らしい、こちらの観光旅館「富士屋別館」も残念ながら廃業してしまった模様。玄関にベニヤ板を打ち付けて封印済。これは悲しい。観光客の掻き入れ時なはずの夏休みシーズンとは思えない廃テンションぶり。

和歌山市 加太

その向かいにある小屋はかつて食堂だったらしい小屋があり、地震の影響か建物の壁に大きな亀裂が入ったまま廃墟化している。その向こうにも有料の脱衣場とコイン式ホットシャワーがあるが閉鎖されている。

和歌山市 加太

富士屋別館前の自販機はドリンク類が150円、アサヒスーパードライが500円と、こちらもなかなかのぼったくりぶり。しかし全く稼働していない。オワコン臭半端ないっす。

和歌山市 加太

挙句の果てには朽ち果てて横倒しになったまま寿命が尽きたコカコーラの自販機が無残な姿を晒している。自販機の下半分がサビが侵食して溶けたようになっているのは塩害の影響だろう。自然の猛威である。

和歌山市 加太

…という訳で、メインコンテンツのはずの要塞跡を見る前から既にとんでもないノスタルジーの残照をこれでもかと見せつけられるのが友ヶ島クオリティである。これが大阪から最も近い無人島の現実…

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旧陸軍要塞と廃墟旅館の島「友ヶ島」上陸記

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。
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