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天理教教会本部・宗教都市「天理」巡礼 (2)

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江戸時代末期に成立し、現在も公称220万人の信者を抱え日本を代表する新興宗教団体の一つである天理教の本拠地、奈良県天理市を訪れた。古くは丹波市町の地名だったが市制施行時に宗教団体の名前を冠する日本で唯一の自治体となり、天理教教会本部の施設は名実ともに文字通り街のシンボルとなっている。
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天理教教会本部の施設内は信者でなくとも、別に事前に予約を済ませる必要もなくすんなりと入れてしまう。
随分オープンな宗教団体だなあと驚きもしたが、巨大過ぎて圧倒されてしまう神殿や周辺の建物を見ても、新興宗教にありがちな独特の排他的な匂いは感じられずすっかり街並みに溶け込んでしまっているのが他とは違うところだ。むしろ天理教が街の中心となった独立国家と呼んでも構わないくらいだ。


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「おぢば」と呼ばれる、教団の狭義で言う所の人類創造の地はこの神殿の中心にある。建物自体は昭和59(1984)年竣工とこう見えても比較的新しい(→詳細
天理教は神道の一派の流れを汲む宗教団体の一つ(現在は独立し諸派)だが、神殿の建物は神社のそれというよりも寺院っぽい。
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駐車場のある西側から神殿を訪れると、神殿と隣接する教祖殿とを結ぶ回廊が続いているのが見られる。この回廊も徹底した日本建築だ。こんな光景はテレビの時代劇でしか見た事はない。
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回廊は神殿と教祖殿の間を結び一周出来るように配置されている。二階建てになっており廊下は二階部分にある。ともかく建物の美しさに絶句してしまう。京都や奈良にあるような下手な観光地の寺よりも数倍ときめいてしまうぞ。
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回廊の一部は一階部分が通りぬけ出来るようになっており、そこから教祖殿正面の広場に抜けることが出来る。どこまでも時代劇テイスト。
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教祖殿の前にある広場。天理教の信仰拠点であることから参拝者の姿が途絶える事はないが、ゴミ一つ落ちている事もなく整然としている。信者じゃないですが心が洗われる気分です。いやマジで。
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今にも大岡越前が出てきそうな外観の教祖殿は、天理教教祖(教団内では「きょうそ」ではなく「おやさま」と呼ぶ)中山みきの住まいであるとされる。
教祖は明治20年に没しているが教団内では「現身(うつしみ)を隠される」と表現しており、現在でも教祖中山みきはこの教祖殿で暮らしているとされ、毎日食事が配膳されているなど生前と変わりない世話を受けているとか。
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教祖殿の南向かいから神殿の中を見学させてもらうことにした。信者ではないが施設内に入るのも全くの自由である。しかも24時間年中無休で参拝者を受け入れているというのだから凄い。
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神殿の外周や、延々と続く回廊にはいつも廊下拭きを行う信者の姿がいる。やはり街中で見かけたのと同じ黒い法被を着て様々な奉仕活動を行っている。教団内ではこうした奉仕活動を親神様への報恩感謝の自発的行為として「日の寄進(ひのきしん)」と呼ぶ。
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さすがに神殿の中は撮影禁止であるが、中を見学してみると凄まじく広大な畳の大広間があり、信者の方々が一様に建物中央の「おぢば」に向けて両手をひらひら舞うような独特の仕草で祈りを捧げている姿が見られる。
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神殿に上がる時点で下履きを脱いで廊下を歩く事になる。スリッパなんて西洋的な履物なんぞは用意されていないので特に冬場は靴下ごしに冷気が伝わり寒い。だがここは敬虔な天理教信者の信仰の場。少しの寒さは耐えよ。
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とはいえ寒さの厳しい今年の冬は小便が近くてしょうがないのでトイレを借りる事にしたが、このトイレがやたら美しくて二度びっくり。しかもトイレ用のスリッパは各便器の前に備え付けられている。
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大便器コーナーは各戸開け放たれていて、やはり便座の前にスリッパが置かれている。敬虔な信仰心がトイレを汚れから守っている。糞便臭は当然、芳香剤の匂いすら全くしないのだ。
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そして肝心の大便器は全て和式便器だ。しかもかなり古いタイプの、頭上のタンクに紐がぶら下がってる代物である。徹底したオールドスタイルである。時代は移り変われどこの場所だけは永遠に変わらないだろう。トイレの中までも。
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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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