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大阪市無駄物件図鑑「大阪市交通局庁舎」

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赤字遺産と化す「大阪市交通局創業の地」
大阪ドームの隣、大阪ガス跡地に建てられたという地理の事情もあって、ドームのすぐ隣に巨大な球状のガスタンクが三基並んでいるのがJR大阪環状線の大正駅の手前から良く見える。
隣にはご立派な大阪ガス社屋と、さらに輪をかけて豪華な、屋上ヘリポート付き「大阪市交通局」の社屋がデーンとそびえている。
大阪市交通局庁舎
これが大阪市交通局庁舎。
境川の交差点にあった歴史的にも重要建築物だった旧大阪市交通局の建物を惜しげもなくぶっ壊して新たに総事業費180億円を掛けた超豪華社屋である。


境川・九条界隈は大阪市交通発祥の地。大阪市電がこの地で初めて運行を開始したのが明治36年のことである。戦災で殆どの土地が消失したりもしたが、昭和40年代の地下鉄中央線の開通まで現役で走っていた。
ちなみに、九条ナインモール商店街入口近くに「大阪市電創業の地」を示す石碑がある。
岩崎橋、大正橋、岩松橋などと河川が十字に交わる西区と大正区と浪速区の境目である。
大阪市電創業の地
2004年の秋の夜に、この場所に5年ぶりくらいに訪れた。以前は汚らしいコンクリート堤防しかなかったこの川べりにも、綺麗に遊歩道が整備されていた。いつの間にやら「大阪ドーム岩崎港」なんてのができた。写真を撮っていたら目の前に居た男の人がしゃべりかけてきた。
「ボク、市の者ですけど、こんなことやってますんで、お金要るんですけど、もしよかったらまた今度乗ってください」などと言いながら「天満埠頭」のパンフレットをくれた。天満橋のそばの堂島川で期間限定で行われたイベントである。大阪市職員なのに大阪府の事業のパンフレットをくれるのはよく考えると意外でもある。なぜなら大阪市と大阪府は仲が悪いらしいからな。
大阪府が設置した水上バス乗り場
どうやら財団法人大阪府都市整備推進センターだとかいうのが社会実験として水上タクシーを始めるとかなんとか。
社会実験で期間限定で行うだけなのにこんな看板置いてどうするんだと思ったが、そのうち定期航路でも結んで、中之島で就航している「水上バス・アクアライナー」みたくするのだろうか。
しかも大阪民国らしくハングル併記。大阪の公共看板はいつのまにかハングル表記と中文表記がデフォルトとなりつつある。
大阪は今でこそ「水が汚い」と悪評ばかりが立つが(これでもだいぶマシになったんやで)、昔から「水の都」と呼ばれる由縁がいくつもある。江戸時代から町人が海上交通の要とするために堀川を築き、橋を架け、縦横無尽に交通網を作り、大阪港から大量の貨物が流通していったわけである。
その名残りが道頓堀であったり心斎橋であったりするのだが、肝心の堀川の多くが埋め立てられ、数える程になってしまった現在では「八百八橋」と呼ばれた昔の大阪の風景は絵巻でしか見られることはない。
そんなこんなで、行政が「水上バス」などの、「川」をテーマにした観光事業を積極的にプッシュしまくっている。大都市で市営渡船場が8つもあって、船通勤・船通学が当たり前なのは大阪くらいだし。
大阪港から船場などの問屋街を結ぶ途中にあった境川の地が、大阪市交通局創業の地となった事は偶然ではないだろう。
交通局庁舎内にある旧庁舎の模型
交通局庁舎内にある旧庁舎の模型。マジもんの重要建築物だったんですけど…取り壊されてしまいました…今度はそこに大阪市消防局のどでかい庁舎が出来上がろうとしています。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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