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東大阪市石切・旧生駒トンネルを訪ねて (1)

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大阪難波から鶴橋を経て大阪平野を突っ切り生駒山地をぶち抜いて古都奈良までを最短距離で結ぶ大都会の山岳鉄道「近鉄奈良線」。その類稀なる鉄道路線の誕生には様々に隠されたドラマが存在する。
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鶴橋駅を出た近鉄奈良行き急行電車が僅か10分少々で生駒山地の中腹までを一気に駆け上がった先にある「石切駅」。ご存知民間信仰のメッカで怪しい占いの店が連なる超絶パワースポット石切劔箭神社の参道を控える霊験あらたかなるこの地を貫き奈良県生駒市へと続く「生駒トンネル」が駅のホームからも見える。


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現在の生駒トンネルは厳密には昭和39(1964)年に開通した全長3494メートルの「新生駒トンネル」となる。
さらに昭和61(1986)年には、さらに石切神社参道下の麓からぶち抜いた全長4737メートルの近鉄けいはんな線(当時は東大阪線)生駒トンネルが完成。これによって盆地として隔離されていた奈良県北部が大阪のベッドタウンとしての地位を確固たるものとしたのである。
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しかしそんな生駒トンネルも歴史が長い。その始まりは約100年前に人海戦術で掘り抜いた全長3388メートルの「旧生駒トンネル」に遡る。そのトンネルは新生駒トンネルの開通後全く使われておらず封鎖されたままになっているのだ。
石切駅近くの住宅地の突き当たりに旧生駒トンネルの遺構を見る事が出来る。早速駅を降りて現地に向かう事にした。ラグビーのまち東大阪。
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石切駅を降りたら参拝者の行き来する石切神社参道とは逆の北方向へ歩いて行く。この付近もまるっきり山の中なのにまんべんなく宅地化していて凄い事になっている訳だが、駐輪場がまた凄い。自転車置き場がどこにもなく、バイク置き場ばかり。
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駅周辺は急勾配の道路ばかりとなっていて自動車で行き来するのも微妙に辛い。よってバイクが最も手近な交通手段として周辺住民に使われている。
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自転車置き場もあるにはあったが、数えるくらいしかスペースがなく笑ってしまいそうになる光景だ。山岳地帯の石切に限ってはチャリンコ王国という訳にはいかない。
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目の前には大阪平野が広々と見渡せる絶景が楽しめる。なんだか勝ち誇ったような気分だ。芦屋のマダムの気持ちも分からなくもないが、所詮は東大阪市民。それほどご立派な邸宅は見当たらず、山の中腹あたりまで平凡な一軒家がだらだら連なる。
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山の上から景色を眺めるとはるか向こうには大阪市内の高層ビル群が綺麗に見られる。市内にはつくづく緑がない大阪の街だが、すぐ近くには生駒山地が広がっているのだ。
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そんな住宅地を抜けて駅から5分くらい歩いた所にいきなり金網で遮られた怪しいスペースが現れる。そこが旧生駒トンネルとなっている場所。同時にトンネル入口には廃止された孔舎衛坂(くさえざか)駅の遺構が今も残る。
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駅廃止後45年以上の月日を刻む孔舎衛坂駅ホームへの階段。ボロボロに朽ち果てていて凄まじい。しかし取り壊し予定もなく駅ホームの遺構は忠実に残されたままになっていた。
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元からトンネル入口は塞がれていて中には入れないが、あまりに廃墟マニアとか心霊スポットマニアなんぞが寄り付くせいか最近になって駅の遺構を含めた土地全域に高いフェンスが設けられ部外者が中に入れなくなってしまった。
当然近鉄の土地になるので部外者の立ち入りは禁止されており監視カメラもあるので不法侵入はダメダメなのである。
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だが我々が訪れた時期には運良くフェンスの扉が開放されていて付近の住民が自由に出入り出来る状態となっていた。実はこの奥に小さな神社があり、正月など限られたシーズンには神社に初詣出来るよう特別に中に入れるようになっていたのである。
しつこく言うが普段は部外者立ち入り禁止である。もし興味本位で訪れても外からまったり眺めるだけに留めておくべし。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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