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生駒宝山寺新地を訪ねる (8) 生駒聖天宝山寺<後編>

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「生駒の聖天さん」と呼び親しまれ、今なお関西の商売人を中心に厚い信仰を集める宝山寺。ちょうど正月の初詣シーズンに訪れたのもあって境内は人でごった返していた。
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惣門を潜り奥に右手にある瓦葺きの本堂には宝山寺の本尊である不動明王像が祀られている。お寺に来たらまずは本堂にお参りするだろうと思って行列の先を見たら、本堂ではなく隣の建物へ向かっていた。


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行列の先は本堂横の聖天堂に伸びていたのだ。
(※混雑しまくりなので別の日に撮影した写真を掲載。人が少ないのはそのためです)
これこそが「生駒聖天」こと大聖歓喜自在天が安置されている信仰のメッカ。総檜皮葺きの屋根が寺院の建築に用いられるのは非常に珍しいとのこと。手前には青銅製の鳥居と狛犬もあり、まさしく「寺の中に神社がある」状態。
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他にも牛の置物が大量に置かれてなんじゃこりゃと思うような天神社や、なぜか寺の境内に建つ謎の洋風建築「獅子閣」(※)などがある。
(※平城京遷都1300年祭を記念して期間限定一般公開されていた時期もあったが、現在は非公開。残念)

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どういうわけか宝山寺では牛が縁起物として珍重されているようだ。
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天神社に隣接する青銅製の朝日宝塔も非常に美しい。宝塔の裏手にそびえる巨大な岩肌をちらつかせる「般若窟」との組み合わせが壮観で秀逸過ぎる。メジャーな東大寺の大仏もいいが、宝山寺の境内も捨てがたい。
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般若窟は伝承によれば役行者と空海が修行をした岩窟であると言われる霊地である。無骨に岩肌を曝け出す特殊な山の正体は、太古の火山噴火によって出来た火山岩の山なのだそうだ。
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その般若窟のど真ん中には、弥勒菩薩像が安置されていた。この場所は危険なため参拝者の立ち入りを禁じており、残念ながら中には入れない。
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般若窟へ通じる登山道はご覧の通り、入口で封鎖されてしまっている。賽銭箱は階段の手前に置かれているので、そこで拝んで下さい、の意味だろう。
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真下から見上げるとこんな眺めだ。火山岩の山の中腹にくり抜かれたような一画がありその中にお堂が見える。
伝承によると宝山寺のある生駒山は7世紀ごろに役行者(役小角)が開いた修験道場が建立され、この一帯は大昔から霊場として庶民の厚い信仰を受けている。
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宝山寺や石切神社に限らず、ありとあらゆる寺社や謎多き朝鮮寺、石切夢観音といった電波系スポットまで、あらゆる宗教施設がてんこ盛りなのは古来からの歴史の積み重ねによるものだ。
境内はさらに奥の院まで続くが、さすがにレポートが間延びしてしまいそうなのでやめておく。
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参拝の帰りにちょっと一息付こうという事で向かいの茶屋で一服することに。
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茶屋の中も相当年代物の古時計が壁に掲げられていたりと色々見るもの全てがレトロを通り越してヤバイ。
この古時計より年上か年下かわからぬが、あの宝山寺新地(生駒新地)が生まれたのは当時の大阪電気軌道(近鉄の前身)が旧生駒トンネルを開通させ上本町-奈良間の旅客運転を始めた翌年、大正4(1915)年であった。大阪から大勢の商売人が参拝に訪れるようになり宝山寺が栄え始めた頃である。
「置屋に料理旅館に検番」という新地のシステムは当初から変わっていない。
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商売繁盛、現世利益の寺として広く庶民に親しまれる宝山寺でのお参りを済ませたら、後は景気よく新地で遊ぶもよし。しかし正月はどこの宿も休業中らしく全く花街色街らしい様子を見る事が出来なかったのが残念。9月の万灯会の時期にでも、また来ることにしうよう。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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