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生駒宝山寺新地を訪ねる (7) 生駒聖天宝山寺<前編>

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大阪の奥座敷、奈良県生駒市にある知られざる大人の秘境・宝山寺新地。その旅館街やケーブルカーが作られたのは、何よりもそこに「宝山寺」があるからだ。延宝6(1678)年創建、真言律宗大本山寺院。「生駒聖天」とも呼ばれ、神仏習合の色彩が強い独特の様式を備える寺である。
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新地に用事があるとしてもまずは宝山寺に参拝するべきである。ケーブルカーの駅を降りて聖天通りの石段をすたすた登っていくと境内は目の前だ。


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境内に至る道すがら、わずかながらに屋台が建ち参拝者相手に商売に精を出している。
生駒山を挟んだ西側の石切も同じように石切神社への初詣客でごった返す場所だが、生駒山の西と東で「陽と陰」を象る存在が石切神社と宝山寺だ。石切は活気に満ち溢れているが、転じて宝山寺は正月ムードとはいえどこか湿っぽい。
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宝山寺境内に入ると緩やかな石段の両脇に大量の石灯籠と杉林がぎっしり並んでいて見た目に迫力がある。これほどまでの霊験あらたかなる修業の場に隣接して遊郭の流れを汲む旅館街が並んでいるという事を思うと改めて驚いてしまう。
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立派な石灯籠の数だけ信仰がある。
その背後には寄進者の名前と金額が刻まれた石碑がずらり。
永代浴油(永代供養)のお布施をした人の名前が刻まれるのだ。
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その石灯籠の先には…なぜか寺なのに鳥居が…これは日本独特の神仏習合の名残りである。
明治の廃仏毀釈運動で神社と寺院は強制的に分離され、または破壊されるなどして無くなっている為、宝山寺みたいに寺に鳥居が残っているのは珍しいようだ。
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宝山寺大鳥居の額には「歓喜天」の文字が刻まれている。
本尊は不動明王だが「生駒の聖天さん」と呼ばれている大聖歓喜自在天への信仰が特に厚い。
もとはこの大鳥居も生駒駅前に建っていたそうだが、駅前再開発でこの位置に移築されたそうだ。さっきのケーブルカーの麓の駅が「鳥居前」だったのはその名残りである。
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で、鳥居を潜った先にも永代浴油の石碑群がズラーリと山の斜面を埋め尽くしている。「浴油」というのは聖天さんに油を掛ける儀式なのだそうだ。やはりこの寺は色んな意味で独特である。
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境内階段脇にも隙間なく並べられていた。一体どれだけあるんだろう。数えきれん。しかもよく見ると「金五千万円」とか「金一億円」とかにわかに想像しがたい金額が書かれていたりする。
商売繁盛の現世利益、ゲンキンで俗っぽさの垣間見える寺だというのは目の前に新地があることからしてもよく解る。
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出だしの時点でスケールのでかさを見せつけられる宝山寺の境内図をチラッと見ると、何やら壮大なスケールである。この全てを見て回るのも結構ボリュームがあるので、大まかに端折って行く。
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特に正月に宝山寺を訪れるとそれほど広くはない境内が屋台に取り囲まれ狭い通路を参拝者が押し寄せ結構な混雑ぶりを見せる。それでも石切神社ほどの狂乱的なカオスさはない。
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惣門手前の地蔵堂にも参拝者が次々線香を焚きながら一心不乱に祈願を行っている。もうもうと上がる線香の香りを嗅ぎながら人垣を掻き分けて先へ進む。
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その先の惣門を潜ると境内主要部となる。大勢の参拝者がひしめき合い、いやがうえにも新年ムード全開な風情が漂う。
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本堂の前にずらりと並ぶ参拝者の列が見えるが、思っていた程に長蛇の列というわけでもない。ケーブルカーの駅にあった臨時出口が使われていない所を見ると、もっと昔は参拝者も多かったはず。聖天通りの寂れ具合の酷さといい、もうちょっとどうにかならんのかと思うのだが。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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