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大阪市営住宅探訪 (2) 八幡屋住宅

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今でこそ大阪市港区は大阪随一のデートスポットで有名になっているのだが、それまではしこたま地味で柄の悪い港湾労働の街として名を上げていた。
戦争で被災した後、昭和36年に大阪市交通局が現在の地下鉄中央線を建設し(弁天町-大阪港)、その頃から市営住宅の建設が急ピッチで進められた。
市営住宅が作られる度、西成と同じように労働者の街としての勢いを増していった。そして街のDQN度もどんどん強化されるに至ったのだ(笑)
西成と違うのは単身者よりも所帯持ちが多かった事だろう。
実は言うと私、逢阪の家族も、港湾労働者としての仕事を求めてこの地に移り住んだクチである。

とはいえやはり「港区」と名がつくだけあって、八幡屋の街の一角には今でも港町を思わせる高い堤防に区切られた場所があり、何気なく上に登ってみると…

このように船溜まりになっていたりして、多くの漁船が係留されているのを見る事ができる。つまり漁港であることを示しているのだ。実際に八幡屋には「大阪市漁業協同組合」の建物も存在する。



海抜ゼロ地帯であるこのエリアはしばしば高波の被害に悩んでいた。その事から、船溜まりの一角には「波除地蔵尊」が置かれており住民の信仰心を伺わせる。同じ港区には波除という町名が存在するが、そちらとは関係がないようだ。

大阪市営住宅が密集するエリアは地下鉄朝潮橋駅を最寄りとする八幡屋、港晴、池島、三先、地下鉄大阪港駅を最寄りとする築港。この2つの駅の周辺を歩けば、市営住宅の玉手箱状態であり、良くも悪くも下層社会の大阪市民の日常を観察することができるのだ。
写真は八幡屋三丁目の14階建て「フェニックス団地」。昔から飛び降り自殺者が後を絶たない有名な心霊スポットであり自殺の名所なのだが(笑)不死鳥の名とは裏腹に多くの死人が出ている。
ひったくり防止ネット
治安も悪いので、このへんの住民の自転車を見てもひったくり防止ネットの装着率がやたら高いことがわかる。

そして何よりも驚くべきは公明党ポスターの多さ。
潰れた店の前に遠慮なくベタベタと張られまくる。
さぞかし熱心なナンミョー信者がいるようでございます。

大阪市港区は異常である。
ちょっとこれだけの公明党スパム状態は他の街でも目にしたことが無い。
この地区において公明党はまさに「庶民の王者」なのだろうか。

この大阪市でもようやくゴミの分別収集を始めたエリアがあるというのだが、相変わらず民度の低い港区の市営住宅においてはゴミ出しのルールも通用しない。ちょっと前までは黒いゴミ袋に何を入れてもさっぱりお咎めなしという状況だった。
ちなみにいまは半透明の袋に入れて出すよう指導されている。

数多い大阪市の市営住宅の中にあっても、港晴二丁目にある「八幡屋住宅」は造成初期の1956(昭和31)年に建造された、かなり古い市営住宅。なかなか風情があってよろしい。

大阪市港区は戦災が最も激しいエリアで、戦前建築は殆ど全く無いと言っても過言ではないが、この八幡屋住宅に限ってはどこかしら戦前建築の香りを漂わせる雰囲気がする。でも建築年度は1956年です。

窓側をみなと通りに面し、廊下側はコの字型の建物内側に面しているが、窓側にベランダと呼べるスペースはなく、住民は洗濯物を廊下側に干している。ついでに洗濯機も廊下に並べている状態だ。

だから住宅の廊下を歩くと人様の家のベランダを歩いているような気分になるに違いない。

建物1階は住宅兼店舗スペースになっている。さすがに古い年代の市営住宅なので建物の使われ方がアバウトで、勝手にバルコニーを増築していたりとなかなかカオスで面白い。

1階店舗部分もかなり年代が入っているせいで面白い作りになっている。

築50年以上が経過しているが建物自体が比較的頑丈に作られているのかして、見た目にヤバいとは思わない。まだまだ現役バリバリやで!と建物からオーラが漂っている気がする。

1階の店舗もまだ結構な数が営業し続けている。みなと通りに面しており通行人の数も多いのでなんとなく寂れた感じがしないのもある。ちなみにここは地下鉄中央線の車内からも見ることができる。

しかもこの八幡屋住宅、入居者の申し込みを行っているのだ。
家賃も破格の19000円~25600円!!
ファミリー向けの広い間取りであるにも関わらずこの家賃の安さはヤバいぞ!
今でも申し込み可能かは確認していないので興味のある人は大阪市住まい公社に連絡すると良い。
yahataya34.jpg
ちなみにこの八幡屋住宅は風呂無し物件だと思われるが気にしなくとも良い。歩いてすぐの場所に、銭湯価格で入浴できる天然温泉「テルメ龍宮」があるのだ。源泉は硫黄臭がし、錆色に変色しており効き目のありそうな温泉である。
男風呂に入ると立派な紋々が入ったヤクザのオッサンやヤンキー連れの遭遇率もやたら高く非常にオススメ。どっぷり大阪の下層社会を堪能できます。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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