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下町遺産・西天下茶屋 (3) お好み焼き

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引き続き、西天下茶屋の商店街から。

商店街周辺は戦前から市街化しているためモータリゼーションを全く考慮していない。そのため車で入ると一方通行や行き止まりで往生するどころか道そのものもまっすぐ敷かれて居ないので、えらい目に遭うのは必須。
住民の足はもっぱら自転車のみ。自転車の数だけはやたら多い。



それに、気のせいか知らんがこの界隈の喫茶店のモーニングサービスはやたら長い。
平日でも12時までだし日祝は2時までやっておりもはやモーニングではないという罠。
このへんの工場で働く肉体労働者は平日朝が早い分、疲れが溜まった休日は昼過ぎまで寝てる事が多いからなのかと勝手に憶測してみる。

再び商店街のアーケードの中に戻る。
西天下茶屋商店街の一角では、我々が子供だったころ小学校や幼稚園などで歌うような童謡がBGMとして日常的に掛かっている。
今でも歌われているのかどうか不明だが。

東京屋本店と書かれたクリーニング屋。店主は東京出身とかだろうか。

さっきから「ズレたセンス」の店が多いのがやけに気になっていたが、この店なんかいかにもフォントがヤクザ風なのが笑える。江戸文字勘亭流ってやつか。しかも黄金色。っていうかここ西成だし、見るからに怖いんですが、実はただの行政書士事務所だった。

行政書士のポスターが貼っていないとどう見てもヤーさんの事務所にしか見えなかったが、ヤクザ人口の多い西成でまっとうに商売するのであれば、ここまでするのが西成流なんでしょうか。

寂れた商店街は端々から風化の痕跡が伺える。ここの路地も昔は商店でごった返していたのだろう。

商店街自体も複雑な路地を縫うように走っているのだが、アーケードの外に出るとすぐさま廃屋と化した民家に出くわす。

玄関を取り巻く塀が崩れ落ちた廃屋。パラボラアンテナが見えるが、割と新しめなので、ここ数年以内に主を失ったものではないかと考える。この界隈では孤独死する高齢者の数も半端なく多いため、商店街の潰れた店の後に福祉アパートが建ったり、デイサービスなど介護関連施設の事務所が入居しているのが目立つ。

もと駄菓子屋だったであろう建物。スプライトの看板が年代を感じさせる。

こっちは築年数不明な超オンボロアパート。どうやらまだまだ現役バリバリで人が住んでいるらしい。大丈夫なのだろうか。

こういうアパートを見ると部屋の間取りや家賃やら人の暮らし振りが気になって仕方が無い。恐らく風呂なしタイプでこれだけボロけりゃ、単身用の場合の家賃は1万円台と言う事もあり得る。まるで忘れ去られたような空間。

西天下茶屋界隈はこうした路地が無尽蔵に転がっていてそれぞれに時間の流れを感じさせるので、歩いていても飽きが来ない。さすが連ドラの舞台にもなるようなところだけあってクオリティが違うね。

タバコ屋は昔から道の「角っこ」にあるものだというジンクスがあるが、そうした角のタバコ屋によくありがちな曲線を描いた独特なカウンターが哀愁をそそる。全国的に禁煙志向が高まっているのでタバコ吸いには肩身の狭い時代だがそんなことは西成ではどこ吹く風だ。

このアングルが非常にレトロ過ぎてやばい。アーケードの上の屋根がボロボロになりすぎているのもポイントが高いよね。

しかしこのような寂れた街には必ず公明党ポスターが掛かっているのだが一体なんででしょうね。
西成では常勝関西で鉄板状態な公明党の田端議員と麻生太郎首相ががっちり握手してます。
大阪民国では民主主義政治は機能しておりません。
よく見たらポストに刺さっているのも聖教新聞だぜ。そうかそうか。

もはや公明党か共産党かピースボートしかありません。

おまけにこんなプロ市民臭のする看板まで…
この看板の主である「西日本環境守る会」と名乗る団体は西成区役所前の国道26号沿いに事務所を構えている「西日本内部告発社」と同一のものと思われる。事務所の前に行くと電波強度が半端ではありません。是非見学に行ってみてください。

さすがに西成だけあって香ばしい下町だと感じますが何の変哲もない住宅の一つが朝鮮総連の建物だったりするので侮れません。

だけど基本的には物静かで落ち着いた住宅街なので雰囲気的には悪くありません。いいところですよ。はいはい。

そろそろ腹ごしらえもしたいなということで立ち寄ったのは西天下茶屋商店街内にある、これまたレトロな趣きのあるお好み焼き屋「さかえ」。元は散髪屋をしていた建物らしいが、そこを買い取ってお好み焼き屋にしたんだそうだ。
店に入るとヨボヨボの婆さん二人がお好み焼きを食っていた。
婆さんが二人座っている向かいではお好み焼き屋店主のおばちゃんが作業をしている。
まるで人の家にお邪魔したような気分だ。

店内はやたら野球選手のサイン色紙が飾られているが阪神タイガースのものではない。おばちゃん曰く親戚夫婦が中日ドラゴンズ好きだからということらしい。やっぱり元散髪屋だけあって店内の雰囲気がちょっと違う。

ミックス焼き(650円)を人数分注文。
初めて物見遊山で訪れた我々だがもう店主のおばちゃんと仲良くなり会話が進む。
街の事も色々聞いたのだが若い人が全く居なくなってジジババばかりだと、やはり思ったとおりの事を言っていた。

やっぱり大阪に帰るとこれやなあ。

店内にはマナカナが来店したときの写真が掲げられている。
「ふたりっ子」はマナカナの出世作となったドラマだが、その収録後、15歳の時にたまたま店にやってきたときの写真だとか。マナカナの顔がまだ「おぼこい」よね。店も今よりはだいぶ綺麗です。

ドラマになりそうなほど素朴な大阪の下町だという印象の西天下茶屋エリアだが、いつまでこの風景が残っているのか。
汐見橋線が延伸されてなにわ筋線として大阪市内の南北の大動脈になったとき、やがてこの街の住人も居なくなってしまうのだろう。
そしてそのうち、再開発だなんだで、街が漂白されてしまう日が来るのだろう。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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