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大阪裏ターミナル「上六・谷九」 (1) 戦後のドサクサ

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大阪にゆかりのある人も、ない人も、「上本町」と聞いて貴方は何を想像するだろうか。
特に若い世代なんかはあまり印象に残っていないかも知れない。
近鉄電車の本社が存在し、大阪における近鉄のターミナル駅としての位置づけにある…と言いながら、どこか垢抜けない感じがする町。実質的には難波や鶴橋にターミナル駅の主権は移譲してしまってるし、駅を降りたところで、お洒落な店もある訳でなく、人が寄り付くようなファクターもない。
だからか知らんが私も今までこの町については随分見過ごしてきた。
しかし天王寺区在住で上本町勤務の某主婦から「大阪DEEP案内で上本町を取り上げないのは勿体無い!」と檄が飛んできたのである。
案内してやる!と言われたので早速上本町にすっ飛んできた。
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上本町の駅を降り、地下通路を進むと、何やら物憂げな地下街が見えてくる。
それは「うえほんまちハイハイタウン」という名の複合施設。
だが、駅のまん前にあるにも関わらずやたら活気が無い。


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入口手前にある地上への階段には「タンポポ通り」とある。
凄い昭和な臭いが漂っているんですが一体ここはどうなってるんでしょう。
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地上に出てみると、その建物の全貌がわかる。
上階が住居になっているのだ。ご覧の通り住宅・商業地が複合された施設である。
1979年完成とあるので、もう出来てから30年が経過している。
もっとも「上本町」という地名よりも、「上六」と呼んだ方が通りがいい。
「上本町六丁目」で、上六。
隣の谷町九丁目は、谷九。
こういう略し方が大好きなのが大阪人。
大阪人にとってこの施設の往時の姿を知るか知らないかは、この界隈を「上六」と呼ぶか呼ばないかで見分けることができる。
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建物北側に「うえほんまちハイハイタウン」の誕生記が書かれた記念プレートがある。そこに書かれている通り、この施設は「戦後の闇市」がクリアランスされて出来たものだという事がわかる。
なるほど、何となく「大阪駅前第一…第四ビル」と同じ匂いを感じた訳だ。
梅田村事件のような壮絶な出来事が、かつてこの地でも繰り広げられていたのだろうか。
そのヒントは、この後街をうろつく度に色々と見つかる。
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ちなみに、地下から地上3階までがショッピングモールになっているが、まさに昭和の匂いが全開。案内係の天王寺区民の主婦曰く、出来たばかりの頃はさぞかし「ハイカラでお洒落だった」そうな。
しかし30年も経つとこうだ。潰れたゲームセンターが放置されていたり、至る所シャッターだらけだったり。グダグダである。
穴が開いたところにはパチンコ屋が入ったり。まさに「大阪駅前ビル」と同じ現象だ。
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ただ、上本町は創価学会の拠点の最寄り駅となっているだけあって、このようにあからさまに三色旗なカラオケボックスがあったりなんかする。アグネスチャンの歌や南無妙法蓮華経でも唱えるのだろうか。
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ハイハイタウンが元闇市だった事は分かったが、完全にクリアランスされた訳ではなく、施設南側は未だに空き地が虫食いのようになった低層住宅地が並んだ奇妙な一画が残っているのだ。
表通りにもビミョーなパチンコ屋があったり、でかい肉屋があったり。
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裏の通りに入るとご覧の通りの有様だ。パチ屋の裏には廃屋かどうか怪しい民家やコインパーキング、空き地が並ぶだけ。
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駅前一等地が痛々しい姿を留めているのはきっと理由があるんだろう。土地の権利関係がややこしいとか色々想像出来るが、この界隈がもしかしたら、中年世代以上であれば超有名なあの「上六トルコ」があった場所なのではないかと推測する。
というのも、上町筋に面するレジャービルの土地が、どうも元「上六トルコ」臭いのだ。
この写真では、奥に見える「魚民」が入ったビルがある土地だ。
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現在でも、このビルの地下には成人向け映画館がある。なんとなく匂いで雰囲気が分かるのだ。
「上六トルコ」という名前自体知っているという人が居たら、その人は間違いなく40代以上かも知れない。しかも「トルコ」が何の意味を持った言葉なのか、平成生まれにはわからんだろうなぁ(笑)
親日国家のトルコを怒らせてしまったためにこの名称を封じて「ソープランド」という名前になったとさ。そして上六トルコで財を成した経営者は節税のために八尾の信貴山麓に大学を建てたと言われているのである。
この先もまだまだ、上六界隈の怪しい物件を目にする事になる。レポートは続きます。
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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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