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緑木検車場で触れる大阪市交の歴史 (1)

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地方公共団体が運営をする、日本における「公営交通」。その中でも大阪市交通局の歴史は、明治36(1903)年の市電開業より104年もの長きにも渡っているのであるが、明治44(1911)年に開業した東京都交通局よりも早く、最も古い「日本最初」の公営交通として存在している。

ちなみに今も西区境川付近の港通り沿いには大阪市電創業の地なる石碑が建っている。

そんな大阪市交通局が一年に一度だけ、住之江区緑木にある「交通局緑木検車場」を一般開放する日がある。緑木検車場の中には、往時の市電車両やバス、地下鉄車両を保存展示している「市電保存館」「車両保存館」があるのだが、一般客が訪れて実物を見る機会はこの時しかない。

そんな訳で、行って参りました。今回の大阪DEEP案内は鉄ちゃん大集合の巻です。

大阪市交通局緑木検車場

大阪市交通局緑木検車場へは住之江公園駅を降りてオスカードリーム内のバスターミナルから無料送迎バスで行く事ができるが、バスを待つのが辛気臭い場合は北加賀屋駅から15分くらい歩けば行けない事もない。

地下鉄四つ橋線の車庫

緑木検車場は地下鉄四つ橋線の車両基地である。普段は一般客を受け入れていないこの場所だが、一年に一回の催しということもあり非常に多くの客がやってきている。

市電車両

屋外に展示されているのは、市電時代の車両…の土台だけ(笑)元は2階建ての車両だったそうだが。ちゃんと現役で残っている2階建て車両も「市電保存館」にある。後で紹介する。

大阪市電気局100形電車

何よりも今回の「緑木検車場」一般開放における最大の目玉がコレ。大阪市営地下鉄開業時にデビューした元祖車両「大阪市電気局100形電車」の105号車輌。大阪市の指定文化財である。

昭和8(1933)年の大阪市営地下鉄初の路線が梅田から心斎橋まで開通した時に走っていた電車である。

大阪市電気局100形電車

「元祖」105号車輌は、大阪万博開幕の直前、昭和44(1969)年まで現役で走行していたが、全て新型車両に切り替えられ引退する事となった。105号を除いた101から110号は改造工事を施しており原型を留めておらず、最も原型のままだった105号が保存車両に選ばれ、緑木検車場に置かれている。

反対側は「梅田」

行き先表示板も思いっきりアナログですな。

昭和8年生まれです

かれこれ74年も前の昭和8年とは想像も付かない程の昔になるのだが、こんな時代から地下鉄が走っていたと想像するのも面白いものがある。当時の大阪市長は社会政策・都市計画学者であり、前市長の池上四郎氏(天王寺公園の石像の人)の助役から市長にのしあがった關一(せき・はじめ)氏だった。現在の關淳一市長の祖父にあたる。

御堂筋オープンフェスタで挨拶をする關一氏の孫

關市長の計画により、御堂筋を幅44メートルの都市道路として拡幅し、その下に地下鉄を走らせた、そんな功績を残している。「御堂筋」は大阪の都市の権威として毎年お役人主導の「御堂筋パレード」「御堂筋オープンフェスタ」が開催され、御堂筋が完成した昭和12(1937)年より70年が過ぎ、御堂筋の生みの親である關一の孫が壇上で挨拶をする姿は印象的ではある。

車内

そんな歴史的に重要な存在である唯一現存する「元祖」大阪市電気局100形電車の車内は、1年のうちの2日間しか市民の目に触れることのできない空間である。38年前に現役を引退したこの車両を「懐かしい」と思い回顧できる世代は明らかに50代以上しかいない。

70年前のつり革

70年前のつり革は老朽化が進んでいて「ぶら下がったりしないでね」と注意書きがしてあるものの、子供が触り放題の状態でも交通局職員さんは全く注意してません。

扉開閉の操作スイッチ

ドアの隣に扉開閉の操作スイッチが付いているのだが、地方に行くとよく見かける手動開閉扉のある電車のように、もしかして客がドアの開閉操作を出来る状態だったんでしょうか?

超レトロな行き先案内板

梅田から心斎橋までの間しか書かれていない行き先案内表示。バックライトが裏側で左右して駅名を照らす事で行き先表示をする仕様になっていたようだ。

運転席

市営地下鉄は74年の歴史を迎え、恐ろしいまでの財政危機によって線路の伸び行く先すら見失っている時代ではあるが、まだまだ緑木検車場レポートは続くよどこまでも。

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参考記事
↓昭和8年の地下鉄開業時の映像
大阪市動画サイト(OSAKA BB NET)
大阪市交通局:報道発表:市電保存館の一般公開について

参考になりそうな書籍


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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