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ディープサウス阿倍野 (1) 美章園の障害者施設問題

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大阪ディープサウスの玄関口・天王寺から阪和線でひと駅、阿倍野区美章園。
この付近は昔から大阪市内有数の「文教地区」であり、多くの私立学校が建っていて風紀も比較的穏やかな地区だ。

都心に比較的近い中で閑静な住宅街として雰囲気を残す、美章園の住宅街の一角に、なぜか物々しく「住民無視の市政反対!」と書かれたのぼりが幾つも並んでいる物騒な場所がある。

えらいことになってます

一体この地区に何が起こっているのだろうか。

問題の福祉施設

どうやら騒動の舞台はこの建物のようだ。コンクリート建て5階建ての、一見すると老人ホームのような福祉施設のように見える。
だが、ここは老人ホームではなかった。施設玄関前にでかでかと掲げられた抗議の横断幕を見て、ここが何の施設なのかがわかった。

物々しい横断幕

「精神、知的障害者施設整備計画(案)」大阪市は住民を無視し強行するな!とそこには書かれている。
ここは精神・知的障害者を収容する施設として建設されたものだった。

日本ヘレンケラー財団

「日本ヘレンケラー財団・アテナ平和」という施設である。阿倍野区に事務所を置く社会福祉法人日本ヘレンケラー財団が管理運営をする予定になっている施設。同財団は大阪府内で高齢者・障害者施設を数箇所運営している。事業主体は大阪市である。

実は大阪市が、旧国鉄官舎跡地だった美章園三丁目のこの場所に1996年から精神・知的障害者施設を建設する計画が上がっており、その当時から周辺住民による猛烈な反対運動が起こっている。

住民の会集会所

それは、大阪市のお役所体質も相まって、十分に周辺住民への説明を行わなかったことをきっかけに一部住民が反発、見張り小屋を敷地に隣接する道路上に設置して、大阪市や建設作業員に睨みを利かせるなど、殺伐とした状況が続いていた。

結局建物だけは立派に建ったのだが、いまだに施設としては稼動していない。
本来どおり精神・知的障害者施設として運営をするのかどうかも、住民の反対に遭っていて、話は難航している模様だ。

抗議文

張りつけてある抗議文を見る限り、反対住民の言い分を要約すると「障害者施設ではなく保育所として開設せよ」「文教地区に知障の施設なんか作るな」というような事だ。
知的障害者施設はダメだが、保育所や高齢者施設ならばOKだよという内容である。この言い分も、言葉どおりには承服しかねる。

大阪市からの撤去要請の張り紙

精神・知的障害者も、障害の程度は幅広い。健常者とほとんど変わらない生活ができる人もいれば、一日中奇声を発したりするような人も居る。確かに自分の家の玄関のまん前に話し合いもないままそういう施設ができることに嫌悪感を示すことも理解できなくもないが、一般人からして障害者当該全般に対する差別的意識が全くないかと言えば嘘になるだろう。

パチンコ屋や24時間営業のスーパー玉出が目の前にできるよりは全然問題ないと思うんですがね。

住民vs大阪市&ヘレンケラー財団

ともかく話し合いは最も大事なんだがなあ。お役所の担当者がコロコロ変わるような現状では、住民が納得できんのもわかる。

参考記事
大阪日日新聞:阿倍野区の障害者施設、着工直前見送り 反対住民が阻止
大阪日日新聞:対立続く美章園の障害者施設計画

参考になりそうな書籍

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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