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大阪市無駄物件図鑑「舞洲スポーツアイランド」

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世界陸上開催のウラで日の目を見ない巨大スポーツ施設
少しずつ記憶から薄れられていくのは事実だが、大阪市は過去に53億円もの費用をかけ、2008年に大阪でオリンピックを開催させるため誘致活動を行った経緯がある。
大阪オリンピック構想 – Wikipedia
舞洲スポーツアイランド
幻の大阪オリンピックは、この「舞洲」をメイン会場に、隣の「夢洲」を選手村にするために随分気の早い開発計画が進められた。
その結果、この「舞洲スポーツアイランド」が作られ、どちらも無人島である舞洲と夢洲を繋ぐ「夢舞大橋」、そして人工島の表玄関には大阪市環境局による、フンデルトヴァッサーデザインの2つの処理場が作られた。
そのうち舞洲スポーツアイランドには総事業費1200億円が注ぎ込まれた。
126.5ヘクタールの広大な土地に作られた、巨大スポーツ施設である。


しかし2001年5月のIOCの監査では既に落選告知並みの酷評を受けてしまい、実際の投票でも大阪は得票数僅か6票の最下位で落選。これらの施設は軒並み大阪市の贅沢の象徴、赤字遺産のシンボル的存在となった。
ところで、この「舞洲」、電車で直接行く事が出来ない。
西九条か野田阪神、もしくは桜島から出ているバスで来るしかない。
2008年大阪オリンピックがもし実現していたら、今頃地下鉄が通っていたかも知れないが、オリンピックの誘致につまづき、夢洲も舞洲も今でも空き地だらけ。財政難が深刻で、実現性は乏しい。
此花大橋を渡ればいやがうえに目に付く二つのケバケバしい建物、左手に環境局舞洲工場、右手に環境局舞洲スラッジセンターを通り過ぎ、舞洲の中央部へ。
昔と比べれば物流施設などが増え、徐々に空き地は埋まりつつあるのだが、それでもまだ有り余る土地の多さに驚かされる。舞洲スポーツアイランドはそんな舞洲の中核施設だ。
舞洲アリーナ
舞洲スポーツアイランドのメインとなるのが、2つの体育施設。舞洲アリーナは140億円、舞洲ベースボールスタジアムには64億円もの費用が掛かっている。もちろんどちらも五輪招致向けに国際的な基準に合わせた造りになっているので豪華そのもの。
しかし交通便の悪さ、市内にも充分に体育施設があることを考えると、とても有効活用されているとは思えない。
舞洲ベースボールスタジアム
舞洲アリーナの真向かいが「舞洲ベースボールスタジアム」。
野球場としての造りはシンプルだがそれでも総工費64億円。プロ野球の試合も全然出来そうな感じがするものの、せいぜい少年野球や社会人野球の試合に使われるくらいで、過剰な投資だったことは見ての通りだ。
舞洲ベースボールスタジアム
スタジアムはこんな感じです
中に入ると、少年野球の試合が行われていた。毎日何かしら使われているとまだいいのかも知れないが、なんせ場所が辺鄙なゆえ、どれだけ利益が出ているのかが疑わしい。
案内板
そもそも、1990年代後半に大阪市は市内各所にこのような豪華なスポーツ施設を次々と作ってきた。
1997年の「なみはや国体」開催と大阪オリンピック誘致活動の名目で大阪市・大阪府ともに莫大な額の公金を投じ建設してきた。把握している範囲では以下の施設が1990年代後半に続々誕生している。
大阪府:なみはやドーム
大阪市:大阪ドーム、舞洲スポーツアイランド、長居陸上競技場(改修)、大阪市立中央体育館、大阪プール
世界陸上開催でメディアを賑わせる大阪。しかしその裏ではほとんど市民に知られずに、こんな辺鄙な場所で立派な施設が遊んだままになっていることを知ってもらいたい。
スタジアムから外を眺めると...
ベースボールスタジアムの上から外を眺めると、天気のいい日には六甲山の麓までが綺麗に見渡せる。ホント同じ大阪市内とは思えません。
舞洲緑地、公園には57億円。中には宿泊施設が
舞洲の西側は広大な面積を誇る「舞洲緑地」がある。
ここも総工費57億円もの巨額を費やした公園。
舞洲緑地・新夕陽ヶ丘
面積126.5haの舞洲スポーツアイランド、面積だけで言うと市内では大阪城公園(106.7ha)、鶴見緑地公園(106.3ha)、長居公園(65.7ha)…いずれも上回る規模の広さであり、恐らく舞洲緑地が大阪市内の公園としては最も広い公園ではないかということが伺える。
ログハウス
この中には「舞洲ロッジ」をはじめとして、ログハウスやキャンピング場までが設置されており、一般客も利用できるようになっている。
キャンピング施設などが立ち並ぶ一角からずんずん中に入っていくと公園が広がっている。
舞洲緑地の公園
都心から遠い上に電車も走ってない場所なので、市内の公園みたいに人だらけという事もなく居心地のいい空間だ。逆に言えばそれだけ舞洲緑地の存在を知らない市民が多いのだろうが…大阪の蒸し暑さも、ここまで来れば浜風があるので、随分過ごしやすい。
誰も子供が遊んでいない遊具
だが、57億という巨費を投じて作られた公園、市民が使わなければ意味を成さないのは当たり前の話。この舞洲緑地も、マスコミに叩かれた事がある。
誰も子供が遊んでいない砂場
2006年4月にテレビ朝日が放送した「小倉智昭の特命調査隊」の取材で、「ますだおかだ」とみかん山プロのオバハンタレントが舞洲緑地にやってきていたが、誰も使わない公園、危険な遊具など、あれこれ批判されておりました。
遊歩道
さらに公園の端にはひたすら続く海岸遊歩道。長い区間が整備されているしとても立派ですが、やはり作るだけ作っておいて誰も居ません。他にも同じような遊歩道が天保山付近、南港コスモスクエア北岸壁など、あちらこちらに整備されている。
大阪湾岸に来ると、たいてい釣りが出来そうな場所だと、釣り禁止の看板があるにもないにも関わらず、すぐに撒き餌を散らしてゴミや釣り針を放ったらかすマナーの悪いオッサンどもがよく居るのだが、この海岸には誰も釣り人は居なかった。
しかし夜ともなると時期によっては、太刀魚釣りにやってくるオッサンが集まってくることもあるし、場所が場所だけに、不良少年のたまり場となることもある。釣り針やゴミ、腐った魚やエサ、それから花火のクズなどが大量に捨てられる。
ゴミ散乱
公園に帰るとゴミ箱の周りに見事にゴミが散乱していた。置いていったゴミをカラスが漁っていたようだ。
毎回思う事だが、親切にゴミ箱なんぞ置かなくとも、ゴミは家に持って帰る習慣を付けさせればいいのに、大阪市の役人は公共の場所にゴミ箱を置くのが随分好きのようだ。大都市ではテロ対策・ゴミ対策・マナー向上の為に街頭からどんどんゴミ箱を撤去する方向にあるが、にも関わらずいまだにどこにでもゴミ箱を設置しているのは大阪市くらいのものである。
よその地域で生活した事のある者ならば、大阪市のこうしたゴミに対するルーズさが目に付くことはよくあるはずだ。他の地方から大阪に引っ越してきた人は皆一様にゴミ出しのルールの違いに驚くくらいだという。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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