南港咲洲・大阪市の赤字遺産はどうなっているのか (2)

大阪南港コスモスクエア(咲洲)に今も残るバブルの負の遺産…壮大な税金の無駄遣い物件のオンパレードは日本における経済力の衰退とお役所仕事の病理構造をひと目で見て回る事の出来る実験台のようにも思える。今の大阪市は「毒をもって毒を制す」橋下徹市政の下ぬるま湯どっぷりの公務員&同和利権に容赦なくメスが入れられ乱開発のツケの大掃除の真っ只中。

壮大な無駄物件であるWTCやATCの成れの果てを眺めた後は例の巨大ガラスドームの珍建築、大阪市立海洋博物館「なにわの海の時空館」がどうなっているのか確かめに行く事にしよう。



コスモスクエア一帯では「咲洲運河」なる人工運河が整備されていて、行く行くは横浜みなとみらいのようなデートスポットみたいにするつもりなのか?と思ったら作ったら作ったままで放置プレイをかまされている。

ATCから海の時空館に向かう運河沿いの道には「おおさかフードアウトレット」というショッピングモールにしては中途半端な変な作りをした施設があり食品工場と販売部門が一体化したような場所だったのだがひと気が全くありません。

2004年にオープンした当初から雲行きが怪しい感じがしていたのだが、それから8年余りが過ぎて施設の殆どの店舗が撤退してしまいもぬけの殻になってしまった模様。どこにも破綻したとか情報がないんですけどね。天保山やUSJとは違って南港って基本的に人の来ない土地なのです。

1階部分の店舗は全く営業している雰囲気はない。ガラス張りになった店内にはテーブルやら設備が積まれたまま放置されている。酷い…

このフードアウトレット、運営母体は第三セクターなどではなく何故か姫路市にある船舶用チェーン製造会社の子会社だったはずだが、なんでそんな会社が運営しているのか不思議だなあと思っているうちにこの悲惨な末路。

あまつさえ2階部分とを結ぶ階段までご覧の通り封鎖されているという有様。フードアウトレットは壊滅状態になっていた。救いようがありません。合掌。

在りし日のおおさかフードアウトレットの様子。出来た当初は焼きたてパンのいい匂いがしていたんですがこれらの店もすべからく撤退。

食品工場のアウトレット店舗という位置づけの施設なのになぜか「石風呂」の店があったり開業当初からやってる事がちぐはぐだった。

そして何故か韓国の冷凍食品会社が入居しているという珍妙な状況。メツケンチキン、木ットチキンって何だそりゃ、日本語出来てませんよ。ここは大阪民国だからしょうがないニダ。隣には金剛学園という韓国系の学校も建っているし、近所の国際フェリーターミナルから釜山直行便も出てますニダ。

ただでさえ立地条件の悪いコスモスクエアという土地の外れにある海の時空館、最近「夢咲トンネル」が開通した影響で徒歩の場合咲洲運河沿いにあるトンネルを迂回しなければ行く事が出来なくなった。
2009年に出来た夢咲トンネルは対岸の夢洲と同様に誘致に失敗した2008年大阪五輪の開催を前提に整備されたものの交通需要が見合わず予定だった地下鉄の建設は凍結、道路部のみ開通している。

さらに寂れっぷりに磨きがかかった大阪市立海洋博物館「なにわの海の時空館」。相変わらずガラッガラですがな。一時期はアニメのコスプレイベントをやったりもして客足を繋ぎ止めようとしていたようだが、年間2億の赤字を垂れ流し続けていた。

野外展示されている菱垣廻船も野ざらし同然の状態で敷地の片隅で寂しく佇んでいる。

そんな海の時空館も橋下徹大阪市長の判断で2012年度末を目処に廃止が決定されてしまった。せっかくの珍建築であるガラスドームも施設閉鎖後は解体も視野に入れた検討がなされている状況。

一応海の時空館名物だった江戸時代当時の技術を再現して作られたという菱垣廻船「浪華丸」も行き場をなくしてしまっている。保存運動もあるにはあるがそもそも買い手が付かないとこの船をどうする事もできない。

なお今回は訪問しなかったが同じく大阪市の第三セクターで破綻し2008年3月に閉鎖した「ふれあい港館ワインミュージアム」の建物は学校法人上田学園が買収し「大阪総合漫画芸術工科大学」という言わば漫画の大学(笑)を作るという話になっていたのだその後文科省への許可申請を取り下げてしまっている。

この咲洲地区にはバブル期の乱開発で約1兆円以上もの投資がなされたと言われるがその末路は超巨大な廃墟候補を次々生み出すというお粗末な結果になりそうである。財政再建を目指す大阪市政の行く道はまだまだ暗闇の中にある。

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