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西成の歩き方 (7) 釜ヶ崎バーチャルツアー

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「大阪DEEP案内」、西成編をやるようになったら急にアクセスが殺到しだしました(笑)
皆さん興味おありのようですね。当サイトでも随時レポートを追加していきます。本当にヤバイ場所には行かないけどね。
改めて、労働者の目線から西成の街を一巡りしていきましょう。

西成の歩き方レポートの続編です。初めからお読みの方はこちらからどうぞ

新今宮駅裏

ページをご覧のあなたも、西成の労働者になった気分でどうぞ。



全国でも、身寄りもなく財産もない、ましてやスキルもない独身男性が住むために最も敷居が低いのが西成という街。極力、素性を明かさずに住める町でもあるため、言葉は悪いが、箸にも棒にも掛からない流れ者が最後に行き着く街でもある。まさに人生の終着駅。

あいりん公共職業安定所

さて、まず労働者の街に来たら仕事を探さなければならない。労働者であるあなたは「あいりん公共職業安定所」へ赴くことになる。
かつては高度経済成長の底辺を力強く支えた釜ヶ崎の労働者と日雇いの仕事を紹介していた安定所も、今では労働者の高齢化や、ドカタ(肉体労働系の仕事全般)の仕事も激減しており、年々厳しくなっている。西成の労働者の中でも仕事にありつける者は少ないそうだ。

仕事を貰うためにはみんな早い者勝ち。だから朝4時から並ばなければならないそうだ。

その向こうは...

運悪くその日の仕事を逃してしまった。そんな場合、西成の労働者で、住民記載事項証明書等と印鑑持参があれば誰でも作成できる「雇用保険日雇労働被保険者手帳」(白手帳)があれば、朝8時過ぎに安定所に行けば「アブレ手当」と呼ばれる「日雇労働求職者給付金」を印紙の枚数や等級に応じて翌月から13日から17日間、一日辺り4100円から7500円までを受給できることになっている。

ただしこれは受給条件があり、安定所で日雇いの仕事を紹介してもらい就労した日に雇用主から白手帳に印紙を貼って貰い、その数が2ヶ月間で26日分を越えなければアブレ手当の受給資格がないのだ。

南海新今宮駅

もし運良くあいりん公共職業安定所で仕事をゲットした人は、そのまま雇用主と日雇い契約を結び仕事に出かけることになる。現場仕事が多いので電車や車での移動時間も考慮しなければならない。仕事が終わって帰る時間も、早ければ夕方の5時、遅ければ7時から8時くらいだろうか。朝4時ごろから拘束されるわけで、ほとんど自由時間もない。
だが1日の収入がもし1万円あれば、西成では程度にもよるがドヤで1週間から半月住める。食費ならば1週間3食きっちり食べられるだろう。

新今宮駅前

しかし簡単にそう毎日仕事にありつけるはずもない。アブレ手当の支給条件日に達する事が出来ない労働者の間で「ヤミ印紙」の売買も行われているという。本来雇用者からしか貼ってもらえない印紙が市中に出回っているのだ。

また、安定所を通さずに、路上でワゴン車にそのまま労働者を乗せていく「ヤミ手配」も常態化している。路上で就労条件を書いたワゴン車が大量に止まり、道行く労働者に声を掛ける。通常同様の日雇い労働もあるが、中には酷い条件のものも少なくない。

軽トラホルモン屋台

住み込み労働の場合は衣食住は確保されるがほぼ軟禁状態でタダ働き同然の労働を強いられるとも言われている。あの、案の定絶版した村田らむ氏の「ホームレス大図鑑」で、そのような「タコ部屋労働」体験記をレポートしていたのを見た。

そこは西成区か浪速区だったかにある軽トラ屋台の焼き鳥屋。早朝起きて具材調達、午前中は材料の鶏肉を「串打ち」、午後からは屋台の準備、夕方から夜中まで営業、一日の睡眠時間は一体いくら?といった壮絶な世界である。村田氏はタコ部屋に数日密着したものの、隙を見て仲間と一緒に脱走したんだそうです(笑)

ホームレス大図鑑」、アマゾンならプレミアがついてますが入手可能です。めちゃおすすめ。

萩之茶屋

なお、あいりん公共職業安定所で得られる求人が2千から3千人に対し、西成釜ヶ崎の労働者人口はおよそ3万人。とても正規の求人だけでは間に合わず、ヤミ手配師の存在は黙認されている形だ。あのわずか1キロ四方にも満たない空間に、3万人もの労働者が住んでいるのである。東京23区どころではない人口密度だ。想像できるだろうか?

しかし西成ではそんな暮らしでも十分生活できるだけの社会基盤が整っている。ものは考えようである。

もし1日でも仕事に行ければ、手にした1万円は、普通のサラリーマンの給料3万円か4万円くらいの価値にはなる。食事は50円で買えるジュースや炊き出しの素麺から500円のオムライスまで。ドヤは最低一泊500円程度から。散髪はたったの700円。映画もトビタシネマなら映画3本立てがたったの800円。火曜金曜なら500円だ。

いつのホテルやねん

中には一泊300円、休憩200円のホテルも…と思ったら、いつの時代のものかわからないホテルの廃墟だった。

西成の街並みは最強

「時に見放された街」そんな表現がこれ以上似合う街は西成にしかない。

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参考ページ
ZAKZAK 追跡・あいりん地区
大阪市 ホームレス対策・あいりん対策
大阪市西成区の生活保護受給の現状
大阪日日新聞:大阪西成 あいりん地区は今

参考になりそうな書籍

SHINGO☆西成


ILL西成BLUES -GEEK REMIX

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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