この記事を人に教える

西成の歩き方 (22) 釜ヶ崎の夏祭り

この記事を人に教える

【キュレーションメディア等、他サイトへの記事中の文章・画像無断転載厳禁】

猛暑真っ盛りですが、皆様、身体を壊さずにお元気でやっておられるでしょうか。
地球温暖化やら異常気象やらで、毎年全国各地で最高気温が記録を突破してしまうことも珍しくない昨今。多治見(岐阜)やら熊谷(埼玉)が日本一暑いと世間では話題になっていますが、地元の人間から言わせてもらえば、大阪の夏こそが日本一暑い。
盆休みにこっそり地元に帰ってきた私だが、やはりその日も西成萩之茶屋に居た。
猛暑のあまり水分を欲する為に立ち寄ったのが、南海萩ノ茶屋駅を降りたまん前のガード下にある、このお店。
甘党喫茶「ハマヤ」
甘党喫茶「ハマヤ」
そこも、やはり時が止まったままのような佇まいを残す、古きよき甘味処の店。
いわゆる「西成スイーツ」。
店内で甘味を食するお客様も、ほとんど男性の単身客です。
帰る田舎の無い西成の労働者の為だろうか、萩之茶屋の商店街はほとんど盆休みを取らない。
もちろん、このハマヤも盆休み中でも普段通りに営業していました。
カキ氷 宇治 300円
かき氷「宇治」(300円)を食らう。口に入れるとさらっと解ける、粉雪のような細かいかき氷。
うーん、なかなか素晴らしい。
他にもところてんやわらび餅、クリームソーダにみつ豆、甘味のメニューは一通りあります。
ほとんどのメニューが500円で釣りが来る所も西成ならではだ。
それはそうと、再び西成にやってきたのは、訳がある。
釜ヶ崎の聖地「三角公園」で夏祭りをやるという話を聞いたからだ。


ただでさえ、地元民には「あそこには近づくな」と誰もが念を押され、よそ者が決して行こうとしない日本最大の寄せ場「釜ヶ崎」の中心にある、あの三角公園。
その三角公園で、盆踊りの櫓が組まれ、屋台料理が振舞われ、労働者達が歌い踊るのだ。
これは行くしかないだろう!
釜ヶ崎夏祭りのポスター
「第37回釜ヶ崎夏祭り」
サイコー、サイコー、みんなでサイコー
釜ヶ崎の夜明け
…まるで某法の華足裏診断宗教みたいなフレーズだが(笑)
ヒゲを蓄えた日雇いのオッサンと釜ヶ崎の街並みのイラストが印象的である。
毎年盆休みのシーズンに、4日間の日程で行われる。
盆でも帰る家のない西成の労働者達。
彼らの寂れた心を少しでも潤そうと、地元のNPO団体やら運動団体やら変なプロ市民やらがたくさん集まって行われる。市民と労働者の交流の祭なのである!
三角公園がお祭り会場
8月14日夕方、三角公園を訪れた。
立派なやぐらが立ってます
そこには既に立派な櫓が組まれ、提灯が張り巡らされている。
普通の夏祭りの公園と化していた。
そして公園の中では聞き覚えのあるヒップホップの重低音が鳴り響く。
SHINGO★西成登場!
ステージの上には「SHINGO★西成」が歌っていた。
生まれも育ちも西成、日本のヒップホップ界に名を轟かせる、あの男がマイク片手に歌う。
「いてまえいていていてまえYO!」
踊ってます
メロディと共にくねくね踊り狂う女衆はSHINGO★西成の追っかけだろうか、そのへんの西成の子だろうか。普段の釜ヶ崎の光景ではおおよそ見る事が出来ない光景を、この日に拝む事ができる。
それに、普段カメラを出すなんて到底かなわない、この三角公園の中で、堂々とカメラを出せる貴重な一日。
SHINGO★西成、30分の予定だったが60分も歌ってくれた。
「30分の予定なのに言うてることとやってることがちゃいますねー」

屋台も充実
ソウルフルな西成ヒップホップを聞いて心が満たされた後は、後ろの屋台で腹も満たそう。
おにぎりから焼きそば、フライドポテトからそうめん、ホルモン、チヂミ、天ぷら盛り合わせ…
どれもこれも、50円から200円で買える。もう至れり尽くせり。
そうめん50円
50円で食えるそうめんは、海苔としその葉、ネギが大量に乗った豪華版。他にも、100円で食える泉州野菜天ぷら盛り合わせには、オクラ、ししとう、泉州水なす、かきあげが乗っていました。
西成釜ヶ崎三角公園のど真ん中でこんなご馳走にありつけるとは思わなかったぜ。
300円で満腹になりました。
お腹を壊すような事もありません。場所柄心配だとかそんなの偏見です。
お金がなくても、アルミ缶が地域通貨「カマ」と交換できるので、買い物ができるのだ。
アルミ缶1キロで230カマがもらえる。
これでホームレスのみんなも腹いっぱい食事ができる。
酒まで入ると、もう誰もが釜ヶ崎の仲間入り。
日が暮れる頃には、そこらで宿泊している外国人バックパッカーからどこぞのプロ市民まで入り乱れて盆踊りが始まるのだ。
関空2期がどうたらこうたら
同じく、釜ヶ崎夏祭りの会場には、釜ヶ崎の歴史的資料などが展示されていて、地域の成り立ちを知るのに大いに勉強になる。ワンカップ酒を片手にオッチャンと釜ヶ崎のことを色々聞いてみるのも良いだろう。
関空2期供用化がどうたらという理由で橋下叩き、ただの支援団体ことプロ市民のプロパガンダですかね(笑)えー、とっても胡散臭いですよ。
釜ヶ崎の仲間を追悼してます
お盆という時期もあり、8月15日には慰霊祭も同時に行われる。
恐らく、名簿の名前の中には行路死亡者の氏名も含まれるだろうと思われるが、常にタブーのベールに包まれた西成釜ヶ崎の中では、外の平和な日本の日常では想像できないサバイバルライフが繰り広げられている。
この慰霊祭が、その事を証明している。
【おまけ】
釜ヶ崎夏祭りのステージで実行委員会から出演を拒否られた人
詳細:まちゅこけさんのサイト

The following two tabs change content below.
DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
タグクラウドから記事を探す
スポンサーリンク
DEEP案内編集部のnote

知ってました?DEEP案内編集部のnote

ネット上で大っぴらにするのはちょっと憚られる内容の記事は「DEEP案内編集部のnote」で書く事もたまにございます。全て100円からの有料記事となっておりますので興味のある方のみご利用下さい。

この記事を人に教える

スポンサーリンク
トップへ戻る