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西成の歩き方 (18) ドヤあれこれ編

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数ある大阪DEEP案内のレポートの中で西成釜ヶ崎は最も多くのアクセスが今でもある。
これまで何度も現場に訪れて、そこに住まう労働者や身寄りの無い人間の暮らし、そして裏社会と密接に絡んだこの街の構造を傍から見守ってきた。
それでもまだ私にとっては、この土地で起こった事実のほんの一握りも知る事はできない。所詮は傍観者であり物見遊山、怖いもの見たさの「よそ者」なのだろうという思いがして、このままでは自分でも納得が行かない気がしてきたのだ。
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連休中はずっと西成に居た。2日間だけだが、所謂「ドヤ」にも、今回初めて宿泊。
夏はまだ先なのに早くも暑苦しく匂いを放つ西成の街にどっぷり漬かって戻ってきた。
その結果をお伝えしようと思う。
西成の歩き方レポートの続編です。初めからお読みの方はこちらからどうぞ


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早朝から私は西成のど真ん中に居た。
常に劣悪な環境だと言われるこの土地に居ても、早朝の空気は澄んでいる。
しかし早くもひと気がないのがこの街の特徴。いくら連休中でも仕事があれば日雇労働者は喜んで働きに出かける。
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こんな街だからと人々は避けてしまうが、路地に一歩入ればそこでは昔からこの土地に住む、ごく普通の住人の暮らしがある。その姿は、他の大阪の下町で見るものと寸分違わぬ。
だけど、西成という土地がそうさせているのか、そこだけが時の流れを封じられていて、街が「昭和」そのままの姿を色濃く留めている要因となっているのだ。
動物園前駅のある表通りは、それこそバックパッカー天国の街に様変わりしていて、一泊2千円以上の「高級」ドヤは、完全に日雇労働者からバックパッカーに客層をシフトさせた。ビジネスホテル「みかど」「中央」「来山」あたりは、1階のロビーが綺麗に改装されていて、インターネット繋ぎ放題。
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今回泊まったのはビジネスホテル中央新館。一泊2300円。
3畳和室、布団と冷蔵庫とテレビ、空調設備がある。禁煙室を予約したのだが、今でこそ灰皿を置いていないものの、畳やそこらじゅうにマッチ棒で焦がした跡がくっきり残っている。長年部屋にこびりついたヤニが喉と鼻を蝕んで、呼吸器の粘膜を痛めてしまった。
ついでに共同の洗面室とトイレもお世辞に綺麗とは言えず、女性客には向かない…が、結構女性客で繁盛しているから解らないものだ。そして浴室は1階にあり、時間帯で男風呂と女風呂が分けられる。時間を考えずに扉をガラガラ開けて入るとどえらい目に遭ってしまう危険性がある(笑)
まあ一泊2300円ポッキリなので文句は言えません。
今はちょうど過渡期なのだろう。
あと数年すればもう少し競争が進んで、おそらく環境も良くなるだろう。
このように、1泊2千円以上のドヤは様変わりしてしまい、本来ここを居住地にしてしまっていた日雇労働者はごく少数になっている。考えれば家賃6万円になってしまうので、それなら他の選択肢を考えるものだが。
まあ、その選択肢というのが…千円以下のドヤなわけだが…
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こちら「日乃出ホテル」なら一泊千円で泊まれますよ(笑)
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しかし傍から見れば監獄みたいな外装だが…
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窓が鉄網で覆ってあるのはどういう意味があるのだろうか。万が一火事にでもなったら外から飛び降りて逃げる事ができませんね。
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長年このホテルを居住地としている日雇労働者の部屋だろうか、凄まじい生活臭が漂う。
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ドヤの数々を見れば解るが、一泊1500円以上の場所だと、なんとか泊まれそうかな?って雰囲気はある。慣れればそう大して酷い環境ではない。あまりに安い宿だと今度は結核感染を心配しなければならなかったりでリスキーなのだが。
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そこらじゅうに893のお兄さんがうろついている三角公園のそばまで行くと、さらに相場が下がる。
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でもやはり、高齢化著しい釜ヶ崎で増えつつあるのが、月極めの「福祉アパート」だ。
ギリギリの生活のまま年老いて働けなくなったらもはや生活保護以外に手段がないわけで、行政から生活保護費さえ出れば家賃を徴収できるので、ある意味楽な商売であり、ドヤから鞍替えしている所が増えている。
毎月始めには岸里駅前の西成区役所で生活保護受給者の物凄い行列が出来るとの話だが、実際の風景が見たい。大阪が遠くなったので、誰かレポートしてください。
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動物園前駅の表通りを除けば、まだまだ南側のディープゾーンは日雇労働者のオッサン以外の往来は少ない。大阪市民なら誰だって「あそこだけは行くな」と釘を刺される場所だ。だが、そんな悪名高い西成のど真ん中でも昼間はいたって平和。
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ここいらのドヤや月極めアパートは価格破壊が凄まじい。こちらは福祉専用。
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ここの隣も月2万円と超激安。
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だが、ここが今回調べまわった中で「底値」の部屋である。
かなめアパートの隣、「西口荘」、一泊400円wwwwwwww
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まだまだ西成では誰にも知られていない日常が繰り広げられている。
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参考になるページ
ドヤ – 西成区 – livedoor Wiki(ウィキ)
ILL西成BLUES越冬闘争

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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