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JR奈良駅前 恐怖のハトマンション (1)

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東大寺など数多くの世界遺産を保有し1300年の歴史を誇る平城京・奈良の玄関口として、毎年多くの観光客が訪れるJR奈良駅前。普段は観光客が降り立つ駅東口とは反対側、人影まばらな駅西口が、奈良市による大規模な再開発計画の舞台となっていることはご存知であろうか。

JR奈良駅西口

JR奈良駅西口の再開発計画は「シルクロードタウン・21計画」(JR奈良駅周辺土地区画整理事業)などといかにもお役人臭のするネーミングが付いている。平城京遷都1300年記念事業と銘打って、バブル期の真っ最中に奈良市が推進した事業である。奈良市が800億円、民間が400億円の計1200億円という凄まじい規模の事業だ。

要は再開発の名の下に大規模なハコモノを建ててしまったわけだが、大阪市で言うところの阿倍野再開発事業と全く同じ流れで、こちらもバブル崩壊の煽りを受けて事業計画通りにハコモノの建設が進まなかった。

現在奈良駅西口に建っているのは「ホテル日航奈良」が入った再開発ビル、その向こうには「なら100年会館」という奈良市立の巨大市民ホール、そしてこれから向かう「市営第一号コミュニティ住宅」くらいだ。

市営第一号コミュニティ住宅(奈良市三条本町)

JR奈良駅西口から南へ200メートル。この場所に、とても市営住宅とは思えない、一見すると頑丈で洒落た14階建てのマンションが建っている。これが「市営第一号コミュニティ住宅」(奈良市三条本町)。

黒川紀章デザイン

なんとこの建物のデザインには、つい最近逝去したあの建築家・黒川紀章氏が携わっている。なぜ市営住宅に黒川紀章デザインなのか。まるで大阪市のように、ゴミ処理場にフンデルトヴァッサーデザインみたいな感覚である。完成したのは今から15年前の事だという。

悲惨なマンション

これもバブル期に奈良市が調子こいて「世界建築博」なるイベント(詳細)を計画した為に起こった現象である。世界遺産が立ち並ぶ古都の風景と近代的な建築作品を対比して街を演出し、世界に奈良の街をアピールするなどとくだらない役人の発想で始まった税金の無駄遣い。まるで大阪市の姿とだぶる。

だが、バブル崩壊と不景気改善の見込みが無い事から計画は頓挫。

大阪市の役人の発想で建てられたフンデルトヴァッサーのゴミ処理場はまだ無人島に建てられているだけ「イタさ具合」が分かりづらい面があるが、一方の奈良市の役人の発想で建設されたのは実際に市民が居住するための建物。再開発の為に元の土地から立ち退いた住人が主に住んでいると言われる「市営第一号コミュニティ住宅」は、完成して市民の居住が始まった頃から、生活を脅かす恐ろしい危機に直面する事となる。

壁にはハトの糞がびっしり

それが、この市営住宅に飛来する「ハト」の問題だ。

ハト

クルックー、クルックー、クルックー。なんぼ平和の象徴か知らんが群れると汚いだけである。

建物はV字型構造

15年前に初めてこの市営住宅が建てられた当時、周辺に高い建物が無かったこと、それに、高いデザイン料を世界のクロカワに払っただろうに、せっかくのデザインが仇となって、ハトが住み着くには絶好のロケーションを生み出してしまったのである。

そして市民の入居が始まって以来、住人はハト害に悩まされ続ける運命を背負わされたのだ。なんたる不幸。

壁にはハトの糞がびっしり

壁にはハトの糞がびっしり

市営住宅の壁にはベットリとハトの糞がこびりついている。せっかく「税」の限りを尽くした黒川作品が逆に痛々しく見えてしまう。

植え込みも延び放題で放置

建物の下の植え込みや地面などもよく見るとあちこちにハトの糞が落ちている。歩いているといつ頭上に生ウンコが落下してくるかわからない。

公園スペースも草伸び放題

だからか、V字構造になっている市営住宅の谷間に置かれた公園は誰も人が寄り付かず荒れ果てたままになっているというお粗末な様相を呈しているのだ。

恐ろしい住宅を建ててしまったな、奈良市は。

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参考記事
朝日放送・NEWSゆう:「もう限界・・・」鳥害の悲惨な実情
奈良新聞:市民の声を聞け!
奈良市が世界建築博中止を決定 黒川紀章氏は「今後も再開発に助言」 – ニュース
– nikkei BPnet

参考書籍

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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