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JR神戸駅前「地獄谷」戦後のドサクサ的ガード下建築

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神戸と言えば元町高架下商店街(モトコー)のような鉄道の高架下に出来た戦後のドサクサ的市場のようなものがあって、それは平地の少ない神戸ならではの土地の使われ方なのかと思った訳だが、JR神戸駅近くの一画にもかなりヤバげな高架下建築が連なっている。

そんな訳でJR神戸駅にやって参りました。三ノ宮や元町と比べると駅前風景はこざっぱりしてるんですけどね。一応神戸市の代表駅だと思われるのだがどこか存在感に欠ける駅なのである。



神戸駅の北側に行くと「モトコー」なんぞがあってカオスな訳ですが、今回目指す場所は神戸駅のすぐ南側の高架下沿いの一画。これはまた素晴らしい高架下建築群でありますね。どう見ても戦後のドサクサでしょうな。

駅前から200メートルくらいの高架下に沿って古ぼけた家屋がびっしり張り付いている。一部はスナック店や飲食店舗となっているものの全体的に生活感にも乏しく、廃れた佇まい。

このへんとか夜の街っぽくて雰囲気よろしいですな。どうやらこの高架下建築群、通称「地獄谷」と呼ばれているそうで正式には神戸駅前西口商店街というらしい。ここに呑みに来た客が身ぐるみ剥がされるから地獄谷…ほんまかいな。

…というエピソードや由来などは「やあやあ神戸」という地元のNPOか何かよく知らんがやたら前時代的なホームページに説明があった。確かに現地には「やあやあ神戸」と書いてある事務所っぽいのがある。

スナック街だけかと思ったら甘かった、玄関前に大量の空き缶を積んだチャリンコが止まっていて、中から空き缶をクシャクシャ踏み潰す音が聞こえる。ホームレスさんがよく稼業にされている空き缶拾いのリサイクル屋さんである。

そして極めつけに現れるのがこれ。「簡易宿泊所 平和荘」の看板…なんとこの高架下バラック横丁、ドヤ街をも兼ねていたのである。

神戸も港湾労働者の街だからドヤ街の一つくらいあっても全然おかしくないんですが、こんな場所に残骸があったんだな…残念ながらかなり前に潰れたようで玄関は波トタン板で封鎖されてしまっている。

そしてこの簡易宿泊所跡周辺が放置プレイ極まる廃墟状態。とてつもない戦後の貧困ブルース。かつてこの場所では頭上を行き交う通勤客を尻目に確かに人の営みがあったのだ。

「平和荘」の玄関脇。角に赤線のカフェー建築みたいなアールがついているのはお洒落のつもりでしょうか。取り付けられたままのエアコンの室外機が生活の臭いをかすかに感じさせる。

建物外側に取り付けられた流し台、その上には郵便ポスト…という謎の配置。ドヤの労働者が顔を洗うのに使ってたんでしょうか。この古さといい戦後すぐに作られたものには違いない。

肝心の簡易宿泊所内部は恐らくガード下にも続いているものと思われるが手前のバラックで遮られて殆ど中身が見えない。高架下にすっぽり収まった板張りの建物がちらりと見えたのだが…

さらにその先に進んでいくとお好み焼き屋や中華料理屋なんぞが並んでいる。このへんの店も現役でしょうね多分。それはいいけど…

「中高年者結婚相談 太陽の会・兵庫」って(笑)なんか物凄い出会いがありそうですね。この結婚相談所。その気になればそのへんのスナックにも出会いがありますよ、お父さん…ってな事か知らんがシャッターが閉まったままになってました。

まだまだこれで終わりではない。広い車道を跨いだ先にも高架下スナック街が続いていた。しかも相変わらずボロ過ぎる佇まい。戦後のドサクサ感満載なのであった。

先程よりにも増して粗末なプレハブ風建物となったスナック街。高架にぴったりへばりついているが、高架下の土地は運送会社の倉庫になっているらしい。

一列に並んだスナック街、玄関前の放置っぷりなどを見るとどうやら現役の店舗は少ないようである。しかしかなりの壮観。

スナック店舗の看板だけが綺麗に残されている。すたんどほがらか。

ママは鹿児島出身の方でしょうか、スタンドさくら島。

そして質屋の看板。「ガスビル山側え移転しました 紅屋」との告知。見ての通り相当昔からある看板だろう。

ところで「地獄谷」と呼ばれているスナック街は神戸駅前だけではなく大阪の野田阪神駅前とか東京の大森にもあるんですが、このへんのネーミングも流行り廃りがあったのだろうかね。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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