JR奈良駅東口・杉ケ町界隈の微妙な街並み (2)

観光都市奈良の玄関口のはずなのに何故か怪しい佇まいが残るJR奈良駅東口、杉ケ町界隈の街並みを引き続き見ていこう。
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おニャン子倶楽部やスナックビルなんぞが並ぶ、ちょっとアレな夜の街から東側へ路地を抜けると、やはり住宅街とスナックが半々になった街並みが続いている。ここから奈良町の街並みやもちいどのセンター街などがある中心市街地からは、約500メートル離れている。


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東側に行けば行く程、奈良らしい古い街並み、平屋建ての木造家屋が沢山現れる。それでも寂れた風情は変わる事がないのだが…
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…ふとそこで民家の間からやけに場違いな巨大煙突が見え、思わず立ち止まる。銭湯の煙突にしてはデカ過ぎるよな…そう思って気になった物件に近づいてみる事にした。
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住宅街の区画を反時計回りに半周して、その気になる煙突のある敷地までやってきた。やはりそこは銭湯などではなく工場だった。調べてみると「喜多染織」という染織会社の工場だった。
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なぜこの住宅街のど真ん中に染織工場がデーンと建っているのかその経緯も気になったが多分工場の方が昔からあるのだろう。工場の敷地は目の前の道路を跨いで連絡通路で南側の敷地へも伸びている。
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その連絡通路の真下から建物を見上げる。ちょうどその場所は従業員の寮となっていたようだ。それはいいが「女子寮」と書かれている。戦前の「女工哀史」か「あゝ野麦峠」か。そんなイメージがよぎる訳だが紡績工場と製糸工場だから微妙にジャンルが違う。
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そして今通っているこの道路、やけに道がうねっているし舗装がアスファルトではない辺り不審に思っていたが…「下水道敷地につき車両の通行を禁じます 奈良市」の立て看板の存在でこの道路が下水道の上に蓋をしただけの道である事に気づく。
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歴史を感じさせる工場の建物とブロック塀に挟まれた奈良のど真ん中のエアポケット的空間。うらびれた感じは否めないが周辺住民には近道になっているためか結構通り抜ける人の姿は多い。
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不法投棄も相次いでるみたいかしてこんな警告看板が置かれていた。それにしても「杉ケ町」で「するがまち」とは部外者にはとても読めない。難読地名の一つ。
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染織工場の敷地の端までやってきた。古びたコンクリートの壁と屋根上の排気用の煙突にただならぬ哀愁を感じる。隣接する公園との間の微妙な空き地は何なのか気になる。
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工場の東側に隣接する児童公園は遊具らしいものもなくただの空き地といった風情だ。染織工場を除けば殆どが住宅街になっている。
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その公園の敷地から臨む工場の大煙突。やはり普通の煙突ではなく変わった形状をしている。周囲はマンションが目立つ街並みと化しているがそれでも存在感は全く衰えていない。
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公園の入口は先程辿った下水道の上の歩道。等間隔にブロック付きの看板が設置されているのは車の通行を防ぐためである。奈良はいかにもな観光地じゃなくてこういう普通の住宅街に萌えてしまう。さすが古都だけに見所は多いですよ。

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