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【大阪市最北端】誰も行かない今里筋線の終着駅「井高野」の廃れた商店街と交通局市バス営業所

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大阪市最北端、2006年末に開通した大阪市営地下鉄8番目の路線・今里筋線の終着駅「井高野」で降りると一体何があるのかレポート、その続編。前回のレポートでは中国人の移住者も増えている市営住宅だらけの街並みをお届けしたが、今回は駅周辺の商業施設や駅開業のきっかけとなったかも知れない大阪市交通局の営業所なんかを回ってみる事にしよう。

10年ちょい前までは地下鉄の駅すらなかった大阪市の最果て「井高野」であるが、大阪市内では大抵見られる「駅を中心に街が栄えている」法則はこの街にはてんで当てはまらない。駅前から伸びる商店街らしき通りを見ても、コンビニの一軒すらなければ、並んでいる店舗もその多くが廃墟化している始末だ。

地下鉄井高野駅から北側に伸びる道沿いにはそれなりに商店も見られるので一応ながら地元民の生活物資調達の場になっている感はあるが、同じ大阪市内でも自家用車が無ければ生活しづらいエリアであるには違いない。車があれば中央環状線沿いに出て、大日のイオンにも万博公園のららぽーとにもすぐに行けるだろう。

コンビニすらない不便な井高野の商店街と田舎臭い商店の数々

ちらほらと開いている店も街の電器屋さんや自転車屋さんくらいしかないし、大阪市内ではポピュラーな下町感溢れる銭湯も雰囲気の良い純喫茶もこちら井高野の街には存在しない。かと言ってもニュータウン的な機能性や様式美の欠片も感じられないし、何もかも中途半端でたちまち暮らすのが嫌になりそうなテンションの低さである。

衣料品店の品揃えは大阪市内とは思えない長閑で田舎臭いクオリティであり「しまむら」が輝いて見えるレベルなのであります。これが井高野の最新ファッションスポット「ミリオン衣料」です。どうぞご贔屓に。

都会のド田舎、イナカノとも呼ばれる井高野で数少ないスーパーマーケット「マルヤス」もございます。地元のご老人方で賑わっているようです。

そして井高野でまともな家具屋を見つける事は不可能であろう。家具屋っぽいものがあったかと思ったら「訳あり品アウトレットショップ WAKEA」だったりするので侮れない。イケアじゃなくてワケア、それが井高野クオリティ。しかも営業日は月に数日程度限定というのが余計に田舎臭い。駒川、千林、八尾等複数店舗あり。

もう一軒、市バスが行き交う西側の通り沿いに「まるとく市場」なる貧民御用達感漂うディスカウントストアがあるが、実のところ大手スーパー「イズミヤ」の系列店なので以後お見知りおきを。大阪市を中心に十数店舗存在するようだが、特に低所得者層の多そうな地域ばかりがデイリーカナート改め「まるとく市場」に業態転換されている。

あとは井高野駅から東側、北江口四丁目「江口橋北詰」の東海道新幹線沿いの一画だ。ここにはディスカウントストア「サンディ北江口店」を中心に商店が何軒か集まっており、周辺住民のお買い物スポットとなっている。

さらにサンディ北江口店北側の路地に入ると、土着感溢れる下町プチ商店街も姿を現す。肉屋、八百屋、寿司屋、蒲鉾屋、金物屋といった店舗が一通り並んでいる。もはや地元の老人以外見かける事がないテンションの低さだが、かつての交通不毛地帯ならではで、今の今まで商店街が細々と残っているのだろう。

この名も無き商店街は言うなれば、大阪市内最北端の商店街であると言っても良いだろう。ここを過ぎたら大阪市を飛び出して、住所は大阪府摂津市に変わる。

江口橋北詰交差点の東側が市境となっていて、府道に面してこれまた高層団地がそびえているが、こちらは大阪市営ではなく大阪府営「摂津南別府住宅」である。ここまで見てみると、実は地下鉄井高野駅の利用者は東淀川区民に限らず、摂津市民も結構多いのではないかと思えてきた。

なぜ井高野に地下鉄を通したのか→そこに市交通局営業所があるから

先にも述べた通り、東淀川区井高野は地下鉄今里筋線が通るまで、鉄道とは一切無縁の地域だった。辛うじてチャリで阪急相川駅に行ける距離ではあるが、この地域の住民の足はもっぱら市バスであり、大阪市交通局井高野営業所が今も存在し、「井高野車庫前」行きの多くのバス路線が現役で運行し続けているのだ。

大阪市交通局井高野営業所は言うまでもなく大阪市最北端の市バス営業所であり、井高野の中でもさらに最北端、安威川南岸の井高野四丁目の一角に存在している。今里筋線開通後にこの井高野車庫発のバス路線や今里筋を並行するバス路線の数々が減便あるいは廃止にならず、かえって沿線住民の混乱を招いてしまっている感もあるが、それでも何故こんな地域を地下鉄の終着駅にしてしまったのか…?そこに交通局営業所があったから、という以外に理由があるのだろうか。

この井高野営業所(井高野車庫前)からの市バス路線は上新庄駅、相川駅、大阪駅前(2路線)が結構な本数発着しており、別に地下鉄を通すまでもなく地域の交通需要は満たせている。本来なら阪急正雀駅やJR岸辺駅あたりに接続すれば今里筋線ももう少し使い勝手が出るはずだが、大阪市外に越境してしまうので、延伸が難しいらしい。

井高野営業所は市交通局営業所の中で唯一民間委託されている営業所となる。そのためこの通り「南海バス株式会社井高野営業所」と別のプレートが貼られているのが最大の特徴である。かつては年収一千万円プレイヤーを続々輩出するわ、シ○ブで捕まるわ、破格の高給っぷりと素行の悪さで悪名高いかつての大阪市交通局も税金の無駄だと大阪市民のお怒りを受けて、交通局の事業もどんどん民営化に舵を切っているのが最近の傾向である。この営業所も2007年4月から南海バスが委託運営しているという。

ともかくラッシュアワーの混雑とは一切無縁なガラスキ路線が地下鉄今里筋線なので、市営住宅に入居してストレスのない通勤生活をしながらお安く暮らすには妥当なのではないかというエリアだが、中学校が荒れ過ぎていてまともな子育ては到底難しいので、中学から先は私立に入学させ学区外に出てしまうのが常、というのが東淀川区井高野である。偶然通り掛かった「類塾」の送迎バスが地域の現実を物語っている…


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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