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これは美しすぎる水上集落!丹後半島・伊根町「舟屋の里」を訪ねて

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京都府が縦長過ぎて日本海に繋がっているとは京阪神圏の人々にはなかなか実感できないものだが、やってきたのは京都府丹後半島にある伊根町という所。京都市から130キロ、福知山市からも60キロも離れている。有名観光地である天橋立のさらに向こうという街。京阪神からそれぞれ車で3時間くらい掛かる。

伊根町

1993年放送の朝ドラ「ええにょぼ」の舞台になった事をアピールしまくっているが、町自体はかなり過疎化が進んでいる。こんな丹後半島の先っちょまでやってきて見るものと言えばやはり「舟屋集落」しかない。「水上家屋」といったキーワードにずっきんどっきんする我々からすると、一度は見ておきたい町並みだった。いや、ちゃんとした家なんですが…

伊根町

この伊根町というのは「舟屋」と呼ばれる海に面して家屋が突き出した形でずらりと立ち並ぶ集落が形成されているのが有名で、地味ながらも観光名所となっている。集落の高台にある道の駅「舟屋の里伊根」から集落が一望できる。伊根湾の海岸線が入り組んだ内側にびっしり家が連なっている珍しい光景が見られるだろう。漁村としては全国で初めて国の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている。

伊根町

集落に降りて、街を歩いて見て回る事にした。海岸線に沿って集落と道路が一筆書きでグネグネと伸びている。各戸ごとに海側にガレージのような船着き場があって、家の裏から直接乗船出来るようになっているが、道路沿いに建物の表から見ても極普通の町並みにしか見えない。

伊根町

ところどころ民家の隙間から岸壁に出て海側からの景色が拝められる。いやあなんとも、日本の原風景という言葉がぴったりな町並みだ。集落の方はさほど観光化もされておらず、住民にとっては昔と変わらない生活が続いているようだ。目の前に「いいね!」ボタンがあれば10回くらい押したくなった。伊根町だけに。

伊根町

こうやって見ると舟屋集落の独特さがよく分かると思う。見た目通りに半水上集落だ。もし津波とか来たらどうなるのかとか、そういう野暮な事は考えない。入り組んだ湾の内側にあるので、よっぽど大丈夫だとは思うが。

伊根町

伊根湾の水面は鏡を張ったかのように静かで殆ど波も立っていない。一応観光客向けに民宿をやってる所もあるんだけど、前日に福知山に泊まったので結局ここは日帰りだった。のんびり何もせずに現実逃避するには良い環境だろうな。

伊根町

それにしても日本海の透明度の高さは何度来ても感心させられる。同じ近畿圏でも阪神間のゴミとヘドロだらけのそれとはまるで世界が違う。流れている時間もきっと全然違う。

伊根町

集落をふらふら歩いている我々に、親切にも「家の中を見ていって」と声を掛けてくれた方がいた。せっかくなので有難くお邪魔しました。本当に一般の家のガレージがそのまま船になったバージョンと形容するのが一番しっくり来る。ドアツードアで船に乗って漁に出て、魚や海藻や貝類を取って帰ってくるのだ。素敵ですこと。

伊根町

しかも家の2階にまで上げてもらった。ここのお宅はご子息が東京勤務で地元に居なくなったので、かつての子供部屋だった2階から舟屋集落を是非見て欲しいと勧められた。素晴らしい。窓から釣り糸垂らして魚釣りが出来てしまうぞ。だが伊根町も過疎化及び高齢化が深刻で、この舟屋集落を維持していくのは大変だと言っていた。

伊根町

伊根町の高齢化率は既に4割を超えている。これは京都府内最高レベルだ。現に町の人口は40年間で半減、空き家も増えているらしく、当然修理など建物の維持は各戸ごとに委ねられている訳で、町では空き家への定住者を募って集落の維持を試みようとしている。しかし見ず知らずの人間に土地を渡したくないと閉鎖的な構えの地主が多く、思うようにいかないのが現状だそうで。

伊根町

地方の限界集落問題は年を追うごとに深刻さを増していく。今後この舟屋集落が生き残るかどうかが試されているのだ。丹後半島・伊根町もまた日本の縮図だった。

伊根町

ちなみに近くに伊根湾めぐり遊覧船ってのがあってこれに乗れば水上から舟屋集落の町並みを眺める事が出来たりする。ここまで来たら乗っておいた方がいいですね。はい、乗ります。

伊根町

チケット売り場にはカルビーかっぱえびせんが「かもめのエサ」として販売されている。遊覧船に乗ると付近一帯にいるカモメが寄ってきてエサをかっぱらっていくらしい。我々も一個買いましたよ。自分達が食べる為に。

伊根町

乗船時間に近づくと観光バスが何台も押し寄せてきて、船上は老人観光客だらけとなってしまった。まあしょうがないですかね、観光地だし。

伊根町

そして船が出発した瞬間にカモメやトンビの来襲が始まるワイルドな展開。隣の老人が喜んでかっぱえびせんを餌付けしまくっている。はしゃぎ回るのはいいが肝心の風景を全く眺めていない。

伊根町

船の上から舟屋集落を眺めるとこのようになる。住んでいる人達の生活様式から考えると、一度このアングルで町並みを見ておいた方がいいのは確かだ。ウン十年先もこの集落が果たして残っているのだろうか。何とか頑張って頂きたいもんだね。



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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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