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姫路駅前小溝筋の脇道に残る戦後の酒場路地裏…「勤労スタンド」ってなんぞこれ…

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大河ドラマ化された軍師黒田官兵衛と白く塗りすぎ「白すぎ城」こと国宝で世界遺産の姫路城でお馴染み兵庫県播州地方の中心都市姫路市にやって参りました。JRの新快速で神戸三宮から40分、大阪からは60分で来れるが、結構遠いっすよね…

姫路市 姫路

姫路駅前、さすがに人口50万都市である姫路市の中心だけあって繁華街がやたら充実していてアーケード街も四方八方に伸びているのでなかなかネタ盛り沢山なのだが、そんな中でも「小溝筋商店街(パステルおみぞ)」という場所にやってきた。

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姫路駅前から姫路城に向けて一直線に伸びる「みゆき通り」のアーケードがメインストリートだが、その東側に並行して南北に走っているのが「小溝筋」になる。どちらも地方都市のそれとは思えない賑わいっぷりを見せている。小洒落たアーケードもやけに都会風味。

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駅前から小溝筋に入って100メートルくらい、途中アーケードが途切れる「十二所線」と呼ばれている通りのすぐ手前で脇道を東側に入ると「ファミリーアルル」という、名前の割にはちっともファミリー感のないオツな純喫茶がございますのでこの店を目印に来て下さい。

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ついナポリタンが食べたくなる気持ちを抑えて喫茶店の前の路地に目を配れば、古びた飲食店の残骸みたいなものが一塊になっているのが拝める。これかなり古くないですか…

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この界隈だけ時間の流れがやたらと淀んでいる…規模的には小さく、十二所線に面して伸びる路地が2つ、小溝筋へ抜ける路地が1つしかアプローチはない。いずれも車が通れる幅ではない。

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そしてこの路地裏に残る一軒の建物に目が止まった。やや粗末な土蔵にも見える、土壁作りの長屋の一つ。二階建てで窓が二階の真ん中の一つにしかない。何とも戦後の陰鬱さを感じさせる建物には、ある文言が書かれた店舗の看板が現在も残っているのだ…

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その看板には「勤労スタンド 千金」とある。ん、勤労スタンド?!おおよそ現代の言語感覚からはかけ離れた言葉の組み合わせ。スタンドはまあ立ち飲み酒場かというのは分かるが「勤労」の二文字が昭和感を引き立てる。

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店の前で待っていたら扉がガンっと開いて、中から一杯飲み終わった後の高倉健(年代的に幸福の黄色いハンカチに登場する島勇作役あたりで)が出てきそうな渋い佇まい。しかしここは網走の場末の酒場ではない。姫路の街のど真ん中だ。

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昔はいい雰囲気の赤提灯横丁だったに違いないのだろうが、このへんのレトロモダンなデザインなんかを見ると、もしかして赤線だったのか?という疑念まで湧いてくる。残念ながら殆ど廃墟化していて、夜にやってくると真っ暗で写真撮影もままならない。

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二本並んだ路地の反対側にも「スタンド千金」の看板があったので、さっきの「勤労スタンド」の看板の店はこちらが本体なのだと思われるが、店が開いている雰囲気も皆無。何とも寂しい限り。

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それからもう一カ所、小溝筋の途中で今度は西側に入ると、何とも怪しげな鍵曲がりの路地裏横丁が姿を見せる。頭上には「NHK月曜ドラマシリーズ 菊亭八百善の人びと 撮影現場」と誇らしげにドラマのロケ地になった旨をアピールする看板が吊るされている。

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鍵曲がりを抜ける手前まではどこぞの飲食店の裏側でしかないのだが、その向こうから「うどん・そば」の看板を掲げる店が見えてくる。姫路市内に複数店舗ある「大力うどん」の一つだった。

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そこから角を曲がり路地の先に進んでいくと赤提灯が連なる期待通りの呑んだくれ横丁が登場。「大力うどん」も体裁的にはうどん屋だけど居酒屋利用するおっちゃんが多いらしいぞ。

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プロ市民ならぬプロ酒場まである姫路小溝筋の路地裏では呑んべえにも高度な判断能力が要求される。この場合の「プロ」とはプロフェッショナルなのかプロレタリアートなのか、どちらなんでしょう。「勤労スタンド」のノリから察すると後者のような気がしなくもない。創業68年の超老舗酒場だろうです。

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…という訳で一癖もふた癖もありそうな姫路の路地裏酒場、なかなか遠いので行けませんが、代わりにこの記事を見てふらふらと遊びに行って下さる方が居れば幸いです。「軍師黒田呑兵衛」を自称される方は是非姫路駅前へ。


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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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