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京街道・橋本遊郭跡を訪ねる (6) 検番跡「天寿荘」

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京街道、八幡市橋本に残る遊郭建築の数々を一通り眺めてきた訳だが、このまま橋本駅から帰るにはまだ早い。もう少しレポートにお付き合い頂きたい。
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今となっては京都・大阪両方の都市へ通勤通学する人々のベッドタウンとしか認識されなくなったこの界隈。京阪電車や京阪国道などなかった昔はこの道をひっきりなしに人々が通りがかったはず。街道沿いには今でもこんな道標が普通に残っていて旅情を誘う。


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ひとまず橋本遊郭跡に現存する妓楼や街並みを一通り見終えたので、再度大阪方面ホームに向かう為に手前の地下道を潜る。
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橋本は男山山麓と淀川の間の狭い陸地に存在する集落なので、旧国道以外の道はおしなべて細い。時折駅に止まる各駅停車から乗客がぽつぽつと出てきて家路へと帰る光景が見られるが利用者はかなり少ない。東側のニュータウンは山を切り崩して作られたものでそっちの住人もいるようだが、基本的には自家用車持ちだ。
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橋本駅の大阪方面改札を降りた真ん前あたりに、妓楼とも呼べない異様に巨大な木造建築物が建っている。見た感じ廃墟同然の佇まいをしているしこれは何なんだと思ったら、花街にはつきものの検番跡の成れの果てらしい。
橋本は遊郭であり花街ではないので祇園などの歌舞練場みたいな施設はないものと思っていたが、なにせ江戸時代からの歴史ある橋本の事なので真相はよくわからない。
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大屋根の下に古ぼけた看板が取り付いている。文字がかすれて読めない上に使い回されているのか何度か重ね塗りされている。地図上ではこの建物は「天寿荘」と出てくる訳だが、本来の役目を終えた後にアパートに転業したっぽい。
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で、そのアパートは建物の横側1階部分に連なっている。山側だと半地下的に沈み込んでいるのでアパートの様子が見られないが、建物自体がごついので2階部分になると思われる窓の位置は高い。
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手前の塀から顔を覗かせてなかを拝見すると…うわぁぁぁああああ…
見るからに荒れ果ててますね。既にアパートとしても役目を失ったらしい。合掌。
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アパート天寿荘はその名の通り天寿を全うされた模様だがかつての住人達のポストや物干し竿などがそのまま残されている。さすがにこれで現役の住人がいるとは思えないが、橋本駅下車徒歩0分の立地でこの状態は不動産屋的にはもったいない物件だぜ。
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救いようのないボロアパートの残骸を目の当たりにして天寿荘の真裏へ。屋根上にびっしり何本もテレビのアンテナが建っているあたり、さすが転業アパートだなと説得力は十分。しかし建物全体蔦だらけで酷い状態だ。
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念のためここからも塀の内側を覗き見るが何やら意味不明な機械の残骸が放置されていた。ここで一体何を作っていたのだ。秘密兵器か?
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さらに回り込んで線路側から建物を見る。こちら側には2階に上がる階段がそのまま残されていた。やはりアパートらしい造りである。
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そのまま階段が続いているがさすがに登ってみる気にはなれない。それ以前にここの家主はどうしているのだろう。こう見えても完全に廃墟という訳でもない。
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生活の臭いが全く感じられない検番跡の転業アパート。上を見上げて家人の存在がいないか確認したが、やっぱり誰もいる気配がない。
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なぜ完全に廃墟ではないかというとこのスペースに家庭菜園の跡が見られたからだ。きっと中に生活している人間がいるのだろうと思ってみたのだが…あと奥にも平屋建ての廃墟がぽつり。屋根はビニールで養生されている。
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最後に検番跡の玄関口を見る。個人の家にしては明らかにデカ過ぎる訳だが、転業アパートならここが家主の家の玄関口であると見てよさそうだ。
結局家人の姿は無かったので、そのまま外観だけを眺めて終わりにしたのだが、結局本当にここが検番跡だったのか、経緯はどうだったのかという肝心のヒストリーが一切不明なままなので、もどかしい。天寿荘の中の事情に詳しい方からの情報お待ちしております。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。
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