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京街道・橋本遊郭跡を訪ねる (5) 多津美旅館

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引き続き橋本遊郭の街並みを探索していくことにしよう。
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先程の妓楼の斜向かいから橋本駅方面に伸びる脇道がある。その角にもかなりくたびれた感じの妓楼が何軒か並んでいる。手前の建物は街道沿いではなく脇道側に玄関を置いていて黒塗りの外壁が渋い。


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その脇道の先には正満寺、さらに先程回った「やをりき食堂」と京阪橋本駅がある。
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路地の向こうには西遊寺の本堂屋根が遠目に見渡せる。この辺の寺でどこが遊女の投げ込み寺だったのかという事が気になったが結局分からずじまいだ。
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そこから再び街道筋に歩くと、一軒だけ現役で元遊郭の建物を旅館として使っている「多津美旅館」が現れる。外壁だけ見るとすっかりモルタル塗りに改装されて風情が損なわれてはいるが、内部は昔のまま。
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軒先に掲げられた筆書きの風流な看板。淀川温泉という文言もあるが、実際に温泉の湯を使っているかどうかは不明。
「お泊り 御休憩 御商談に御利用下さい」いまどき御商談はなかろうと思うが…しかし宿泊1人3000円というのは安い。
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外観から見た限りでは建物右端に残る鮮やかなステンドグラスの意匠が特筆に値する。この部分だけは昔の遊郭そのままだ。玄関には踊る紳士淑女をモチーフにしたステンドグラスがある。
ともかく多津美旅館は外観よりも中の方が凄い。残念ながら今回は入れなかったのだが、多津美旅館や元遊郭の個人宅の内部写真を掲載されている方のブログがあるのでそちらをどうぞ。
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まだまだ橋本には現存する妓楼が数多くあるのだが一つ一つをじっくり鑑賞するとまる一日費やしてしまえそうで怖い。我々取材班は時間の都合もあってさっさと一巡しただけだがもったいないので、時間があればじっくり見て行った方がいいですよ。
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ガッツリ太い格子窓と欄間飾り、下部のタイルも合わせて美しい。これが張見世と呼ばれる昔の吉原スタイルだったらこの格子窓の向こうから遊女達がちょこんと座っていたのかなとテキトーな想像を巡らす訳だが、やっぱり違うか。橋本遊郭のシステムはどうだったかよく分からん。
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突き当たりT字路の前に建つ妓楼もずらりと覆われた格子窓が風流である。繰り返すが現存する妓楼は全て現役で人が生活している個人の家になっている。そして主を失った家は取り壊されるか荒れ果てるかのどちらかだ。
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ようやく橋本遊郭の北端にあたる突き当たりのT字路に差し掛かった。正面は歯科医院となっていた。
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振り返ると、現存する妓楼と建て直された普通の民家が半々くらいといった印象。あまり目立たないが空き地も実は多いので、この風情を保っていられるのもいつまでの事か分からん。
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この突き当たりを左に出ると大谷川の橋を跨いで淀川土手沿いの旧京阪国道に出る。車の交通量も多い場所だが、ここに遊郭の跡があるなどと意識して通るドライバーはどのくらいいるのだろう。
あと大谷川の橋のそばから川沿いに立ち並ぶ橋本遊郭の全景を撮るつもりで来たがうっかり忘れていた。間抜けである。
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妓楼の脇に古い町内会案内図の看板あり。昭和50年代くらいのもの。この頃はもっと沢山の店があって、もう少し賑わっていたっぽい印象を受ける。この頃から見ても明らかに店が減っているよな。
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突き当たりT字路を京阪電車の線路方面へ歩くとまだまだ妓楼が何軒か残っていた。酒屋の隣の妓楼もタイルの模様が素敵である。
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向かいの妓楼は1階2階ともに目の細かい格子窓が全面に張り巡らされていて怪しい印象を受ける。ただかなり古びていて、取り壊しがいよいよ迫っているかのようだ。
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現に隣が既に寒々しく空き地になってフェンスで覆われていたのだ。妓楼の建物の横っ面が剥き出しになっている。こうしてどんどん遊郭としての歴史は時間と共に覆い隠されていくのである。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。
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