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京街道・橋本遊郭跡を訪ねる (3) 橋本湯

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橋本遊郭のメインストリートだった街道筋に出る。現在はごく普通の住宅街と化しているが時折古い妓楼の建物がそのまま使われている箇所が残っている。
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淀川沿いの旧京阪国道に出るT字路から銭湯橋本湯の近くまでおよそ300メートル程の距離が該当する。住宅街とはいえ昼間でも不気味なくらい静まり返った空間で、長年遊郭としての歴史を刻んだ後ろめたさからだろうか、どこか怪しく陰鬱な空気が漂っている。


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このメインストリート沿いにも経年劣化の程度の差はあれかなりの割合でそのままの形で妓楼だった建物が現役でずらりと立ち並んでいる。まず橋本駅から来てT字路を大阪方面へ。この妓楼は1階部分が改装されてガレージになっていた。
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2階のガラス窓から部屋の中が透けて見える。ここから遊女が客を手招きしたり迎えたりしていたのだろうか。
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ほぼ共通する特徴は2階の欄間飾りや手すりの装飾、3間~4間一面のガラス窓、そのまま中の部屋を隔てる襖などが見える家もある。どの妓楼を見比べても一つとして同じ造りのものがない。
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こちらは2階の窓が上半分が四角い亀甲型、下半分は格子になっている。玄関周りのタイル貼りも非常に美しい。
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足元には古い防火用水の水槽。中央が色つきタイルであしらわれている。防火用水までシャレてるよなあ。この妓楼の名前が「榮樓」だったという事がこれを見て分かる。今では消火器があるので防火用水は用済みなのか、プランター置き場になってました。
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さらに街道筋を大阪方面に歩いて行くと、またしてもご立派な妓楼が。向かいは平屋建ての米屋。微妙にうねりを利かせた街道の道筋に萌え。
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飛田新地の鯛よし百番クラスの建物が当たり前に何軒も並んでいる訳だ。驚くしかないだろう。この建物は特に欄間飾りが美しい。
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玄関周りはちょっと近代風にアレンジされてしまったが建物全体の美しさに何度もアングルを変えて写真に収めたくなる。個人の家なのにすみません。
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これが1軒どころか3軒並んでるもんな…橋本遊郭の凄さがだんだん実感出来てくる。手前の妓楼は1階部分が美容室に改築されて営業中。
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妓楼を華やかに彩る欄間飾りの一つ一つも見逃せない。職人が手作りでこしらえたものだけに模様が全て違っている。これだけ高度な彫り物の技術を持った職人も、遊郭廃止の憂き目に遭い後継ぎも出来ずに全て消えてしまう運命なのか。
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遊郭廃止から半世紀も経ってよくぞここまで綺麗に残っているものだなと感心するしかないが、もし何かの拍子に修繕する事になった場合に職人の手配とかはどうしているのだろうな。
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妓楼の建物を横から見物する。かなり奥行きがあるがそれだけ客で賑わっていたからだろう。遊郭廃止後はアパートや旅館に転業したとは言っても、いずれにしてもオーバースペック気味でそのまま使わずに放置された部屋が相当あるものと思われる。
街道筋のすぐ裏手は淀川の土手に、その手前を流れる大谷川がある。
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そして橋本遊郭の南側終端、つまり大阪方面からの遊郭の入口となるのがこの銭湯「橋本湯」。残念ながら正月休みの最中なので外観を見る事しか出来なかった訳だが、これも遊郭時代からの建物がそのまま使われていて当時の風情がよく伝わっている。
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玄関破風の屋根瓦には「橋本湯」の文字が刻まれている。カッコ良すぎますね。遊郭現役時代には廓の中で暮らす遊女達も足繁く通ったというこの銭湯。次の機会に是非入浴してみたいと思う。
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ひとまず橋本遊郭の南側はこれで終了。このまま淀川の土手を登っていくとすぐ京都府八幡市と大阪府枚方市との境目になる。
今度は先程の橋本駅に通ずるT字路まで戻り、街道筋の北側一帯を散策する事にする。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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