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大阪港DEEP・八幡屋商店街

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天保山ハーバービレッジ、海遊館で有名な大阪市港区。
現在のように観光地化される前は、港湾労働者が多く住む下町だった。
大阪港の中心が南港に移ってからは、労働者の街としての活気は失われ、今では大阪ベイエリアという観光地めいたイメージが強い。
昔を知る港区民は、ここが西成に次ぐ巨大な港湾労働者の寄せ場の街でありガラの悪さで言えばナンバー2と警察が言うくらいの土地であったという事を知っている。
誰も知らぬ者は居ない、あの広域暴力団の山口組だって始点は港湾労働者の荷役派遣事業者(人夫出し)だった。そんな歴史的背景もあって、現在もこの界隈には暴力団事務所が多い。
だが現在では寂れ方が凄まじく、特に八幡屋商店街と、隣接する港中央市場、八幡屋市場を含んだ商業地は廃業した店があちこち虫食いのように穴を開けている。
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地上を走る地下鉄中央線の車窓からも見下ろす事が出来る八幡屋商店街の入り口。
入り口の両側がパチンコ屋な時点でこの街の性格をよく表している。
ところが、この左側のパチンコ屋ですら廃業してしまった。
それだけ、活気が失われている。
少しこの商店街をうろうろしてみましょう。


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八幡屋商店街自体は全長200メートルもない小規模のアーケードつき商店街だ。天保山・築港エリアからも買い物客が訪れる。港区西部で唯一の規模を持つ商店街。だが道を歩くのは高齢者が多く、いつ来ても活気がない。っていうか毎年衰退の一途を辿っている。
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写真にある「おもちゃの玉屋」は八幡屋に残る最後の玩具屋だったが、最近潰れてしまった。本当に最近のことだ。子供の数も相当減ってしまっている。
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その玩具屋から奥の路地を突き進むと、地元民しか知らないホルモン屋が今でも細々と営業している。店の名前が長らく無かったのだが、最近「七福神」という名前がつけられていた。経営者のオッチャンが引退して、他の人に代わったっぽい。
一本60円、量り売りで持ち帰りできる。ビールと酒も出しているのでちょっとした居酒屋状態である。営業時間内はいつも犬が居て、親父の食い刺しのホルモンをうまそうにほお張っているのだ。しかし最近ではいつ営業しているのかわからんくらいの状態だ。
ちなみにその途中の路地にも薬局や八百屋、うどん屋、魚屋が威勢良く商売していたのだが、それも綺麗さっぱり全部潰れてしまっている。八幡屋の寂れ方は半端ではない。
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その中でも「港中央市場」は店の多くが今でも変わらず営業中である。ここで写真を撮っていると「おー久しぶりやね」と声を掛けられたりする。さすが地元。しかしここももう10年すると姿を変えてしまうのであろうか。
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ここでも見かけた「50円自販機」w
この街は西成のような悲壮感はないが、周辺に大量にある市営住宅には凄まじい数の生活保護受給者が生活している。高度経済成長期を支えた労働者の老後、という現実が垣間見える、福祉の街である。
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懐かしい気分もあって、久方ぶりに「末よし」で食事を取る事にした。
中華そばと大阪寿司の店。超老舗。私が保育所に入れられていた頃から来ていた店だ。
今では人手不足なのか知らぬが店が閉まる時間が夕方4時半と異常に早い。
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写真はカレー中華そば(450円)とちらし寿司(200円)。下町の食堂だけあって値段も良心的。食糧の値段が高騰している中で、まだここは値上げには踏み切って居なかった。
ノーマルの中華そばは完全に和風テイストで、あっさり味。
これに酢の利いた寿司が絶妙に合うのである。
寿司はガラスケースから勝手に持って来れば良い。
そして醤油は刷毛で塗るのが「末よし」流。
私ですら気が付かなかったが、「寿司に醤油を刷毛で塗る」のは大阪でもごく一部のローカルルールだそうである。
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腹が膨れたら、今度は中央大通り側の「八幡屋市場」へ移動する。こちらはうって変わって完全に寂れきってしまっている。
だが一軒だけ、テンションの変な店があるんですが…
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独特なポスターを置いているのは「ひので食品」という米屋。
後ろの公明党ポスターはどうでもいいとして、何やら言葉にならないメッセージを発している。
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中国米は取り扱ってません
なかなか、良心的な店である。
スーパー○出とかで10キロ2000円のくず米を大喜びで買う貧民がいる傍らで、商売よりもお客さんの安全を考えてこういう張り紙を作る心意気がいいじゃないですか。
それはいいとして、この隣のポスターは何だ。
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「独身気ままなぐーたら女、桃井サリー語る
 鍋で炊いた米で、むしゃぶるおにぎりの快感は
  昔の男をグーで殴る以上なのだ」

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ちょwwww
「鍋炊飯宣言」
字面がエロい。表情がエロい。口元の米粒がエロい。何もかもエロい。
桃井サリーとは一体誰なのか。
>むしゃぶるおにぎりの快感
これだけでご飯三杯ぶん抜けそうだよね。

さらに後日再び「ひので食品」の前に行ってみると、また桃井サリーさんのポスターが増殖しまくっていた。

桃井サリーという女性はこの店のキャンペーンガールに抜擢されているようで色々なバージョンのポスターがこれでもかと貼り付けられている。

ただの街の米屋ではない。桃井サリーとは一体何者だろうか。
これだけ本格的なポスターを刷ってアピールする店主の情熱の片鱗を感じた。
おそるべし「ひので食品」。
八幡屋商店街への最寄り駅は地下鉄朝潮橋。徒歩5分。
商店街入り口に「八幡屋」バス停があり、天保山や難波・梅田からの市バスも本数が多いので、それに乗って立ち寄るのが賢明である。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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