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廃墟化して崩落の危険で大迷惑!非常に有難くない淡路島の「世界平和大観音」とは

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兵庫県の離島「淡路島」…大阪湾を隔てて神戸市や大阪市とも接する、この関西を代表する離島は明石海峡大橋の開通以降、阪神地域から日帰り旅行が出来るレジャー観光の島になった。ところがどっこい、この島には廃墟と化したまま気の毒な姿を晒した日本屈指の巨大観音像がある。

兵庫県 淡路島

明石海峡大橋を渡って淡路島入りし、島の東海岸を走る国道28号を洲本方面に10キロ少々走ると、突然目の前に巨大な観音像がそびえているのが見える。まあ普通に気付かない訳もないですね。淡路島を知っているなら、かなり有名な観音像である。

兵庫県 淡路島

淡路市釜口にあるこちらの観音像、正式名称は「豊清山平和観音寺」というお寺なのだが、宗教法人格も持っておらず、淡路島出身の奥内豊吉という実業家が故郷に錦を飾る形で昭和52(1977)年に建立した高さ100メートル(台座含む)の世界平和大観音像と高さ40メートルの五重の塔ならぬ「十重の塔」がそびえている、ちょっとした宗教テーマパークだった場所だ。

兵庫県 淡路島

で、この観音像、首のあたりが展望台となっていて、その部分がまるでコルセットをはめたムチ打ち症の患者みたいだという事で「ムチ打ち観音」の別名まであるというのだが、現在は閉館してしまい中に入る事もできない。

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世界平和大観音を建てた奥内豊吉氏は昭和63(1988)年に死去、残った妻が遺志を引き継ぎ営業を継続するが、2006年にはその妻も死去。施設は閉館となり、奥内家の遺族は相続を放棄。管理者がいない状態となり、そのまま大観音は珍スポットから巨大な負債の象徴へ、つまり廃墟になってしまった。

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入口にはまるで東京大学の赤門のような山門があり、その門の周りにこの施設が一体何なのかが記された石碑がいくつも立つ。「四国八拾八ヶ所霊場 十二支御守本尊霊場 開運七福神霊場巡り」だとか色々と有難そうな文言が連なっているが、とっくに有難くもなんともないただの廃墟だ。

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どう見ても東京大学の赤門だと思ったのだが、「旧加賀屋敷の御守殿門、現東京大学」云々説明書きが書かれた石碑が遠目に見えるので、やはり東京大学の赤門を真似て作られたもので間違いないようです…

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赤門の傍らにある碑にはかつてこの場所に交通博物館、奥内近代絵画美術館、奥内近代陶芸美術館、民族博物館、時計博物館といった施設があったようだ。「奥内」という名の通り、実業家奥内豊吉のコレクションを展示した施設美術館が存在していた。奥内氏は大阪市西区で不動産業、ホテル業などで財を成したオクウチグループの創業者で、現在も親族が経営している大阪・阿波座にあるホテルオクウチや豊中・岡町にある奥内美術館などが残っているみたいだが…

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隣接する「十重の塔」も劣化が激しく、ただでさえ海沿いにあって風や塩害が強い場所で、時折やってくる台風の度に壊れて屋根の一部が破損している。この写真は2012年6月訪問時のもので、報道によると現在十重の塔は建物全体にカバーが掛けられ、建物の破壊に備えているようだ。今なお所有者不明の状況で、数億円単位と言われる解体費用を地元の淡路市が出す余力もなく、荒れるに任せるといったところ。

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十重の塔をよーく見ると、てっぺんの「相輪」もポッキリ折れて今にも下に落ちそうになっている。酷い…どうやら今年8月に直撃した台風11号で大観音像の外壁がベリベリと剥がれてしまったようで、この数年内で倒壊する恐れも出てきたが、一向に解体される気配はない。

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それにしてもなんで大観音像の隣にあるのが「喫茶&レストラン アメリカ」なのか笑えるのだが、この喫茶店含めて周辺住民は廃墟観音から降り注ぐ瓦礫の恐怖に怯えて暮らし続けているという。まったくもって有難くない観音様だ…

北海道の北の京芦別、石川県にある加賀豊星寺、福井県にある越前大仏…時代遅れな昭和の宗教聖地テーマパークが軒並み巨大な負債となる中、淡路島の世界平和大観音は相当ヤバイ状況に来ているようだ。崩れてしまう前に、見るならお早めにどうぞ。



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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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