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桜宮高校の闇寮に次いで歩行者も渡れる鉄道橋「赤川鉄橋」も閉鎖されそうです

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今年2月頃に大阪市都島区を何となく訪ねて、体罰事件がらみであれこれ騒ぎになった「大阪市立桜宮高校」の様子を見に行ったのだが、その近くに、淀川に架かる「赤川鉄橋」という鉄道橋がある。この橋はこれまで複線分ある貨物線のスペースの片側を歩道として利用していて、地元民の通勤通学に活用されていたり、撮り鉄が集まったりしていたのだが、この歩道部分が近々閉鎖されるという話を聞いて、様子を見に行く事にした。

桜宮高校に程近い、都島区大東町の城北公園通までやってきた。現在「JRおおさか東線」という鉄道路線が久宝寺駅から放出駅まで部分開業しているのだが、それが城東貨物線を通って2018年に新大阪駅まで延伸開業する予定になっている。城北公園通の上を線路が跨ぐこの辺りに新駅が出来る予定らしい。

んで、この城北公園通沿いに体罰事件で生徒を自殺に追い込んで捕まった桜宮高校バスケ部元顧問が個人で借り上げていたという「闇寮」のアパートがあるんですね。部活動が熱心なあまり学校非公認で勝手に寮を開設して遠方の生徒を住ませていたというもの。去年9月頃に初めて学校側が把握してバスケ部顧問に闇寮を閉鎖するように命令とかしてたそうだけど、まあそのへんの詳しい事は他のサイトに沢山書いているので、そちらをどうぞ。

闇寮に使っていたのは三階建てのアパートの二階と三階。一階部分は店舗スペースになってて、どのへんに需要があるのかよくわからないやさぐれた佇まいの韓国料理店が入居していてなんとも香ばしい匂いを放っておりました。闇寮の寮生は飲酒喫煙にあれこれ好き放題学生生活をエンジョイしていたようで、まあなんとも無法地帯っぷりが凄い。

闇寮は学校側が把握した後、寮生多数が無免許運転などの問題発覚で停学処分が下された後に校長の権限で廃止させた、という事だったが、アパートの前には学生が使ってそうなチャリンコが大量に並べてあった。桜宮高校体罰事件は連日の報道でスクールウォーズも過熱気味になっていたが半年も経つと「ああ、そんな事もあったよな」と思い出すような話ですね。熱しやすく冷めやすい日本人的感覚。

そんな闇寮から城東貨物線沿いに淀川河川敷まで歩いていく事にする。どうにも古びた下町風景が延々と広がるのみ。この辺は大阪市内屈指の鉄道不毛地域になっていて、最寄りの谷町線都島駅からだと徒歩20分以上掛かる。住民は城北公園通を通って梅田(大阪駅前)に出る市バス34号系統が頻繁に往来しているので、それを使うのが一般的なようだ。ここらの住民にとって新駅開設は大きな変化になるのだろう。

この城東貨物線は昭和初期の昭和6(1931)年に開通してから今まで80年以上貨物専用線として使われてきている。ガード下を見れば歴史の重みをいやがうえにも思い知る事だろう。「万国博準備大阪市民運動」って…

城北公園通から400メートル程鄙びたアパートが立ち並ぶベタな下町風景を眺めながらとことこ歩くと、淀川河川敷の土手がようやく見えてくる。地下鉄都島駅から歩くとやっぱり遠い。この辺に来るには市バスの方がいいですね本当。ちなみに城東貨物線を境目に都島区大東町、旭区赤川と区境を跨いでいる。

土手の手前には年季の入ったラーメンの屋台が多数「路駐」されているではないか。夜の街で見かけるあのラーメンの屋台はどこから来ているのかと思う事はあれど、こうして屋台基地にお目にかかれる事はあまり無い気がする。仕事風景とかを見てみたいなら、夕方前に来れば良さそうだが。

屋台もそのまんまテキトーに置かれているけど、廃車になったワゴン車まで放置プレイというのが大阪らしくてワイルドな光景である。「ここをきれいに」万国博準備大阪市民運動は半世紀近くの時間を経てすっかり忘れ去られているようです。

土手の階段を登ればその先に今回目当ての「赤川鉄橋」が姿を現す。赤川鉄橋というのは通称で、城東貨物線の正式名称「淀川橋梁」として戦前の鉄道省が建設したもの。昭和4(1929)年完成の現在84歳。かなりのご老体である。橋の長さは610メートル、対岸の東淀川区東淡路に繋がっている。当初から鉄道橋として建てられたものだが、複線分あるにも関わらず線路は片側分しか敷かれず、余ったもう片方に仮の人道橋が併設されている状態。

しかしどうでもいいけどヤンキーやりたい放題やなこのへんも…やっぱり桜飲み屋高校の生徒もはっちゃけてたりするのだろうか。すぐ近所だしね。

人道橋部分は大阪市が借り受けていて、一応「市道」扱いになっている。橋の袂の欄干部分には「赤川仮橋」のプレートが掛かっているのが見られる。あくまでこれは仮橋なんです。仮のままで84年間やってきました。「仮」の一文字がつけられただけで、なんか日陰者の人生みたいで切ないですね。

そんな赤川仮橋を渡る。普段は地元民が何の気なしに行き来しているだけだが、同じ鉄道橋に貨物電車と人が同時に往来をするという光景は珍しく、時折撮り鉄が集まったりもする場所柄。これが今後はJRおおさか東線の鉄橋として使われる事になる。

以前は老朽化を感じさせる危うい板張りの橋だったが、いつの間にか鉄板が敷かれ補強されていた。やはり閉鎖が決まったとは言えども通行している人や自転車は多い。一応自転車は降りて渡るようにと注意書きがあるが、そんなの誰も守ってません。原付以上の二輪車も通行禁止という決まりになっている。

んで、この赤川仮橋の通行が10月31日をもって出来なくなり、11月からは上流930メートルにある菅原城北大橋(有料:車100円、原付10円)に迂回しなければならない。代替の人道橋を建設する話も持ち上がっていたそうだが「大阪市の財政難」から建設中止になったというトホホな事情もある。未だに懐具合キツそうですね大阪市は。しょーもない乱開発をしたばかりに…

淀川を跨ぐ赤川仮橋から見える景色は、河川敷のワンドと呼ばれる水辺に集まる野鳥や釣り人、それにホームレスの皆様方の生活ぶりなど、実にバリエーションに満ちている。今後は橋の上からの景色も電車でしか見られなくなるのね。寂しい。

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DEEP案内シリーズ管理人。大阪ベイエリアの貧民窟育ち。独自のひん曲がった視点で街歩きを続けております。2008年より上京。関西に留まらず全国、海外に取材対象を薄く広く伸ばして来ました。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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