大阪市、老朽化住宅をアートスペースに?
川口交差点、ちょうどバス停のまん前に、異様な風貌の建物がある。こんな大通りに面した場所に、使われもしない5階建ての住宅が放置されている。上の階からは破れてボロボロになった障子紙が見える。
これは大阪市住宅供給公社が管理する「川口ビルディング」という建物である。
終戦直後の1954年に建設され、長らく住宅兼オフィスビルとして使われていたが、建物の老朽化のため1991年に入居者募集を停止。建て替え計画があったが、財政難のために頓挫し、そのまま残されているのだ。
ところでこの川口住宅、財政難で建て替え工事も取り壊しもできないということで、そのまま廃墟同然の状態で放置するわけにもいかないだろう。
大阪市住宅供給公社では、この川口住宅を改修し、若い芸術家を中心に安価な家賃でアトリエ兼住居として入居してもらおうではないかという案が出され、どうやら実現に向けて動き始めたという。
オフィステナントの一つに、静岡県経済連が入っていたようだ。
ほとんど廃墟同然ではあるが、地階にはいくつか商店があるようだ。
寂れきった倉庫街の古びた喫茶店、兼スナック。こういうのも、レトロでアートだ。
ただ、川口地区は電車の便が悪く、最寄の阿波座駅やJR野田駅まで徒歩10分以上かかるので、住人はJR大阪駅前行きの市バスを利用していることが多い。天保山行きのバス路線がひっきりなしに走っているのだ。
建物の裏手に回ると、住友のでかい倉庫が。人通りはほとんどなく、少し不気味でもある。新しく建てられた「コーシャハイツ川口」の建物が日陰を作り、太陽の当たらない空間になっていた。夜になるとなおさら不気味さが増すだろう。
随分年季の入ったゴミ捨て場。
終戦直後の建築ながらもゴミ捨て場にまでしっかりと扉がついているのは好感が持てる。
大阪ではこういう場所はヤンキーどもの格好のターゲットだが、珍しく溜まり場にもなっていないようで、スプレーで書かれた落書きの類は見当たらない。しかし、ゴミ置き場として使われていたであろう裏手の鉄の扉にはいつ書かれたかわからない、引っかき傷による落書きが…
「ペチャパイ」ですか…落書きも年代モノでしたねw
周辺にある大阪市の倉庫も、アートスペースとしての活用を検討しているとかなんとか。悪い話ではない。
ただ耐震補修工事をやらなくてはならないのでまだ少し時間が掛かる模様だ。
ちなみに、こうした老朽化したビルを若手芸術家の芸術拠点にしている例として、神戸市では昭和3(1928)年に建築された「旧神戸移住センター」の建物を活用した芸術拠点「CAP HOUSE」がある。
大阪市では既に、破綻した三セク遊園地「フェスティバルゲート」内でNPO法人が主催する「新世界アーツパーク事業」を行っていたのだが、施設売却によってフェスゲが8月末で使用不能に。一方で川口住宅を活用する話は、現時点では進んでいない模様だ。
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[map:34/40/47.688,135/29/5.892]
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