ニュータウン箕面森町の現在
2007年5月30日午後3時、総工費813億円という莫大な費用を投じて、箕面の山をぶちぬき、水脈を壊し、箕面の滝を人工ポンプで流れる滝にしてしまった、あの「箕面グリーンロード」が晴れて開通することになった。箕面森町の開発状況を見に行ってきた。
日本で10番目に長い、全長5620メートルもの巨大トンネル。箕面グリーンロードを運営する大阪府道路公社は、既に「南阪奈道路」「第二阪奈道路」「堺泉北道路」の償還費で赤字体質に陥っているが、さらにそれは加速することだろう。
実は現在開通しているトンネルの横に、もう一つトンネルを掘る計画になっている。10年くらい後の「第二名神高速道路」の開通を見越してのことだ。それまでは、一本のトンネルで、片側一車線の暫定運用となる。
中央分離帯がなく、ラバーポールだけで仕切られた対面通行の長大トンネルは危険であると「VOICE」は早速指摘していた。東海北陸道で起こった7人死亡の正面衝突事故(→詳細)のような出来事が起こらないとは限らないと。
そして、トンネルを抜けた先に作られている「箕面森町」も、この日からその姿を見ることが出来るようになった。箕面森町の幹線道路となる「止々呂美東西線」が開通し、箕面市止々呂美地区から箕面森町を通り、豊能町東ときわ台を結ぶルートが出来たのだ。これで豊能町の東西分断状態もやや解消されたのだが。
74ヘクタールもの広大な山林を伐採して造成された「箕面森町」。しかし現在は山が切り開かれた後、造成されて平らになった土地が広がるだけ。
家はまだ一軒も建っていない。赤茶色の地面が痛々しい。メイン道路の両側には広々と歩道が設けられ、おそらく隣接する東ときわ台に住んでいると思われる住民の人々が新しい土地の姿を一目見ようと散歩していた。
土地の販売は今年秋から始まるという。バブル期のノリでイケイケドンドン自然を壊して作ったニュータウン。強引な土地開発の主導者は箕面市選出の府会議員・市会議員の存在があったからだと言われている。土地を全て売り切ったとしても、750億円の赤字見込みという散々な状態。
莫大な大阪府民の税金を投じたニュータウンは2008年以降、本格的に街開きとなる。西日本で初めての小中一貫校が地区内に開校する予定である。
箕面トンネルの北側の入口となる止々呂美(とどろみ)地区は同じ箕面市にありながら地理的には箕面市の本体からは離れていて直接行くことはできない。
箕面の西の池田市に回り、そこから豊能町余野に至る国道423号に入って車で10分程度の場所。池田市と豊能町の中間地点にあたる、ここだけなぜか箕面市という、実質的な飛び地だ。
さして交通量も多くなく、池田から亀岡方面に向かう足として使われるのみである。
第二名神の開通も2018年だし、今の所この道が出来て誰が喜ぶかというと、せいぜいゴルフに行く客くらいのものであろう。現在、開通しているトンネルに加え、将来的には2つ目のトンネルを掘削し、片側2車線ずつにする予定でいるらしい。
大阪府住宅供給公社が保有する箕面森町の土地74ヘクタールは、当初の評価額が111億円だったものが800分の1の1400万円に変更されている。バブル期の無謀で計画性のない開発がこのような形として現れたわけだ。
同じ理由で、官主導のニュータウンはことごとく失敗しているものが関西にはいくつかある。UR都市機構が学研都市のニュータウンを計画して奈良県生駒市高山町の山林を買収、1000億円以上もの投資を行ったものの事業は具体的に何も進展せず、山林は不法投棄が横行して荒れるがままに放置、そして生駒市長が革新派の山下市長に代わってから事業協力の白紙撤回を申し出た事で開発はストップした。
役人発想の街づくりはどこもグダグダでしょうがない。結局、失敗したら責任を取らなければならないという意識が皆無だからこういう事になっても平気なのだ。
全世界に存在する建設業の3分の1が日本の企業だという土建屋パラダイス国家日本。
この国の病巣は救いようのないほどに進行している。もはや止めようはないのか。
国敗れて山河も残らず、土建屋と役人ばかりが残る国になろうとしている。
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