生駒駅からケーブルカーに乗る

大阪の都心から東へわずか10キロ少々。大阪府と奈良県を分ける生駒山脈。
こんな至近距離にとてつもなく巨大な自然遺産が残されている。
奈良県民(特に奈良市と生駒市)は全長3.4キロの生駒トンネルを満員電車に乗って毎朝毎晩通り抜けて通勤通学している。考えてみれば、なかなかない風景なのかも知れない。

最初の旧生駒トンネルが開通したのは1914年のことだ。もう90年以上も前の話である。
トンネルと言えば怪談話はつきもので、生駒トンネルの存在は関西では有名な心霊スポットとしても有名だ。

asahi.com:旧生駒トンネルの幽霊(生駒市) - マイタウン奈良

そのような歴史背景も相まってか、生駒トンネルの両方の出口となっている大阪側の石切、奈良側の生駒は、どちらも関西有数の信仰拠点として街中至る所に宗教臭い物件の数々を拝むことができる。

石切は「石切劔箭神社」を中心とした、参道沿いの夥しい数の占いの館と、知る人ぞ知る、韓国シャーマニズム宗教の拠点「朝鮮寺」の数々。「石切さん」と呼ばれ親しまれる石切は、法華宗教政治団体がのさばるずっと前から、関西人の信仰拠点として栄えている。

生駒は「宝山寺」を中心とした、参道沿いの観光旅館の数々。
それらがかつては「宝山寺新地」という遊郭で、現在でもこっそり営業している、知る人ぞ知る風俗街。
まさに生駒山の麓は、まるごと宗教タウン。

都心至近の大自然都市、奈良県生駒市をうろついてみました。
生駒への電車での唯一のアクセスは近鉄である。生駒市にはJRではアクセスできない。
地方の公共交通はJRと決まっているものだが、とりわけ奈良県と三重県はJRよりも近鉄の方が格上なのである。

ニダーランド鶴橋から急行に乗り込んで20分もしないうちに、全長3.5キロの生駒トンネルの中に入り込む。充分通勤圏だ。直線距離では20キロも離れていないのだから、大阪から最も近い所に残された自然環境が残る場所だと言える。

生駒駅で降りる。駅のホームのすぐ先が大阪方面に抜ける生駒トンネルの入口である。

近鉄生駒駅では、石切・布施・鶴橋・難波方面、大和西大寺・奈良方面へ向かう奈良線の他に大阪市営地下鉄と相互乗り入れ運転を行っている「けいはんな線」の乗り換えホームもある。
この路線のために近鉄は従来の生駒トンネルとはまた別にトンネルを掘っていて、こちらは全長4.7メートルもあるのだ。近鉄奈良線の混雑緩和のバイパス線として1986年に生駒~長田間が開通したが、運賃が割高なので敬遠されている。
さらに2006年3月に生駒から延伸されて、現在はコスモスクエア~学研奈良登美ヶ丘までの直通運転だ。

そして端っこの人っ気の少ないホームは生駒線。騒音おばさんMIYOCOの町、平群に向かう。ワンマンカーで運転されているローカル路線。

生駒駅前

生駒駅の改札を出てみれば、駅舎からデッキで直接繋がっている商店街が。
ぴっくり通り」と書かれている。びっくりではなくぴっくりである。

ぴっくり通り

どうやら生駒の代表的な商店街のようだが、あまりにアーケードが短い。これはビックリ!
いや、びっくりじゃなくてぴっくりですから。

確か昔、ナイトスクープで桂コエピョンがやってきてネタにしてましたな。記憶違いならごめん。
いやいや、生駒の真髄はこうしたネタ商店街だけに留まらない。

ぴっくり通り商店街を出て再び駅方向へ。

ケーブルカー鳥居前駅

近鉄駅から少し離れた場所に、山の町生駒ならではの公共交通があるのだ。
なんとケーブルカー。
標高642メートルの生駒山の山頂には「近鉄生駒山上遊園地」(スカイランドいこま)がある。
このケーブルカーを乗り継いで生駒山上まで行くことができる。

冬季は休園になるので冬場は行くことはできない。取材に訪れた2月下旬もむろん冬季休業時期。それでも生駒山中腹の宝山寺駅までは運行している。
観光の足でもあるが、宝山寺駅付近までびっしり民家があり、特に運転免許のない学生を中心とした住民の通勤通学の足にもなっている。

駅構内

宝山寺まで片道280円の運賃を支払い改札の中へ。
やっぱり生駒山上遊園地があるからだろうか、内装もお子様向けにデコレーションしとるな~と感心したのも束の間、ケーブルカーの本体を見てワロタ。

なぜか犬型ケーブルカー

車体がまるごとワンワンなのである。カッコ良すぎ!

ケーブルカーの出発駅である「鳥居前駅」を出ると、山の中腹にある「宝山寺駅」までをおよそ6分で結ぶ。
もちろん勾配がきついので車体はケーブルによって引っ張られながら上に昇っていく。

ケーブルカーの線路

途中で何箇所か踏み切りもあるが、駅ホームで発車待ちをしている間にも線路の向こうから住民が平気で線路内に入って歩いている光景に驚いた。
線路内への立入を禁止していないのだろうか?

すれ違うは猫型ケーブルカー

取材に来たときは冬場だったので最も乗客が少ない時期だ。ハイカーと、宝山寺にお参りに来る人間と、山の中腹に住んでいる人くらいしか利用しない。途中ですれ違うケーブルカーは猫型である。それぞれ「ブル」と「ミケ」という名前がついているのだ。なんて古典的な名前なのだろうか。

宝山寺駅

さて、宝山寺駅に着いたのだが、ここから生駒山上へは「山上線」に乗り換える必要がある。今は冬季なので閉鎖されていて乗ることはできない。
遊園地と登山道しかないから言うまでもないのだが...

この先、冬季閉鎖

ちなみに、この駅の構内には生駒ケーブルについて書かれた看板やケーブルカーの車輪が展示されている。
実は、ここ生駒ケーブル宝山寺線は、日本最古のケーブルカーの路線なのだ。1918年開業。もう90年近い。
日本全国に何人いるか知らないが、「ケーブルカーマニア」には外せない聖地だな、こりゃ。

近鉄生駒鋼索線 - Wikipedia

ブルたんにお別れ

私を生駒山の中腹に運んでくれたブルたんとお別れである。遠巻きに見ると、脱力感があって非常にいい。

>宝山寺新地編へ続く




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このページは、逢阪まさよしが2007年8月 1日 18:31に書いたブログ記事です。

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