大都会の渡船場は労働者の足
木津川と尻無川に囲まれた大正区、どちらの川も船舶が通る運河であるため、橋を掛けることができない。そのために大正区には市営の渡船場が7つ存在する。
古くは明治時代から労働者の集まる街、大正区の庶民の足として使われてきた。乗船は一切無料。
その渡船場の一つ「落合上渡船場」は、木津川を跨いで大正区千島と西成区北津守を結ぶ。
そこは都会の中の盲点、失われた時間が存在する、港の下町。
基本的に通勤通学者が多い。両区に高校があるため、時間帯によっては学生だらけになる。
教育がどないなっとるのか、人前で平然とタバコをふかすような学生なのだが、これは昔からの話。
西成区側から乗船した。
こちらも「津守村」というほどの都会の田舎、南海電鉄汐見橋線(高野線)というこれまたとてつもない都会の田舎ローカル鉄道が走る秘境地帯だったりするのだが、ここの紹介はまた後日にしよう。
木津川を渡る船。大阪市の市営渡船は全て自転車持込可能。
渡船の運転業務は全て大阪市建設局の正規職員が行っている。
すぐ北側に大阪府が設置した「木津川水門」があり、高潮や津波発生時に防潮堤としての役割を果たす。
しかし気になるのがその向こう...
バラック小屋みたいなのがズラリと並んでいるのが見える。
運河の岸壁沿いに建つ倉庫にしては用途がよくわからないし、数も多すぎる。
あまつさえ、ゴミ箱やテレビのアンテナなど、生活臭を感じさせるアイテムも置かれている所を見ると、どうやら西成名物「ホームレス小屋」のバラック群だということがわかった。
ある意味、日本社会の最もアンダーグラウンドな側面を背負う西成ならではの風景だ。
どうして、こんな場所で生活を余儀なくされているのだろうか。
あんまり気になる物件なので、国道43号の歩行者用連絡橋の上から再びバラック群の様子を眺めた。
近づいてみると、小屋のどれもがご丁寧に扉まで付いていて、雨風を凌げる構造になっているのだ。
時々、人の出入りもあることからして、これは住居に違いないだろう。
こういう人がいるという現実を誰も直視しようとしないことが、大阪の深刻な問題点の一つであると言わざるを得ない。
シリアスな街、西成区の日常の一コマでした。
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