大阪コリアタウン 猪飼野 (5)
猪飼野の日常
コリアタウン猪飼野。そこは近くて遠い国、日本と朝鮮の交差点。御幸通商店街を東に抜けた先を南北に流れる平野川は猪飼野の街のど真ん中に位置する。
御幸通がただ単に「朝鮮市場」としか呼ばれていなかった頃、この一帯は今のようによそから「異文化」を求めて観光にやってくる客もおらず、外部から人が近づくこともなかったという。
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同じ国の社会に住む者として異文化の存在を相互理解することは重要だ。しかし一方で、立場を逆手に悪事を起こす者、政治的に混乱に陥れようとする者も少なくはない。それが元で結局はマイノリティ全体のイメージが損なわれる。今なお、複雑な状況だ。
大阪におけるマイノリティの問題が一筋縄ではいかないのは、これまでやってきた「大阪民国」で提起してきた数々の出来事を見てきても、よく解るであろう。
本当はそれぞれの立場なんかにこだわらずに仲良くなりたいだけなのだ。ところが「そうさせない勢力」が存在する。己の利権の為、妄信する何かの為、それは解らないが、その勢力の思想は酷く排他的で、かつ暴力的である。
猪飼野の町内掲示板も、いろんな意味で凄まじく特殊だ。
「送還日記」映画上映会、主催はあの朝鮮総連である。
猪飼野は様々な立場や思想信条の人々が同居している。平穏に見える日常の中に、大多数の日本社会から見る非日常的な集団がそこに住まう。「在日本朝鮮人総聯合会」の生野西支部の建物とか。
ここは日本なのになぜかルーマニア国旗を掲げている変な人もいます。
猪飼野の居酒屋は、普通なように見えて、やっぱりどこか違って見える。
黄色とオレンジ、店のテントの配色が、あちらの国のセンスに近い。
けれどもやっぱりここは日本の町だ。
車も通れないような細い路地、そこはどこででも見かける大阪の下町の風景そのものだ。
見た感じ、昭和30年代に建てられたものだろうか、懐かしくさえ思うような文化住宅、古い民家が所狭しと並ぶ。基本的にこの一帯はあまり戦災に遭っていないので、驚く程古い建築物に出会う事もある。
しかし、この街の路上で奇妙なオヤジを発見する。
自転車に跨り、周囲には大小4匹ほどの犬を放し飼いで走らせている。タンクトップの袖から剥き出しになった腕には立派な刺青が掘られていて、どう見てもヤッちゃんである。
放し飼いにしている方に問題があるのに、先に車道に飛び出した飼い犬をバカでかい大声で怒鳴りつけていた。これが猪飼野という町か。やっぱりこの街は色んな意味で複雑なんだな、と思った。
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