ミナミへ来るとどうしても道頓堀や吉本に目が行ってしまいがちであるが、ミナミの歓楽街でもはや忘れ去られてしまったかのような佇まいを見せるビルがある。
かつてはミナミを代表するナイトスポットだった「レジャービル味園」である。

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難波駅から「なんば千日前通商店街」を日本橋方向に突っ切ると、途端に現れるアングラチックな景色。奥に見える、ひときわ大きな建物が味園ビルだ。
建物を見れば分かるように歴史が古く、テレビCMが昭和40年代からバンバン流されていたので、大阪に住んでいる親の世代なら「味園」と聞いて知らない者はいないだろう。

怪電波全開のテレビCMのインパクトは中年以上の関西人には皆トラウマ同然のように記憶に焼きついている。

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味園ビルは京橋グランシャトーと並ぶ古参のレジャービルで、キャバレー「ユニバース」をはじめ、大宴会場、ホテル、サウナなどが入る、いかにも昭和的なノリのナイトスポットである。

特にキャバレー「ユニバース」は全盛期にはミナミを代表するナンパスポットで、何を隠そう逢阪のオカンもここでオトンに引っ掛けられたという実にどうでもいい歴史を持つほどだ。

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しかし時代は過ぎ、ビルは当時の佇まいを残しながら静かに時を刻んでいる。一瞬廃墟と勘違いしそうになるがこれでも頑張って営業しているのだ。
京橋グランシャトーが駅前にあるのとは対照的に、ミナミの繁華街で人の流れの動線からすっかり外れてしまった「味園ビル」は年輪を刻む度にますます怪しさを増している。

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味園ビル周辺が昔からのナイトスポットだったこともあるのか、周囲にはやたらレトロでアンダーグラウンドな大人のおもちゃ屋などが軒を連ねているのだ。
特にこの店は店構えが半端なく怪しい。往年の伊勢・元祖国際秘宝館も顔負けである。

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この店、シャッターを閉めている時もやたら怪しい。
味園が放つ怪電波がこの界隈に強烈な磁場をもたらしているかのようだ。

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味園ビルの2階には小規模なスナックやバーが乱立する「スナック街」がある。今も夥しい数のスナックの看板が並んでいるものの、当時のまま放置されているため、今ではただの廃墟の飾りでしかなく、味園ビルの怪しさを盛り立てるアイテムになっているだけだ。

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スナック街はテナント貸しになっていて別に入口があるが、味園本体のサウナ、ホテル、大宴会場などは右側に入口がある。

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24時間営業のホテルは宴会の後に終電を逃した場合に利用できるようになっている。ホテルの部屋はシングルルーム3500円からあり、かなりリーズナブルだ。

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2階スナック街へ続くエントランスもやたら怪しさ全開。正面の螺旋スロープでどうぞ。

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現実感のないデザインの螺旋スロープを回るとそこはメルヘンやら夢の世界やらという言葉が到底似合わない、昭和の魔窟が広がる。

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スロープを登った先にある2階スナック街への入口。

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小規模のスナック店舗が乱立していた場所だが、今は少し様子が変わっている。
時代の変化によって味園のスナック街にも空き店舗が目立つようになったため、現在は空き店舗を若い店主に低価格で貸し出している。
言うなれば、東京の新宿ゴールデン街に近い形態で運営されているわけだ。

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で、店構えがどことなく怪しい所ばかり。
サブカル臭全開の「深夜喫茶銭ゲバ」をはじめ、スナック街には小規模なライブハウスもあり、さながら関西の中央線系のような状態。大阪で中央線言うたら地下鉄ですが。
夜中はちょっとアングラで変な若者で賑わう。

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日が暮れると味園ビルは往時の栄光の灯を照らすように煌々とネオンサインを見せびらかす。千日前の夜はまだまだこれからだ。


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