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西成の歩き方 (21) 梅雨の釜ヶ崎

蒸し返す臭気の中で煽る一杯のカップ酒

引き続き、梅雨時真っ只中の西成釜ヶ崎からレポートしていきます。

今回、西成で暴動が発生しているという話を聞きつけて、急遽大阪へ戻ってきたのだ。
南海新今宮駅を降りると、いつもの小便臭い街の匂いが、梅雨時の湿っぽい空気とアスファルトに沁み込んだ雨の匂いと混ざり合い、なんとも形容しがたい様相を呈していた。

今日も西成は絶好調です

そんな南海のガード下で、今日もホームレスのオッサンが眠りこけている。


西成の歩き方レポートの続編です。初めからお読みの方はこちらからどうぞ

今回も西成のドヤに泊まった。「ホテルサンプラザ」という、南海新今宮駅徒歩0分、絶好の駅前一等地にあるマンションタイプのドヤだ。この地の利で一泊1800円なんだから、ありえないくらいに安い。

あいりん公共職業安定所

しかもホテルのまん前がこれだ(笑)

1800円ドヤの室内

1800円のドヤは3畳分の部屋に布団、座卓、冷蔵庫、テレビ、エアコンが一通りついていて、これだけだと申しぶんない機能である。ただしタオルや洗面用具等は一切置いていないので自分で用意する必要がある。

1800円ドヤの室内

禁煙室を予約していたのだが、やはりタバコ臭い。
前に泊まった「中央新館」と違い、玄関が金属製でガッチリしているのが良い。宿泊の際、鍵の保証金として千円をフロントに預ける必要がある。

窓を開けるとそこは新今宮駅

聖地ニシナリのど真ん中、窓を開ければ眼下に南海新今宮駅のホームが見下ろせる。

ドヤの廊下

廊下に出るとこんな感じだ。ワンフロア30室くらいはあるだろうか。
ジャンジャン横丁に近い中央新館に比べれば、こちらは随分とバックパッカー率が低い。

宿泊者よりもむしろ居住者が多いのだ。
このホテルに泊り込んでいる「住人」にエレベーターや廊下で頻繁にすれ違う。ある時は風呂上りだったり、ある時は仕事帰りだったり。

案内書き

そんな「住人」向けに案内書きが。やはりここにも英語の案内がある。バックパッカー客は皆無だったが。

裏手の鉄扉を開けると、非常階段があり、外に出られる。そこで目の前の光景に驚いた。

機動隊の車がびっしり

JR新今宮駅北側に、大阪府警の広大な空き地があるのだが、そこに大量の機動隊車両が駐車されていたのである。言うまでも無くこれは「西成暴動」の制圧にやってきた機動隊員が乗り付けてきたバスである。駅前一等地なのに大胆な土地の使われ方をしているのが「釜ヶ崎」らしい。

総勢40台くらい?

まさに圧巻。ちなみにこの前日に暴動の引き金となった主導者である、釜ヶ崎地域合同労働組合の稲垣浩氏が警察に捕まり、暴動は収束の方向に向かっていた。

祭りの後

西成暴動の様子を見ようとやってきたが、既に「祭りの後」だったようだ。
釜ヶ崎の街を歩くと、楯を持った機動隊員が大量に配備されていたが、なんだか暇そうだった。

釜ヶ崎の実態を知るためには、朝早くにこの場所を訪れる必要がある。
日雇労働者の街の朝は、とてつもなく早い。

午前5時半、眠い目をこすり、ドヤの上からあいりんセンターを見下ろす。

あいりん公共職業安定所

既に労働者やホームレスのオッサンがセンターに集結している。センターに停まっている車両は日雇労働者を現場に運ぶ為のもの。フロントガラスあたりに労働条件を書いた紙を張って、待機している。

やはり、梅雨時なのだろうか、その数は意外はほどに少なかった。
当然ながら雨が降ると現場の仕事は無くなるのだ。
この時期に仕事にありつけず「アブレ」が続き、金が底を尽きて餓死してしまうホームレスも少なくないと言われている。それが年々高齢化する労働者の街、釜ヶ崎の現実。

西成の朝

とはいえ、センターの横の南海高架下沿いの朝市は、遠目から見ても随分繁盛しているように見える。
通称「泥棒市」とも言われていて、どこで仕入れたか分からない品物が平然と並べられているのだ。
早朝時間帯なら腐りかけのコンビニ弁当や韓国産闇タバコが堂々と売られている。

太子交差点

朝の太子交差点は、日雇い労働の現場へ向かうオッサンの人並みで溢れる。
JRと南海の新今宮駅、阪堺電車南霞町駅、地下鉄動物園前駅が一同に集中するターミナルでもある。普通のサラリーマンやOLも大勢乗り換えの為にこの道を歩く。

ボロボロの服をまとい死に掛けの廃人のように横たわるホームレスがそこで倒れていても、皆何も知らぬ存ぜぬを貫き通すかのように、目の前を通り過ぎる。

それは、昔からこの街で起きている当たり前の日常に過ぎないのだ。

朝風呂に入ろうと通天閣の下の「ラジウム温泉」に行くことにした。
道すがら色々なものに目が留まる。

アキバ

焼肉「大龍館」と大隅アパートの間に、いつの間にか胡散臭さ全開の「コスチュームショップ」が出来ていた。これも場所柄。

銀行口座買い取ります

新世界のパチンコ屋の前には「銀行口座買い取ります」の張り紙が。また新手の詐欺集団か?
さすが大阪民国。悪徳商法は後を絶つ事はありませんね。

ラジウム温泉

通天閣の真下にある「新世界ラジウム温泉」は創業55年の老舗銭湯。戦後、通天閣が再建される前からこの場所でやっている。珍しく毎朝朝風呂を行っているので気軽に入りに来れるのだが、場所柄、背中に立派な刺青を入れたオッサンをよく見かけます。

それより、あちこちに「ホモ行為禁止」と注意書きが書かれていたのが衝撃的だった。幸い、そんな冷や汗をかく事もなく、汗を流すことができた。

泥棒市

さっぱりしたところで、再び南海高架下の「泥棒市」を見に行く。どんなものが売られているのかが伝えたくて写真を撮りたい願望にかられるが絶対に無理。是非、貴方の目でお確かめください。

ちなみに、賞味期限切れコンビニ弁当の場合は日が昇りきる前の朝8時くらい、韓国製偽タバコの屋台は7時を過ぎる前に行かないと目にする事ができないだろう。

泥棒市が行われるすぐ隣、あいりん労働福祉センターの南側が「萩之茶屋小学校」だが、ここでも朝の8時を過ぎると普通の登校風景が見られるのだ。

場所柄だけあって、親が自転車の後に我が子を乗せて学校の校門まで連れて行く事もあれば、そのまんまお構いなしにやってくる子もいる。

凄い教育環境である。

萩之茶屋小学校の特殊装備

そんな萩之茶屋小学校の校門がある一角には、特殊装備が仕掛けられている。
壁に花が掛けられているが、パイプから水が勢いよく出てくるのだ。
しかしそれにしては出る水の量が豊富なのである。

勘のいい方は分かっただろう。これは「ホームレスの小屋掛け防止システム」なのである。

勤務中に買い物を楽しむ大阪市現業職員

釜ヶ崎の泥棒市を見ていて面白い集団を見かけた。
大阪市環境局と思われる現業職員が10人くらい、南海萩ノ茶屋駅の前のゴミ溜めの清掃に訪れていたのだが、そのうちの一部が「勤務中に買い物」を楽しんでいたんですね。よくよく見たらくわえタバコで暇そうに談笑してるんです。

おさぼり職員はいけませんねー。

VOICEにタレこみますよ?

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このページは、逢阪まさよしが2008年6月29日 12:14に書いたブログ記事です。

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