「バーガータウン喜志店」驚愕の富田林バーガー

日進月歩、ドッグイヤーで情報過多で疲れ気味の人生をお送りの皆様、久々の連休中はいかがお過ごしでしたでしょうか。

横浜に引っ越してしまい関西からはすっかり遠くなってしまった私、逢阪ですが、今回のゴールデンウィーク中はずっと大阪に帰ってきていました。

腐っても大阪、嫌い嫌いも好きのうち、やっぱり大阪に帰れなければ私は私ではないような気がしてなりません。ほぼ3ヶ月ぶりの記事です。

さて、皆様、ハンバーガーと聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?

ハンバーガー、イコール、ファーストフード?
マクドナルド?
モスバーガー?
それともロッテリア?

完全にオートメーションされた食品工場の最後の製造過程でしかない、無味乾燥でチープな食材だというイメージですか?

世界中で食文化すら均質化されてしまった現代。
多様な食文化、多様な時間と空間、それすらも奪われて、息苦しくなってしまいませんか?

そんな現代を生きる我々に、まさに「癒し」となるような、秘密のハンバーガー店が、南大阪の片田舎、富田林市の喜志という町に、ひっそりと存在する。

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BURGER TOWN
バーガータウン 喜志店

既に店構えからしてヤバイんですけどw
近鉄喜志駅を降り、踏切を渡った先に並ぶ居酒屋の敷地の奥まったところに、まるで時が止まったかのように佇む異空間。

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隣にも居酒屋があったようだが、既に廃業しているらしい。
中身の分からない液体が入った水槽と乱雑に積み上げられたビール箱がさらに怪しさを漂わせる。

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もう全然ハンバーガー屋ではない、バーガータウンの入口。

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店の入口にはお品書きが...
しかもぶっとい筆書きで(笑)

「ぎょうざバーガー」「さつま揚げバーガー」
しかも値段は百円...
完全にはじけちゃってますw

わざわざこの店で食べる為だけに富田林まではるばるやってきたのだ。
いざ、入店。
あけっぴろげの玄関をくぐり中に入ると...

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「スーパーに買い物に行きます
 早く帰ります
        オッチャン」

wwwwwwwwww

微妙な展開に入口付近でどうしようかと悩んでいる我々にようやく気がついた常連客らしきオバチャンが一人、タバコを吸いながら

「オッチャンならさっき帰ってきたばっかりやで」
と教えてくれた。

もう完全に人の家にお邪魔させてもらってるモードだ。

「お、お邪魔していいですか?あ、ついでに店の写真も撮らせてください」

「こんなとこカメラに映してどないすんねんな~」と笑われましたが。

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というわけで、これが伝説の「バーガータウン喜志店」の店内。
意外に広いでしょ?
30人くらいは余裕で入れる勢いだが、居たのは謎の常連客のおばちゃんとマスターのおっちゃんだけでした。

映っていたテレビには野球中継が流れていた。

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ちゃっかりアルコール類も用意している。
ここはハンバーガー屋であり居酒屋でもあったのだ。
つーか店内至る所に「キリンビール」の旗が置かれている時点で居酒屋である。

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店の奥の座敷には布団がそのまま敷いたまんまになってます。誰か寝泊りしていったんでしょうか。もう一体どうなってるんですか、ここは(笑)

巷ではネットカフェ難民に次いで、ハンバーガー一個だけオーダーして、そのまま店の中で夜を明かす「マクドナルド難民」が出現しているようだが、ここバーガータウンでは堂々と布団を敷いて寝てもOKだそうだ。

なんて気前のいい店なんだろう。富田林バンザイ。

いつまでも店内ではしゃいでないで、さっさとオーダーしろよ、って感じなので、早速代表メニューであるギョーザバーガーとさつま揚げバーガーをそれぞれセットで頼んだ。

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ちゃんとボードまで作ってるのね。
それにしてもセットで350円かよ。安すぎ!

しばし、マスターが料理中に、謎の常連客のおばちゃんとのファーストコンタクトを試みる。相変わらずタバコをプカプカしている。つーか、この人、ハンバーガーすら食っていない。

「漫画は読まへんのかいな?ここ、漫画喫茶やで、漫画喫茶」

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と言われて見てみると、結構な量のマンガ本や文庫本が2台の本棚にぎっしり詰まっている。

この店、喜志駅に通う学生のちょうどいい溜まり場になっていて、大阪芸大、そしてあの有名なPL学園が近くにあるなど、結構な「学生街」だったりする。

たまーに、学生仲間やその繋がりの人らで、酒盛り会場だったりライブ会場に使われたりもするんだそうな。

マスター曰く
「貸し部屋してんねん。一時間2千円」

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これだけのスペースで2千円は良心的である。
しかも疲れたら奥の座敷で眠り放題。
周りに居酒屋があることなどから、朝までお客が居る事もしばしばあるようだ。

なんだか、昔の学生時代を思い出した。果てしなく懐かしい気分だ。

そのままマスターも話に入ってきたので、色々と聞いてみる。
店はこの場所でかれこれ20年やっているという。
今のハンバーガー屋になる前は、八百屋だったそうだ。

昔の喜志は田んぼしかなかった。ましてやハンバーガー屋なんてうち一軒しかなかった、そう言いながら、マスターはおもむろに店の奥から昔のメニュー表を引っ張り出してきた。

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これがバーガータウン全盛期のメニュー表。
ハンバーガーの種類がいっぱいあっただけではなくドーナツからピザからよりどりみどり。おいしさいっぱい満足メニュー。

だが、時代とともに、喜志の町にもチェーン店が侵食し始める。するとバーガータウンから客は次第に遠ざかっていき、今では多彩なメニューの立役者だった調理器具や保温器具の数々が、ガラクタのように店の隅に放置されている。

そして何の皮肉か、今では喜志駅の改札を降りた先の一番いいところに、マクドナルドの綺麗な店が出来ている。

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「お待ちどうさん」

そういって出来上がったギョーザバーガーセットとさつま揚げバーガーセット。

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しっかりと、ハンドメイド感の漂うハンバーガーセット。

ポテトからバーガーから、全部マスターが一人で調理するので、一般的な話で言うとハンバーガーってファーストフードだけど、バーガータウンの場合はどっちかというとむしろスローフードである。

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揚げたギョーザか、さつま揚げが入っているだけ、間にレタスが挟まれた、シンプルなハンバーガー。
ちなみにもう一つ「チキンバーガー」も存在する。こちらは単品で200円。

マスターに聞いてみた。
なんで餃子とさつま揚げを食材に選んだのかと。

「冷蔵庫開けたら餃子とさつま揚げが入ってるからや」

まるで「そこに山があるから」状態である。
そのまま揚げるだけで出せるからという理由らしい。
まあ、それはそうやな。

謎の常連客のおばちゃんは続けて言う。
「このおっちゃん、儲ける気ないからな」

それこそが、この店の中で流れている世界と、外の世界の違いを感じさせる要因になっているのだ。この居心地の良さは、懐かしさすら感じさせてくれる。

お金や時間に縛られて、何か大事なものを忘れてしまった、そんな心配をしている貴方、一度バーガータウンへ足を運んでみませんか。南河内生まれのマスターのオッチャンと、謎の常連客のオバチャンが、そこで待っているはずです。

※追伸

バーガータウンはほとんど地元の学生や住民しか来ない店なので、我々のような珍物件探検ではるばる富田林くんだりまでやってくる変わり者は本当にごく少数のようである。

マスターのオッチャン曰く、何度かテレビ局の取材の電話が来た事があったが全て断ったらしい。理由は「こんな(汚い)店映して、どこがええねんな」との事。

私がカメラを持ってきたので、最初マスコミ関係者と勘違いされてしまった(笑)
「この人らに頼んで店宣伝してもらったら?」と常連客のオバチャンがマスターを茶化す。

マスターは見た感じ60代くらいの、温和な方である。
また機会があれば訪れたい。


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