西成の歩き方 (11) 鶴見橋界隈編

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ホルモンとキムチの香り 鶴見橋商店街

西成区は大阪最強の下町だと言った。だがそれがどの界隈を指すのかという話になると、私は迷い無く「鶴見橋商店街」の界隈だと答える。鶴橋ではない。鶴見橋である。

鶴見橋商店街は、地下鉄花園町駅北側の国道26号から阪神高速堺線津守出入口付近にかけて東西1キロを貫く、大阪市内でも天神橋筋商店街に次ぐ規模の、アーケードの長い商店街だ。

鶴見橋商店街

西成の歩き方レポートの続編です。初めからお読みの方はこちらからどうぞ


そこには気取った店や定番のチェーン店などはどこにも存在しない。オシャレな喫茶もない。その日その日を生きる庶民が当たり前のように毎晩の食材や日用品を買いにやって来るための商店街。完全なる下町の商店街なのである。

花園町駅寄りの商店街はそれなりに繁盛しているが、だんだん西へ向かうごとに街が古くなっていき、次第に活気もなくなっていく。

産婦人科

戦災を免れた地域もあり、このようなレトロな産婦人科の建築物なども所々に残っていたりする。

骨董品屋

こんな骨董品屋まであったりする。個性的な商店街やなあ。

西成区鶴見橋界隈が市街化したのは明治末期から大正年代である。商店街を西に抜けた先にある木津川沿いには、今でこそ南海汐見橋線のオンボロ駅舎が立ち尽くし寂れ切った風景が広がるばかりだが、その昔は大規模な鉄鋼工場や造船工場、繊維工場が立ち並ぶ一大工業拠点で、そこで働く人々が次第に集まって形成された街なのである。

大正時代に「大大阪」と呼ばれ日本最大の都市として隆盛を極めた時代の「縁の下」を西成の労働者が担っていたのだ。現在は木津川沿いの工業地帯は廃れ、街の活気も失われつつあるが、現在も街中には小規模な鉄工場や革工場が沢山稼動している。

戦前日本社会の工業化以降、地方から仕事を求めて大勢の移住者が内陸部の生野・東大阪・八尾や臨海部の尼崎・西淀川・此花・港・大正・西成界隈に住み始めた。この西成区にも在日韓国・朝鮮人に加えて、沖縄出身者の数も多い。

大衆演劇場

庶民の娯楽として昔から親しまれてきた大衆演劇場も、現在では新世界周辺と、西成区、生野区くらいしか見かけることができない。写真は鶴見橋の町の細い路地に今もひっそりと生き続ける大衆演劇「鈴成座」。開場を前に大勢の人だかりが狭い路地にひしめく。

また、鶴見橋界隈から浪速区大国町の辺にかけての広大なエリアが、伝統的皮革産業の一大生産地であり、靴やバッグやベルト、太鼓に至るまで革製品を生産する工場も昔から多く存在する。

キムチ屋

焼肉屋

鶴見橋界隈には韓国系の店も目立つ。キムチ屋や焼肉屋はもちろんの事だが、韓国系キリスト教会、朝鮮寺といった宗教施設も目立つし、民族系学校も数多い。

同胞交流マダン

やはり韓国系学校である金剛学園主催の「マダン」の開催を知らせるチラシが張られている。この学校は今年になって西成から南港に移転している。

市営住宅

鶴見橋商店街の北側は、大阪市によってきっちり整備された市営住宅がずらりと立ち並ぶ一帯になっている。戦前の工業都市化の時代から、長らく移住者の多いこの界隈はスラム化が深刻な問題になっていた。戦後復興を終えてもなお生活環境の改善が遅れていた地域だが、行政の手によって立派な住宅が建設され、現在の姿となっている。

荒れ果てた駐車場敷地

しかし大阪市の土地管理の杜撰さが、今でも駐車場用地のほったらかし状態など、至る所に垣間見えたりする訳で、この市営住宅の駐車場として使われている広大な敷地も、廃車が野ざらしにされていたり、また、廃車を置かれないようにわざと障害物を置いたりなんかして、滅茶苦茶な状態のままだ。

人権協会管理の駐車場

なぜか駐車場の管理者は「大阪市人権協会」。特定の運動団体に属する人権協会が大阪市から随意契約で駐車場管理の契約を受けている。近頃クローズアップされている同和行政の悪しき慣習がまだ残っているのだ。

ポスター

なぜか同じ選挙ポスターばかり貼られているのも、なんともわかりやすいなぁと思ったり(詳細

夜逃げしてます

この家の主人は夜逃げをしてしまったらしく、借金の取立人の仕業だろうか、人の家の玄関に中傷の張り紙を貼っていってます。

鶴見橋商店街

都市としての複雑な側面を兼ね備えた町でもある西成区。しかしそこは、他にはない独特の下町文化を培ってきた、他にはない強烈な個性を放つディープゾーンとして大阪の都市の中に君臨し続ける。

銭湯

この町に「戦後大阪市」の原点があるような気がしてならないのだ。

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このページは、逢阪まさよしが2007年11月 1日 13:15に書いたブログ記事です。

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