世界陸上大阪大会唯一のメダル 女子マラソン
世界中のトップアスリートを一堂に集め9日間にわたり開催された「世界陸上大阪大会」。チケットがあまりに高すぎるので結局競技場内に入ることもなくテレビで観戦してただけなのだが、大会最終日の早朝に行われた女子マラソン競技だけは、一般市民も沿道から応援できることもあって、大勢の市民が忙しく動き回っていた。
私もその中に加わり、朝5時半の一番電車で地下鉄に乗り込み、長居駅を目指したのである。
長居公園・世界陸上レポートの続編です。初めからお読みの方はこちらからどうぞ。
開催してからも運営側の杜撰な体質が様々な問題として現れた世界陸上。開会式のガラガラの観客席をテレビで見るなり、アチャー、と嘆いてしまった。
大会初日から7日目まで、普段の地下鉄とは全く変わらない混雑度に拍子抜けしていたが、この日だけは朝早くから御堂筋線の車内は満員。長居駅を降りると、マラソンコースで最初に公園から車道上に入るスポットを中心に凄まじい人だかりが出来ていたのだ。競技場内に入ると昼の部で当日席2500円も取られるが、沿道で応援する分にはタダだ。いやがうえにも人は寄ってくる。
既に7時を過ぎ、沿道には大阪府警の白バイ警察隊や世界各国のマスコミカメラマンがトラックに荷台の上に大量に乗り込んでいたりして、本番の時を待っている。
そして、時間がやってくると白バイとパトカーの先導、それからTBSの中継車が出てきた後に、続々とマラソン選手の一団が長居公園の中から飛び出してきた。
先頭を行くのは日本人選手二人、原裕美子選手と土佐礼子選手だった。
原選手は今年の大阪国際女子マラソンで優勝するという実績を持つ。(記事)
野次馬でしかない私にとって写真を撮るタイミングは一瞬。朝7時過ぎだが、既に汗がにじみ出るほど蒸し暑い状態になっていた。
一斉に読売新聞旗と日章旗を振る沿道の観客。マラソンコース沿いに自転車で追いかける人間もかなり多かった。
この後、チャリンコマナー最悪の阪国人が恥ずかしいハプニングを起こすわけである。
最後に出たのは選手救護用の送迎バスだった。燃料電池バス…見覚えのあるバスだと思いきや、あの愛知万博で使われていた燃料電池バスが大阪にやってきていたのだ。今は公道走行実験のために中部国際空港に置かれている、らしい。(記事)
ここからマラソン選手を追うことにしたのだが、移動手段は電車しかない。地下鉄長居駅まで5分以上掛けて戻り、谷町四丁目まで。
しかし他の客も下調べはよくやっている。天王寺駅での谷町線乗り換えはホームが離れているからと、本町駅から中央線に乗り換えるコースを選んでいる。
谷町四丁目駅を降りて馬場町交差点へ。建て替えが進む大阪府警本部庁舎と大阪歴史博物館・NHK大阪放送局が並ぶ一角、大阪城公園の南側を通過し、馬場町交差点を右折、大阪府庁の前を通過するマラソンコースとなっていた。しかし、電車プラス徒歩よりマラソン選手の方が足が速かった。既に先頭集団は通過。
そういえば、この先の場所で非常識なトラブルが発生した。
チャリンコDQNがコースに乱入するというハプニングだ。さすが大阪。だがこれで何事もなかったのが奇跡的である。
沿道の警備は一体どうなっているのだろうか?とも思ったが、いま考えてみると警官の数もボランティアも少ないので(というか不適材不適所なのだろうが)、十分に見張れていない状況だというのは一目でわかった。だから、誘導の合図がわからず、そのままコースから外れてしまった選手もいた。
それが、このゼッケン43番のイタリアの選手である。名前がわからない。調べても出てこないし。
きっちり誘導出来ていないせいでこういう事態になる。観客がすかさず違う違う!と合図を送る。「しっかり誘導したれよ!」と怒鳴る、どこぞのオヤジ。ちなみに、このイタリアの選手、途中でリタイアしたそうだ。イタリアとリタイアって似てるな。
後で本町駅の御堂筋にも移動したが、既に大勢の観客がいて撮影場所を確保できず、とっとと諦めて長居に戻る。2時間なんてあっという間である。それと同時に、42.195キロをこの短い時間で走り通すというマラソン選手の凄まじい体力を思い知るのだ。
40キロ地点手前では中国の周春秀が1位、ケニアのヌデレバが2位、また中国の朱暁琳が3位、そして土佐礼子が4位だった。
ここで追わなければ、メダルを取らなければ、せっかくのホスト国日本なのにメダルが一枚もない!
…と考えていたのかどうかは定かではないが、必死の表情で後を追う土佐礼子選手。
そして朱暁琳を追い抜き、見事に土佐は3位入賞を果たした。
日本人選手がメダルを得た事も素晴らしいが、それ以上に世界中の選手が各々にありのままの姿で戦いに臨んでいた事に、胸を打たれるのである。
しかし!
大阪名物役人天国の悪しき体質がこれほどまでに露呈された国際大会に文句を付けずに済ませる訳にはいかない。
役人の不始末で大量の税金を投入して、ろくにボランティアに指示もできず数々の失態を犯した事実。ガラガラのスタジアムを世界中のお茶の間に流してしまった恥。競歩の山崎選手の誘導ミスも考えられない事態である。
陸上大会の経験がない大阪陸連に、日本陸連からサポートを打診されていたのに、それを跳ね除けて行ったと言われている。その結果のグダグダ運営なのだから、呆れてものが言えない。日本のアスリートの顔に泥を塗った、役人根性全開の大阪陸連と組織委員会の罪は重い。もう二度と世界が日本を国際スポーツの舞台として見てくれなくなる程の酷い運営に、怒りがこみ上げるのである。
ちなみに、世界陸上大阪大会を独占放映したTBSだが、女子マラソンで土佐礼子選手がゴールする瞬間は関東エリアで視聴率37.7%を獲得したと大喜びだった。(関西では41.3%)
テレビ屋として「世界陸上大阪」は、大成功。結局世界陸上でババを引いたのは、他でもなく大阪市に真面目に納税をする大阪市民である。
恥ずかしい「世界陸上大阪大会」の裏事情まとめ
神戸新聞:見せてや新記録 世界陸上開会式
毎日新聞:世界陸上:手配ミスで部屋ない エリトリア選手、床で一夜
「世界陸上」の真の舞台裏、運営がむちゃくちゃで現場は大混乱 - GIGAZINE
お粗末運営、競歩で誘導ミス/世界陸上 - 大阪ニュース : nikkansports.com
時事ドットコム:競歩の誘導ミス、「たまたま」発言に大慌て=世界陸上
スポーツナビ|閉会式で盆踊り? 世界陸上
Yahooニュース(産経):世界陸上ボランティア、マナー違反…競技中に写真撮影
Yahooニュース(毎日):<食中毒>世界陸上のTBS放送スタッフ54人が発症
「大阪市が妙案? 詐称で停職職員にボランティアを」政治も‐地方自治ニュース:イザ!
レコードチャイナ:「大阪世界陸上を教訓に」国際陸連ディアック会長、北京五輪を語る
移譲記章|世界陸上女子マラソン中にDQNが自転車でコースに乱入
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