忘れ去られた鉄道路線 南海汐見橋線 (2)
大阪最強・大都会の盲腸路線
引き続き、大阪最強「都会の田舎路線」南海汐見橋線の沿線をぶらぶらしていきます。汐見橋線レポートの続編です。初めからお読みの方はこちらからどうぞ。
電車の中はいつもこんな感じ。多くても一両に10人くらいだろうか。通勤時間帯の増発もまったくない。ただただ、地元の足に使われているのみである。

汐見橋の次の駅が、芦原町駅。駅舎はこじんまりとしたコンクリート製。オンボロとまでいかない状態だが、駅名を記す看板も完全にさび付いたまま。(今は看板が新しいものに掛け換わっています)
この辺は市営住宅が多く立ち並んでおり、多少は通勤通学客がいる模様であるが、利用者はやはりまばら。
汐見橋線の駅舎や構造物は、そのほとんどが昭和30年代、戦後に再建された木造のものがそのまま使われている。戦災に遭っていない建物は木津川駅舎など一部に残っており、そちらは建造物の鉄筋に1910年という年号が確認できるそうだ。
汐見橋線は駅名看板だけではなく線路までご覧の通りの錆色。どう見ても赤字運営としか思えないのだが、私鉄である南海電鉄がこの路線を廃止しない理由がいくつかある。詳しくは後述で。
芦原町駅の周辺と言えば、芦原自動車教習所がある他はこうした人権関連の施設が立ち並ぶのみである。
いつ来てもひっそり静まり返っている「大阪人権博物館」。同和問題をはじめとした人権問題を啓発する施設なのだが、大阪という街の複雑さを象徴するような施設だとも思える。まあ、あんまり言いたくないけど。
次は「木津川駅」。ここはマジで駅の周辺に何もない。ただ古びた駅舎がポツンと立ち尽くすのみだ。
やけに広々しているのは、ここが昔貨物駅だったことの名残りである。
隣の大正区を含めてこのエリアは大正時代の工業化を象徴する紡績工業の集積地であり、木津川両岸には三軒家の「大阪紡績」、津守の「大日本紡績」などの大工場の他、煉瓦工場、鉄工場、造船工場がひしめき合っていたという。今のゴーストタウン状態と比べると想像もつかない。
工業製品や鉄工品、木材などが当時の木津川駅から貨物列車で運ばれるなどしていたそうだ。
かつて賑わいを見せていたという木津川のコンクリート岸壁は、今では行き場を失った路上生活者のバラック小屋が立ち並ぶ。(詳細)

さらに阪神高速の高架を跨いで南側に行くと、「津守駅」がある。

錆びたままの看板が哀愁を誘う。
やはりそこも忘れ去られてしまったかのように駅がぽつんと立っているだけだ。
道行く人々は高齢者ばかりだ。

津守駅だけが、仮のプレハブ小屋のような駅舎に建て変わっている。南海汐見橋線では最も新しい駅舎であることには違いない(笑)
駅の東側はひっそりした住宅街、そして駅の西側にあるのは「府立西成高校」と、なにやら奇妙な「西成公園」。
1990年代頃から公園内にホームレスが小屋掛けして、今ではおよそ70人程が住んでいると言われる。
大阪市は「公園整備」を名目に公園各所にフェンスを設け、ホームレスの居住を拒むばかりか、一般市民がまともに使えない状態と化しているという異常な公園なのだ。
そこでは子供の遊ぶ声は聞こえず、市の設置したフェンスとゴミ溜め、そしてホームレスの居住する小屋が立ち並ぶだけという異様な光景が広がっている。
何も知らずに公園をうろつくと、ホームレスの飼い犬に吠えられ追い掛け回される恐れがあるという。
もはや無法地帯だ。
公園の中はご覧の通り「村」になっております。こりゃ気軽に市民も立ち寄れません。
そこでは赤いプロ市民の方々がなにやらアツくなっている。どうやら、日本社会の最果てにやってきたような気持ちになった。むしろ来てはいけない場所のような気さえしてきた。気がつけば来た道を戻っていた。
津守の先にも「西天下茶屋駅」「岸里玉出駅」があるが、とりあえずレポートはここまで。
南海電鉄がこの路線を廃止せずに残しているのは、将来この路線が、汐見橋から北に延伸され、新大阪方面へ抜ける「なにわ筋線」の構想が上がっているからだという。
大阪環状線を走る電車が飽和状態になっていて増発できないことなどが理由の一つにあるが、そういえば大阪市内を南北に貫く路線は今の所、市営地下鉄以外にないのである。しかしなにわ筋線の計画も事業に参加する大阪市が財政難のために計画は全く前に進む気配もなく、計画中止になる恐れだって考えられる。
大阪市の「市営モンロー主義」の弊害が今になって交通網の不便に現れた訳だが、それがなければとうの昔に阪神・近鉄の三宮-奈良直通運転は実現していたかも知れないのだ。まったくもって大阪市の都市計画のお粗末さには呆れるばかりだ。
参考ページ
芦原町駅 - Wikipedia
木津川駅 - Wikipedia
津守駅 - Wikipedia
鉄ヲタ専用

汐見橋の次の駅が、芦原町駅。駅舎はこじんまりとしたコンクリート製。オンボロとまでいかない状態だが、駅名を記す看板も完全にさび付いたまま。(今は看板が新しいものに掛け換わっています)
この辺は市営住宅が多く立ち並んでおり、多少は通勤通学客がいる模様であるが、利用者はやはりまばら。
汐見橋線の駅舎や構造物は、そのほとんどが昭和30年代、戦後に再建された木造のものがそのまま使われている。戦災に遭っていない建物は木津川駅舎など一部に残っており、そちらは建造物の鉄筋に1910年という年号が確認できるそうだ。
汐見橋線は駅名看板だけではなく線路までご覧の通りの錆色。どう見ても赤字運営としか思えないのだが、私鉄である南海電鉄がこの路線を廃止しない理由がいくつかある。詳しくは後述で。
芦原町駅の周辺と言えば、芦原自動車教習所がある他はこうした人権関連の施設が立ち並ぶのみである。
いつ来てもひっそり静まり返っている「大阪人権博物館」。同和問題をはじめとした人権問題を啓発する施設なのだが、大阪という街の複雑さを象徴するような施設だとも思える。まあ、あんまり言いたくないけど。
次は「木津川駅」。ここはマジで駅の周辺に何もない。ただ古びた駅舎がポツンと立ち尽くすのみだ。
やけに広々しているのは、ここが昔貨物駅だったことの名残りである。
隣の大正区を含めてこのエリアは大正時代の工業化を象徴する紡績工業の集積地であり、木津川両岸には三軒家の「大阪紡績」、津守の「大日本紡績」などの大工場の他、煉瓦工場、鉄工場、造船工場がひしめき合っていたという。今のゴーストタウン状態と比べると想像もつかない。
工業製品や鉄工品、木材などが当時の木津川駅から貨物列車で運ばれるなどしていたそうだ。
かつて賑わいを見せていたという木津川のコンクリート岸壁は、今では行き場を失った路上生活者のバラック小屋が立ち並ぶ。(詳細)
さらに阪神高速の高架を跨いで南側に行くと、「津守駅」がある。
錆びたままの看板が哀愁を誘う。
やはりそこも忘れ去られてしまったかのように駅がぽつんと立っているだけだ。
道行く人々は高齢者ばかりだ。
津守駅だけが、仮のプレハブ小屋のような駅舎に建て変わっている。南海汐見橋線では最も新しい駅舎であることには違いない(笑)
駅の東側はひっそりした住宅街、そして駅の西側にあるのは「府立西成高校」と、なにやら奇妙な「西成公園」。
1990年代頃から公園内にホームレスが小屋掛けして、今ではおよそ70人程が住んでいると言われる。
大阪市は「公園整備」を名目に公園各所にフェンスを設け、ホームレスの居住を拒むばかりか、一般市民がまともに使えない状態と化しているという異常な公園なのだ。
そこでは子供の遊ぶ声は聞こえず、市の設置したフェンスとゴミ溜め、そしてホームレスの居住する小屋が立ち並ぶだけという異様な光景が広がっている。
何も知らずに公園をうろつくと、ホームレスの飼い犬に吠えられ追い掛け回される恐れがあるという。
もはや無法地帯だ。
公園の中はご覧の通り「村」になっております。こりゃ気軽に市民も立ち寄れません。
そこでは赤いプロ市民の方々がなにやらアツくなっている。どうやら、日本社会の最果てにやってきたような気持ちになった。むしろ来てはいけない場所のような気さえしてきた。気がつけば来た道を戻っていた。
津守の先にも「西天下茶屋駅」「岸里玉出駅」があるが、とりあえずレポートはここまで。
南海電鉄がこの路線を廃止せずに残しているのは、将来この路線が、汐見橋から北に延伸され、新大阪方面へ抜ける「なにわ筋線」の構想が上がっているからだという。
大阪環状線を走る電車が飽和状態になっていて増発できないことなどが理由の一つにあるが、そういえば大阪市内を南北に貫く路線は今の所、市営地下鉄以外にないのである。しかしなにわ筋線の計画も事業に参加する大阪市が財政難のために計画は全く前に進む気配もなく、計画中止になる恐れだって考えられる。
大阪市の「市営モンロー主義」の弊害が今になって交通網の不便に現れた訳だが、それがなければとうの昔に阪神・近鉄の三宮-奈良直通運転は実現していたかも知れないのだ。まったくもって大阪市の都市計画のお粗末さには呆れるばかりだ。
参考ページ
芦原町駅 - Wikipedia
木津川駅 - Wikipedia
津守駅 - Wikipedia
鉄ヲタ専用
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